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シンガポールってどんな国?~多文化が共存する都市国家の歴史と魅力~

2023/10/26

知恵のハコ

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シンガポールと言えば、インフィニティプールで有名なマリーナベイ・サンズやラッフルズホテル、チャイナタウン、リトルインディアなどの観光名所や、チキンライスやバクテー、ラクサ、チリクラブなどシンガポールならではの料理を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。こうした観光名所や料理はシンガポールに集まる様々な民族・文化が混じりあい独自の発展を遂げてきた歴史でもあります。本記事では、シンガポールの魅力と共にそんな歴史や経済発展の経緯などについて紹介していきます。

シンガポールの基本情報

シンガポールは正式名称をシンガポール共和国と言います。マレー半島の南端に位置しており、本島のシンガポール島と大小50ほどのサザンアイランズと呼ばれる島々からなる独立国家です。都市全体で一つの国として成り立っているため、モナコ公国やバチカン市国と同様に都市国家と呼ばれる形態でもあります。面積は約720平方キロメートル(東京23区よりやや大きい)程度ですが、この面積に約564万人が居住(2022年時点の人口)しており、人口密度としては世界で2番目に高い国です。
シンガポールを構成するのは主に中華系でおよそ人口の3/4近くを占めていますが、他にもマレー系、インド系、その他アジア系、ヨーロッパ系の民族もいる多民族社会で、それぞれが独自の言語、宗教、文化を持っています。政府は多文化主義を支持し、民族間の共存と相互尊重を重視しています。 シンガポールの国旗は赤と白の水平二色旗で、赤は様々な民族で構成された国民の友好と平等を、白は純粋性を表しています。赤い部分の左にある三日月と星はマレー人の多くが信仰するイスラム教のシンボルですが、5つの星は5つの理想(民主、平和、進歩、平等、公正)を表し、三日月は5つの星が示す理想に向かって進むことを意味しています。

シンガポールの基本情報

国名 シンガポール共和国
面積 約720平方キロメートル(東京23区よりやや大きい程度)
人口 約564万人(2022年)
首都 シンガポール
言語 国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語
宗教 仏教、キリスト教、イスラム教、道教、ヒンズー教
通貨 シンガポール・ドル

シンガポールの歴史と経済発展

今では先進的な大都市として成長しているシンガポールも、19世紀初頭までは小さな漁村に過ぎませんでした。1819年にイギリスの東インド会社のトーマス・ラッフルズが、マレー半島の南端に位置するシンガポールの地理的な優位性を確信し、ここに商業拠点を設立した所からシンガポールの発展は始まります。
ラッフルズは当時、島を支配していた王族と交渉して一部の土地を獲得し、港や都市の整備を進めた他、港を関税のかからない自由港とすることや、民族間の争いを防ぐために移民を人種ごとに住み分けるなど、基本的な計画を策定しました。1824年に正式にイギリスの植民地となったシンガポールは、この基本計画を基に貿易港として急速に発展していきます。そのため、ラッフルズはシンガポール「建設の父」とも呼ばれ、上陸した記念の地は銅像が建てられ観光名所となっている他、シンガポールの名門ホテルであるラッフルズ・ホテルの名前の由来にもなっています。

