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【相続の基本】押さえておきたい相続税の計算と対策、遺言書について

2018/08/10

かかる

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暑い日が続きますが、8月も中旬に差し掛かり、お盆の時期となりました。
家族・親戚みんなで集まるという方も多いと思いますが、お盆をきっかけに相続についての話をしてみてはいかがでしょうか。

相続の際に、
「相続トラブルに自分は関係ないと思っていた」
「被相続人(亡くなった方)と生前に話しておくべきだった」
など、実際に直面してから、話しておくべきだったと後悔する人も少なくないようです。

また相続で生じた問題については、
「相続の手続きに関すること」
「相続する人やもの、資産に関すること」
「相続税に関すること」
「人間関係のトラブル」
などで大変な思いをしているようです。

相続税とは?日本と世界で違いも

早速ですが皆さまは、相続時にかかる「相続税」について、詳しくご存知でしょうか?
「相続税」とは、被相続人の遺産を相続で受け継いだ場合や、遺言によって遺産を受け継いだ場合に、その遺産総額となる金額が一定額以上である場合にかかる税金です。

ちなみに相続税は日本だけでなく海外でも採用されています。
諸外国の相続税についてみてみると、以下の表のようになります。

表1:諸外国の相続税

出所:各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成

相続税の最高税率は、上記先進国の中で、日本が一番高くなっています。

一方で、相続税の無い国も存在します。
イタリアやカナダ、シンガポール、オーストラリアなどでは相続税がなく、また以前は相続税が採用されていた北欧諸国などでも廃止されています。

では、日本の相続税について詳しく見てみましょう。
相続税の申告・納税は、相続の開始があったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から、10ヵ月以内に、被相続人の死亡時の住所地の税務署に対して行う必要があります。

平成27年1月1日から、遺産にかかる相続税の基礎控除額が4割引き下げられ、課税対象者が拡大しました。

  • 改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人*の数)
  • 改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

* 被相続人の配偶者や子どもなど、民法で定められた相続の権利を持つ人。

また、最高税率の引き上げも行われました。
税率区分が6段階から8段階に細分化され、最高税率が50%から55%に引き上げられています。

表2:相続税の税率構造

出所:各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成

注意が必要なのは、基本的に相続税の納税は、現金での一括納付であるということです。 また相続税の納付書は、相続人自身が計算して作成する必要があります。

相続税は減額させることもできます

相続税対策として、ここでは「生前贈与」「土地の評価額減額」の2つを紹介します。

まずは「生前贈与」という方法です。
生前贈与とは、生きているうちに財産を贈与することです。
生前贈与を行う場合は「贈与税」がかかるものの、相続税よりも税率が低く、節税効果が見込めます。
また贈与者が相手を自由に選択できるため、指名した相手へ財産を確実に継承することができ、相続トラブルのリスクを軽減できます。

次に「土地の評価額減額」という方法です。
被相続人の土地を引き継ぐ際にも、相続税がかかります。
相続税の計算において、土地は時価ではなく「相続税評価額」が用いられ、主に路線価を基に計算されます。
地価の高い都心部などに住んでいる場合、土地の評価額も高くなり、多額の相続税を納めなくてはなりません。
そこでここでは、「小規模宅地特例」をご紹介します。
これは被相続人の宅地を取得する場合、宅地の価格を一定面積までは最大80%減額して評価する制度のことです。
この特例を利用するためには様々な条件があるものの、適用された場合には、例えば1億円の宅地の評価額は2,000万円となり、相続税評価額が下がり相続税を大幅に抑えることができます。

「相続」で「争続」にしないために

相続にあたっては、皆さまも耳にしたことのある「遺言書」があることで、トラブルを防げるケースが多くあります。

遺産相続では、法定相続よりも遺言による相続が優先されるため(遺言相続の原則)、特に以下のような場合などは、遺言が必要であると考えられます。

  • 家族関係が複雑であったり不仲である場合
  • 法定相続人でない人に財産を残したい場合
  • 法定相続分と異なる割合で相続させたい場合 など

遺言の書き方には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。
自筆証書遺言は、遺言者の自筆により作成します。法律に定められた要件や形式があるため、それが満たされない場合は無効となったり、またトラブルになるケースもあるようです。
公正証書遺言は、遺言者が公証人役場へ行き、証人の立会いのもとで作成します。公証人が作成するため無効にならず、滅失や偽造などの恐れがないものの、作成の際に手数料のほか、証人2人の日当がかかります。

表3:公正証書遺言作成の際の公証人への手数料

出所:各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成

相続といっても、単純に遺産が手元に入るだけというものではありません。
相続を受けることができる範囲や割合、相続にかかる税金など、様々なルールや手続きがあること、また様々な面でお金が必要になるということを知っておく必要があります。
事前に準備を行っておくことで、節税につながったり、親戚間トラブルを未然に防いだりすることができます。
この機会に、ぜひ相続について考えてみてはいかがでしょうか。

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