【費用別】注文住宅オプションおすすめランキング~後悔したくない人のために~
2024/08/16
「自由に設計できる注文住宅を建ててみたい!」と考えている方は少なくないでしょう。住宅ローンの金利上昇圧力が少しずつ高まる中で、できるだけ予算を抑えて注文住宅を建てたいというニーズも高まっているかと思います。
本記事では、筆者が約半年前に注文住宅を建てた経験を踏まえて、最近の注文住宅の傾向、値引き交渉のコツ、おすすめのオプションを金額別に独自の観点によるランキング形式で紹介します。ランキングは、すべて筆者の主観によるもので、皆さまのライフスタイル、好み、予算などによって必要性などは変わると思いますが、実際半年間住んでみたリアルな評価ですので、家づくりを検討されている方には参考になるのではないかと思います。
なお、ハウスメーカー、工務店によってはオプションではなく、標準設備になっている場合もありますのでご注意ください。
最近の注文住宅の傾向
モデルルームなどに行ったことのある方は、「ZEH(ゼッチ)住宅」、「長期優良住宅」などのキーワードを聞いたことがあるでしょう。まさにこれが最近のトレンドで、環境に配慮された機能性の高い住宅への注目が高まっています。国や自治体もこのような住宅の普及を後押ししており、住宅ローン控除が手厚くなったり、補助金を多く受けられる傾向にあります。特に住宅ローン控除については、省エネ基準を満たさないと控除が受けられない可能性もあるため、建築する該当年度の条件を調べることが重要です。補助金についても、該当地域の情報を入念に調べておくと、お得に良い設備を導入できる可能性があります。
値引き交渉のコツ
限られた予算でお得にオプションを取り入れるには、「契約前」の交渉が重要です。高額なオプションについては、取り入れたいオプションを伝えて値引きの可否を確認してみましょう。また、大量仕入れなどでメーカーから安く仕入れる販路を持っているなどの理由により、ハウスメーカー、工務店ごとに値引きしやすいメーカーがあります。そのため、メーカーにこだわりがない場合、より割引率の高いメーカーを選択することもよいでしょう。
おすすめオプション
それでは、筆者おすすめのオプションを価格帯別にランキング形式でご紹介します。評価としては主に機能性向上とデザイン性向上の2つの軸がありますが、それらの効果の大きさと金額を踏まえた総合的な満足度で評価しました。
約10万円未満
第1位 センサーライト(機能性)
筆者の家では、外構、玄関、廊下、階段、ファミリークローゼット、トイレに設置しています。電気をつける手間も、消し忘れもなくなり便利です。また、子育てをしている場合、子どもを抱っこして移動するときに自動でライトがついてくれるので本当に便利です。
第2位 クローゼットのハンガーパイプ追加(機能性)
狭小住宅で収納スペースが限られている方にはクローゼットのハンガーパイプの追加がおすすめです。標準の1段から2段にすることでより多くの服を収納できます。また、枕棚を通常より高くすると服を掛けるスペースが広がります。ワンピースなど丈の長い衣類もかけられるようにするために、1段のみの場所も残しておくと便利です。
第3位 スイッチニッチ(機能性・デザイン性)
筆者は、リビングにスイッチニッチを作り、各種スイッチを集約しました。「ニッチ」は「隙間」という意味で、スイッチニッチとは廊下や玄関、リビングなどの壁の一部を凹ませ飾り棚として作ったスペースのことです。家事導線もよくなり、見た目もすっきりします。トイレの収納ニッチ、玄関に飾りを置くためのニッチなど様々な種類があります。
第4位 可動棚(機能性)
洗面所とパントリーに可動棚(収納する物に合わせて高さを調整できる棚)を設置しました。可動棚は計画時点で何をどのくらいの量置くのかを想定し、綿密に計画を練っておくことをおすすめします。奥行は30cmが使いやすいとされているため、可動棚の上に置く収納ボックスも奥行30cmの商品が多いです。奥行がありすぎると物が奥にいってしまい、逆に使いにくくなる可能性があります。そのため、用途を見据えて奥行を決定するとよいでしょう。筆者の場合、脱衣所の可動棚は洗濯物をすべて取り出して畳む段(筆者の家では乾燥機を使用しています。)だけ奥行60cm、それ以外の段は奥行30cmにして満足しています。棚の数は、収納するものを想定し、収納ボックスの高さを考慮したうえで必要枚数を算定するとよいでしょう。
第5位 間接照明とダクトレール(機能性、デザイン性)
↑エジソン電球(写真手前)と埋め込みダクトレール(写真奥) |
↑下から上に照らす照明(ダクトレール使用) |
↑エジソン電球(写真手前)と埋め込みダクトレール(写真奥)
↑下から上に照らす照明(ダクトレール使用)
