【メリットいろいろ】身近に広がる「サブスク」サービスとは?
2019/12/05
最近「サブスク」という言葉をよく聞くようになったけれど、一体何のことなのかピンとこないという人がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?「サブスク」は、「サブスクリプション」の略で、定額制サービス、定期購読などを指しています。雑誌・新聞の定期購読、交通機関の定期券など、「サブスクリプション」にあたるサービスはずっと前からあるので、それだったら利用したことがある、または現在も利用しているという方が大半かもしれません。ではなぜ最近になって「サブスク」が頻繁に取り上げられるようになったのだろう?と不思議に思われることでしょう。
「サブスク」が広まっている背景
これまでは経済成長と所得増加を背景に、モノを「所有」することが社会的なステータスでしたが、近年は景気低迷や経済格差拡大などにより、ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭に生まれた世代)を中心に「所有」から「利用(共有)」することへ徐々にニーズのシフトが進んできたことが理由の一つとして考えられます。さらに、デジタルネイティブとも言われるこの世代は、インターネットなどを通じてデジタルサービスを日頃から活用していることも、AmazonやNetflixといった音楽・動画配信などの定額制サービスを提供するIT型サブスクの急拡大を後押ししていると考えられます。インターネットを通じて商品・サービスの申込・解約、決済、発注などが簡単かつスピーディにできるようになったことで、バラエティに富んだサービスが台頭し、日常生活にどんどん浸透してきています。
従来型の定額制サービスとの違い
一方、今広がりを見せている「サブスク」は、決まった金額・量に基づいた単なる商品・サービスの持続的な提供といった冒頭の定額制サービスとは大きく異なります。AIを活用して顧客の嗜好を学習し、最適な商品・サービスを「レコメンド(推奨)」することで満足度の向上を図り、顧客の解約率の低減に努める「サブスク」がその一例です。膨大な商品・サービスから、各顧客の嗜好に近いものを自動的もしくは定期的にレコメンドすることにより、顧客は選択する手間が省け、新たな発見につなげることができる一方、企業は需給のミスマッチを低減できます。また、音楽や動画配信サービスは顧客が同じプラットフォーム上でサービスを共有するため、利用者が増えるにつれ顧客情報が蓄積され、満足度が高いサービスが重点的に充実化されていくメリットもあり、それがさらに利用者の増加につながるなど、同じ定額制サービスでも企業と顧客との関係性(双方向コミュニケーション)という点で従来型の「サブスク」とは異なります。また、前述の音楽・動画配信サービスのように、「所有」することにこだわらないレンタル型サービスが多い点も異なります。
「サブスク」の代表的なサービス
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音楽・動画等の配信サービス
映画、ドラマ、アニメをはじめさまざまなコンテンツが定額料金で見放題となるサービスをNetflixやHuluなどが提供しています。あるコンテンツを視聴するとそれに類似したジャンルのコンテンツや、登場する俳優が過去に出演していたコンテンツがレコメンドされるなど、利用者を飽きさせない仕様になっています。また、Amazonは音楽・動画配信に加え、定額制電子書籍サービスやオンラインショッピングサービスなど、ネットで幅広いサービスにアクセスできるビジネスモデルを展開し、顧客ロイヤルティの向上を図っています。 -
家具・洋服・バッグ・アクセサリー等のレンタルサービス
高級家具や一流ブランドの服飾品は欲しいと思っても余りにも高くて諦めた経験があるのではないでしょうか。「サブスク」を活用すれば、毎月少額を支払うだけで普段では購入できないような高額商品をレンタルすることが可能になります。あるいは高級品に限らず、ある「サブスク」ではスタイリストによってコーディネートされた服飾品などのセットが定期的に配送され、クリーニング不要で返却できるなど、色々と試したい人や、時間的に余裕がない人にピッタリのサービスも提供されています。このサービスを利用すれば、よくある「お気に入りだけど、サイズが合わなくなったのでしまったまま」といった問題も解決されるのではないでしょうか。 -
飲食店系サービス
例えば毎朝コーヒーを購入している、または仕事上がりに毎晩ビールを一杯飲んでいるなど、毎日同じ店で飲食しているといった人はいませんか?飲食店系の「サブスク」は定額制のため、上手く活用すればお得に飲み食いできます。また、「ここのラーメンがとにかく好きで毎日食べても飽きない」という人にはラーメンのサブスクサービスを提供するお店もあり、このほかカフェ、フレンチ、居酒屋などさまざまなジャンルに広がってきているので、自宅や職場の近所で提供しているお店があれば一度試してみてはいかがでしょうか。 -
美容・コスメ、自然食品、お酒等の定期便サービス
とにかく今流行りのものや希少性があるものなど色々試してみたい。そんなニーズに応えるコスメなどの「サブスク」もあります。メーカーは各利用者向けに厳選した商品を毎月配送し、利用者は人気商品や販売前のサンプル、限定品なども試すことができるため、普段自分が購入しないような商品など新たな発見につながるかもしれません。一方、メーカーは流行に敏感な利用者からのフィードバックを得ることができるというメリットがあります。
賢い「サブスク」の使い方
1つ目は、「サブスク」は使わなくても定額課金されるため、まずは頻繁に利用する商品・サービスかどうか考えてみましょう。動画見放題サービスなどはさまざまなラインアップが揃っていて、日頃から沢山みている人にとってはお得感があるものの、時間がなくて結局ほとんどみていない人もいるのではないでしょうか。そのような場合は、あえて「サブスク」をするまでのサービスではなかったという判断で、すぐに解約することをオススメします。
2つ目は、「買いたい商品があるけど、自分に合うかどうか分からない」、「買ってもどれぐらい使うか分からない」など、なんらかの不確定要素がある場合に「サブスク」は向いています。例えば、子供のおもちゃ。おもちゃ売り場で子供がすごく欲しがっていたので買ってあげたものの、すぐに飽きてしまった、ということはよくあることではないでしょうか。そうかといって実際自分でおもちゃを選ぶとなると、どれがいいのか分からないといった悩みは無いですか?トイサブ!は、知育玩具の満足度調査に基づき、月齢に応じたおもちゃを定期的に届ける「サブスク」です。子供の嗜好性などに合わせてカスタマイズされたおもちゃが子供の成長に合わせて届くため、知的好奇心を高め、収納に困ることもなくなるのではないでしょうか。もちろん気に入ったおもちゃに出会ったら購入することもできます。
最後に、必要性があるけど購入するには金銭的にハードルが高いものに「サブスク」を活用してみるのもよいでしょう。高級ブランド品、大型家電、車、家など気軽に買い替えることが難しいものであっても、「利用(共有)」するだけであれば金銭的ハードルが下がり、これまで手が届かなかったものに出会えるかもしれません。
「サブスク」の今後
先進国を中心に少子高齢化などの影響により消費縮小が進行し、大量生産・大量消費トレンドが終焉を迎えるなか、商品やサービスそのものの提案力(差別化)が今後さらに求められることが予想されます。本来「購入」すれば膨大な金額がかかるところを、毎月定額を支払えば「利用」できる「サブスク」は、ミレニアル世代のニーズにマッチしたと考えられます。近い将来、「サブスク」が当たり前の時代になり、ライフスタイルが一変するかもしれません。
出所:各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成
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