投資信託を買う②:もう迷わない!購入までの正しい手順とは?
2019/03/06
本シリーズでは、これから投資を始めようとしている方へ、投資信託の購入前、購入後にすべきことや注意点などを解説します。
第2回は投資信託を買う「手順」についてです。
まず金融機関を選ぼうとしていませんか?
投資を始めようとすると、真っ先に「どこで申し込んだらいいの?」という疑問が思い浮かぶ方が多いようです。でもちょっと考えてみてください。私たちが普段買い物をするとき、まず店から決めるでしょうか?ショッピングそのものが目的ならそういうこともあると思いますが、普通はまず「何を買うか」を決めるはずです。
例えば、夕飯の買い物の場合、
① 今日はカレーにしよう
② カレーならジャガイモとニンジンが足りないな
③ あ、確かジャガイモとニンジンならあそこのスーパーが特売日だ
これが普通の買い物の流れだと思います。もちろん、近くに店が1軒しかないなら選択の余地はありませんが、選ぶことができる場合、どの店で買うかは最後に決まるはずです。
投資信託も例外ではありません。もっと言うなら、同じ投資信託ならどこで買っても品質は全く同じなので、その分「どこで買うか」より「何を買うか」がさらに重要となるのです。
買い物も投資も予算決めが大切
ジャガイモやニンジンであれば比較的家計への影響は小さいですが、服や家電などある程度高額な物になってくると、あらかじめ予算を決めておき、その範囲内でより良いものを探すことが賢く買い物をするポイントの一つになるのではないかと思います。
投資信託についても予算決めは重要です。普段の生活費や今後のライフイベントでかかる費用を把握し、いくらまで資金を投資に回しても良いかを決めておかないと、投資のせいで生活を圧迫してしまう事態になりかねません。このため、予算決めは「何を買うか」と同じくらい大切と考えられます。まずは預金や月々の収入から、最大いくら投資に回しても良いのかを決めておきましょう。
もちろん、いきなりその最大額を投資に回すのではありません。投資信託は日々値が動くものであり、値動きが比較的小さいものもあれば、大きく値が動くものもあります。過去の値動きなどから、その投資信託が最悪の場合どの程度下落するものなのかを確認し、自分は「どの程度損をしても投げ出さずに投資を続けることができるか」を判断したうえで、適切な金額を投資に回すと良いでしょう。
目的はひとまず「老後のために」
先ほどの夕飯の例では、「何を買うか」の前に今日の献立(買う目的)を決めていましたが、投資において、その目的を決めることはモチベーションの向上や、目標金額などの投資方針の明確化につながるといったメリットがあります。
しかし、本シリーズの第1回で記載した通り、具体的な目標を立てることができなくても投資を始めることはできますし、その結果得られたリターンはまわりまわって老後への備えに繋がります。
投資の目的が明確に決まっていない場合は、あまり難しく考えずに、ひとまずは「老後のため」として、長く投資し続けることを前提に始めると良いのではないでしょうか。
これがセオリー!?投資信託の購入手順
今までの解説を手順通りにまとめたいと思います。
① 投資の目的が明確にあるのであれば、それに向けた目標金額を決めておく
② 投資に回す予算を決める
③ どの投資信託を買うのかを決める
④ 予算の範囲でその投資信託をいくら買うのかを決める
⑤ その投資信託をどこの金融機関で買うのかを決める
これが投資信託を購入するセオリーと考えられます。
「それ、普通の買い物と大して変わらない!」
と思った方、正解です。
私たちは初めてのものを買うとき、誰かに後押しをしてもらわないと不安になる傾向にあるようです。初めて買う服、初めて買う家電、初めて買う車、どれも店員のアドバイスがないと本当にこれを買って良いのか不安になるものです。
もちろん何を買うにしても、店員のアドバイスはとても役に立ちますし、大いに参考にすべきです。また、「とても丁寧な対応で、店員が信用できたから買った」というのも購入動機として全く問題ないと思います。
ただ、店員に言われるがままに、予算を大きくオーバーしたものや、すぐ隣の店で半値で売っているものを買うことは、明らかに「賢い買い物」とは言えません。そもそも、そんな商品の勧め方をしてくる店員は、まず信用できないでしょう。
投資信託という目に見えない商品なら、なおさら不安になるのも仕方のないことです。そして、そういう不安を持っているからこそ、「どこで申し込んだらいいの?」がまず頭に思い浮かぶのでしょう。
投資信託を購入する際は、ぜひ買い物の原点に立ち返り、前述した①~⑤の手順を参考に決めてみてください。仮に、金融機関の窓口へ相談しに行くにしても、訳も分からずいきなり最寄りの金融機関に飛び込むより、手順①~④を終えたうえで、⑤で目星を付けた金融機関に行った方がよほど有意義な話ができるはずです。
(執筆:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 佐藤 啓)
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