シンガポールの歴史と経済発展

第二次世界大戦中の1942年には、一時的に日本による占領下に置かれましたが、終戦後はイギリス統治下に戻り、1963年にマレーシア連邦へ加盟しますが、マレー人優遇政策を進めるマレーシア中央政府と、平等政策を進めたいシンガポールとの間で対立が生じ、1965年にシンガポールはマレーシア連邦から切り離される形で独立することになります。
独立後、初代首相のリー・クアンユーの指導のもとで、シンガポールは経済発展を成し遂げました。水などの資源も乏しい小国であった故に、外資誘致と外国人受け入れを背景とした製造業や金融業を中心とした経済政策を進めた結果、国内総生産(GDP)は急速に成長。2007年にはシンガポールの1人当たりGDPが、3万5,000ドルを超え日本(当時約3万4,300ドル)を抜くなど、経済的な成功を収めています。なお、2022年時点のシンガポールの1人当たりGDPは8万2,808ドルで米国(7万6,343ドル)も上回り、世界第6位の水準です。
また、シンガポールには独立した株式市場があります。前述の通りシンガポールの面積は東京23区よりもやや大きい程度ですが、2023年5月末時点で643社が上場しており、時価総額も約83兆円と東南アジアとしては最大規模のマーケットです。時価総額が大きい企業のトップはDBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行とメガバンク3行が占めており、シンガポールにおける金融業の強さが見て取れます。
シンガポールでは法人税が17%と世界的に見ても低率であることや、株式や不動産などの売却益であるキャピタル・ゲインが非課税であること、ビジネスとして英語が日常利用されること、また資源が乏しいからこそ人的資本へ集中的に投資を行ってきたことや変化が容易な小国であることなど、弱みを強みに上手く転換できたことなどから、現在シンガポールは世界的な金融・商業・観光の中心地として知られ、高度なインフラ、安定した政治、進んだ技術を備えた国として地域や国際的な重要性を獲得するに至りました。

シンガポールの魅力

シンガポールの魅力

シンガポールには魅力的な観光名所が数多くありますが、世界三大がっかりスポットと言われるマーライオンや、3つのタワーの屋上がプールでつながっているマリーナベイ・サンズなどは特に有名かと思います。このプールは地上57階にあり、シンガポールのきらめく街並みを一面に見渡すことができる世界最大のインフィニティプールとして人気を博しています。
同じマリーナエリアにあるガーデンズ・バイ・ザ・ベイも人気のスポットです。巨大なガラス温室の中には美しい植物が咲き誇り、スーパーツリーグローブと呼ばれる高さ25~50メートルの人工木が見事な景観を作り出しています。また、シンガポール動物園も人気の名所です。ここでは絶滅危惧種や野生動物を近くで観察することができ、特に夜にオープンするナイトサファリは暗闇の中で夜行性動物たちの生活を観察できる貴重な動物園です。
シンガポールは多様な民族や文化が共存していることから、チャイナタウン、リトルインディア、アラブストリートなど、異なる文化が集まる地域で様々な文化に触れることが出来るのも魅力の一つです。こうした地域では、毎年それぞれの民族・宗教にまつわる様々なお祭りが開催されています。例えば、中国の春節やインドのディワリ、マレーシアのハリラヤなど、重要な祝日はシンガポールでも盛大に祝われ、民族や宗教に関わらず皆が楽しみ、文化の境界を超えて賑わいます。祭りの存在は異文化の魅力に触れる機会となり、異なる民族・宗教間の融和に大きく貢献しているようです。

シンガポールには魅力的な観光名所

更に、シンガポールでは様々な料理も楽しむことができます。シンガポール料理はマレーシア、インドネシア、中国、インド、タイなど、多様な文化的影響を受けて絶妙に融合しており、独自の料理が生まれています。チキンライスやバクテー、ラクサ、チリクラブなどがその代表的な例です。レストランだけでなく、フードコートやホーカーセンターと呼ばれる屋台街でも多くの料理が提供され、観光客にとっても人気のスポットとなっています。

シンガポール料理

旅行のハードルは比較的低い

今回、シンガポールについてご紹介させて頂いたのは、筆者にとっても今後訪れてみたい先として魅力ある場所と感じていたからです。日本からシンガポールは直行便で約7時間ですが、時差は僅か1時間と比較的ハードルは低い旅行先だと思います。円安の進展により海外での滞在費がかさむ傾向にありますが、LCCの利用やコロナ禍で貯めたマイルの活用など、皆さまも上手くやりくりしながら海外での様々な体験を楽しみましょう。

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