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カナダってどんな国?~天然資源、観光資源に恵まれた経済大国~

2023/01/27

知恵のハコ

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カナダはロシアに次ぐ世界第2位の広大な国土を誇り、大都市と自然が共存する国です。ロッキー山脈やナイアガラの滝など世界的に有名な景勝地を多数有しており、比較的治安も良いとされていること等から、観光だけでなく留学やワーキングホリデー等の長期滞在先としても人気のある国です。本記事では、そんなカナダの概要や経済、産業の他、カナダの自然環境や筆者も鑑賞したオーロラ等の観光資源についてご紹介していきます。

カナダの基本情報

カナダは北アメリカ大陸北部に位置しており、アメリカ合衆国の北側から北極圏にいたる大国です。カナダは日本の約27倍と広大な国土を有していますが、人口は約3,699万人と日本の約1/3程です。ヨーロッパ系の白人が人口の約7割を占めていますが、カナダは1971年に掲げた多文化主義の下で、「ファーストネーションズ」「メティス」「イヌイット」などの先住民や、アジア・中南米からの移民など200を超える民族が共生し、一つの国家を形成しています。そのため「モザイク社会」とも呼ばれ、多様性の好事例として世界から注目を集めています。

国旗は中央にカナダを象徴するメイプルリーフ(カエデ)が描かれており、両側の赤い帯は北アメリカ大陸をはさむ太平洋と大西洋を表現しています。赤と白は1921年に指定された国の色で、葉の先端の尖った部分と葉柄を合わせた12の数は、国を構成する10州と2準州(現3準州)を表しているとのことです。

カナダってどんな国?~天然資源、観光資源に恵まれた経済大国~

国名 カナダ
面積 998.5万平方キロメートル (日本の約27倍)
人口 約3,699万人(2021年)
首都 オタワ
言語 英語、フランス語が公用語
宗教 キリスト教徒(人口の約半数)
通貨 カナダ・ドル

カナダの公用語

カナダでは、英語とフランス語の2言語が公用語として話されていますが、2言語が公用語として設定されている国は多くはありません。カナダはイギリスとフランスの2国によって植民地とされた地域を併せて形成されたという歴史的な背景があることから、2国の文化や伝統がそれぞれ根強く残っていることが公用語が2言語となった理由です。
そのため、連邦政府の職員はバイリンガル(2か国語話せること)であることが求められ、空港や公共交通機関の標識、食品や家電製品等の商品ラベルやパッケージの多くは英語とフランス語が併記されています。

カナダの公用語

しかしながら、2016年に行われたカナダの国勢調査によれば、実態としては英語を第一言語とする人たちが68.3%で、両言語どちらも話せる人は17.9%程度とのことです。
一方で、植民地時代にフランスからの開拓の中心地となったカナダ東部のケベック州では、フランス語を第一言語とする人たちが85.4%と多数を占めているなど、その地域の文化や伝統により使用される言語も異なる点はカナダの興味深い特色かと思われます。

カナダの経済・産業と日本とのつながり

カナダの経済規模は名目GDPが1兆9,883億米ドル(2021年時点)と世界第9位の経済大国です。情報通信、金融・保険・不動産などの第3次産業の比重が高い先進国型の経済構造ですが、カナダは世界第2位の広大な国土において鉱物資源やエネルギー資源、森林、水産、農業資源などの幅広い資源を有している上、石油埋蔵量ではベネズエラやサウジアラビアに次いで世界第3位にあるなど資源大国でもあります。

カナダ経済における最大の貿易相手国は隣接している米国ですが、日本との貿易も活発に行われています。日本とカナダは1928-29年に双方が首都に公使館を開設したことで外交関係が樹立し、以後両国関係は順調に発展してきました。日本はカナダから主に鉱石や燃料、食肉や木材等の原材料・農産品を輸入し、日本からカナダへは主に自動車や機械、電子機器や医療機器等の製造業品を輸出するなど、貿易関係は相互補完的な関係にあります。2020年、新型コロナウイルスの影響により日本からカナダへの輸出は大幅に減少したものの、現在は自動車、機械類の輸出の回復を受け改善傾向です。そして近年はAI、IoT等イノベーション分野での相互投資が活発化しています。
また、カナダは日本からの留学やワーキングホリデー先として米国やオーストラリアに並んで非常に人気のある国です。その理由については、上記でもご紹介しております通り、他民族国家として移民や外国人に対しても寛容な政策であることや、1つの国で英語とフランス語が学べる柔軟さ、また、多くの文化遺産や豊かな自然遺産に恵まれ、米国にも気軽に訪れることが出来る環境等から日本人も多く滞在しています。

カナダの経済・産業と日本とのつながり

カナダの自然環境とオーロラ

カナダはその豊かな自然や歴史から、ナハニ国立公園やアルバータ州立恐竜自然公園などの世界自然遺産、ケベック歴史地区やルーネンバーグ旧市街などの世界文化遺産など20の世界遺産(2022年1月時点)を有する一方、極寒の地となる北極圏などの厳しい自然環境も有しています。
特に、カナダの極北地方にあるノースウエスト準州は、面積の半分が北極圏に位置しており、永久凍土が広がるツンドラ気候の厳しい自然環境に晒されていますが、その一方で他では得難い魅力もあります。
このノースウエスト準州の州都であるイエローナイフは、北極圏に近く冬の天候が安定しており、またオーロラベルトと呼ばれるオーロラの発生頻度の高いエリアに位置していることから、世界屈指のオーロラ鑑賞の名所と言われ、世界中から多くの観光客が訪れています。
筆者もそうした点に大いに魅力を感じ、イエローナイフまでオーロラ鑑賞に出かけて行ったことがあります。日本からイエローナイフまでの直行便はありませんので、バンクーバー、カルガリーを経由する長旅でした。イエローナイフにおけるオーロラの見ごろは夏季の8月中旬~9月、または11月中旬~4月頃と言われており、夏季であれば日本の防寒具でも問題ありませんが、筆者は平均気温がマイナス20度を下回る厳冬期の2月に訪れたことから、日本から着ていた防寒具が役に立たず、現地で専用の防寒具を一式借りることになりました。

カナダの自然環境とオーロラ

マイナス20度は家庭用冷凍庫の温度(マイナス18度)を下回る世界です。肌を露出すると痛く感じることから、全身を分厚い防寒具で覆うため非常に動きにくく、また鼻呼吸すると外気を吸い込む度に鼻腔内の湿気によって鼻毛が凍り付き、吐くと解凍されることを繰り返すという、日本ではあまり起こりえないであろう、貴重な経験が出来ます。
またスマホやカメラ等の電子機器の取扱いにも注意が必要でした。低温環境では満タンのバッテリーでもあっという間に消耗して使えなくなることから、予備のバッテリーをカイロで保温しながら撮影したり、カメラを低温環境から室内に戻す時は急な温度変化でレンズが結露するのを防ぐために周りの空気ごと保冷バッグに入れて戻したり、素手で三脚やスマホの金属部分などに絶対に触らないようにするなど、大変気を遣うものでした。
そうした極限の環境下でオーロラの出現を待つのですが、オーロラは太陽からの太陽風が要因となり発生する現象であることから太陽活動が活発であることや、天気が良く雲が無いことなどの条件をクリアしなければ綺麗に見ることができません。
筆者は現地に3泊しましたが、1日目は曇天、2日目は弱めのオーロラでした。弱めのオーロラでも写真にはオーロラらしい優雅な緑色に写るのですが、肉眼では白っぽいふわふわしたものに見えるため、一見雲と見間違う程度のものでした。テレビや写真で見たオーロラはカメラの中だけに存在するもので、実際はこの程度かと内心がっかりしていましたが、3日目は肉眼で見ても鮮やかな緑色で、カーテンのように舞うダイナミックなオーロラに出会うことができました。オーロラはあくまで自然現象ですから自身の思い通りになるものではありませんが、日本からカナダの北極圏にまで訪れ、空振りで帰国する訳にはいかないという気持ちでいたため、幸運にも見事なオーロラに恵まれ、思い残すことなくイエローナイフを後にすることができました。

イエローナイフのオーロラ

イエローナイフでは3連泊すればオーロラに遭遇出来る確率が9割以上と言われることなどから、オーロラもこの地域における重要な観光資源となり、コロナ禍以前では人口約2万人の街に年間でその数倍の観光客が訪れていました。
コロナ禍においてはカナダ、またイエローナイフが位置するノースウエスト準州でも入国制限を行っておりましたが、現時点では全て解除されています。それでも、以前の状況にはまだほど遠いと思われますが、既に日本からのオーロラツアーも再開しており、再び世界中の方がオーロラを楽しむようになる日も遠くないかもしれません。

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