照明計画は部屋の雰囲気を大きく左右します。生活に必要な光量を算定し、部屋の明るさを保つために必要な照明と、デザイン性を高めるための照明(間接照明や光量の少ないエジソン電球など)を分けて考えました。生活に必要な照明も必ずしも上から下に照らす必要はありません。筆者の家では、ダクトレールを活用して下から上に天井を照らす形で生活に必要な明るさを確保しています。ダクトレールは照明の数や向きなどを後から変えることができるのでとても便利です。天井にダクトレールを設置する場合は、埋め込みタイプにするとよりデザイン性が高まります。
第6位 見切り材、巾木(デザイン性)
↑トイレの床見切り材 |
↑真鍮見切り材のアップ |
↑トイレの床見切り材
↑真鍮見切り材のアップ
地味な部分ですが、意外と目立つのが見切り材と巾木です。筆者の家ではトイレの見切り材を真鍮見切り材にしました。巾木は、水回りだけソフト巾木(クロスと合わせて目立たない色を指定)にしました。リビングの巾木は標準にしましたが、より薄くて目立たない巾木も存在します。
第7位 コンセント、スイッチプレート(デザイン性)
一般的に、コンセントやスイッチプレートは標準だと白いですが、壁の色に合わせることなどで印象が変わります。特に濃い色の壁には、白が目立ちやすいので同系色のプレートにするのがおすすめです。白い壁の場合も、シルバーなどにすると印象が変わります。目立つ位置に配置されるスイッチだけでも変更するのもよいと思います。
第8位 アーチ壁(機能性、デザイン性)
パントリーとファミリークローゼットにアーチ壁(R垂れ壁)を採用しました。デザイン性もよく、適度に空間を分割してくれます。また、ドアを開ける必要がないのでアクセスも容易です。注意点はR壁の円の形をしっかり確認することです。指定しないと、想定していた形にならない場合があるようです。形については設計士さんに相談してみてください。
第9位 梁のフック(機能性、デザイン性)
↑梁のフックを利用して設置したブランコ
リビングに梁がある場合、フックをつけると梁を活かして楽しめます。筆者の家はブランコを設置しています。日当たりがいい場所であれば観葉植物などを引っかけることもできますし、スペースに余裕があればハンモックも取り付けられます。
第10位 ハイドア(デザイン性)
通常の建具のドアよりも高さが高いドアに変更すると、空間が広く見えたり、スタイリッシュになる効果があります。一般的に建具のドアは2m、天井の高さは2.4mなので40cmほど垂れ壁ができますが、ハイドアにすると垂れ壁の高さが低くなります。垂れ壁なしで天井までのドアにすることもできます。
約10万円以上
第1位 食洗器(機能性)
深型の引き出しタイプ(幅45cm)を活用しており、日々の洗い物の負担が劇的に減って筆者には手放せない存在になっています。食洗器を選ぶ際は、まず浅型か深型かを決めます。そして深型の場合、引き出しタイプ又はフロントオープンタイプを選びます。(一般的にフロントオープンの方が高価です。)幅は45cmか60cmから選べることが多いです。筆者は、深型タイプを選びました。パンフレット等に3人家族向けなどと記載があっても、実際は容量が足りない印象があります。浅型だと鍋などを入れにくく、家族の人数が少なくてもすべての洗い物を入れるのが難しい可能性があります。
第2位 タッチレス水栓(機能性)
キッチンのタッチレス水栓は慣れてしまうと手放せないものの1つになりました。水栓の根元に水がたまらず、水栓本体も水垢がつきにくいです。センサーの数ですが、上部と下部の両方にセンサーがついているものがおすすめです。上部のセンサーはかざすと水が出続けるので、長く水を出したいときに使用し、下部のセンサーではかざしている間だけ水が出るので短時間水を出したいときに使えます。筆者の家では浄水器(水栓一体型)を付けましたが、フィルターの交換の手間、水の味が気になるかなども踏まえて必要に応じての検討で十分だと思います。
第3位 造作風洗面台(機能性、デザイン性)
おしゃれな洗面台にしたいと考える方におすすめなのが造作風洗面台です。ある程度パッケージ化されているものの、カスタマイズできる商品があります。筆者の家では以下のような洗面台にしました。
- ① 幅120cmで洗面ボウルを片寄せ(大人2人が同時に使えるようにするため幅を広めに)
- ② 洗面台の下に足を入れるスペースを作る(座って髪を乾かしたりメイクができるように)
- ③ 壁排水(床ではなく、壁に配管を通しているので床の掃除が容易)
- ④ 面材の色を指定(モルタル風にしました)
洗面台はライフスタイルや好みに合った選択をするのがベストと考えます。筆者の事例は参考程度にしていただけたらと思います。
第4位 折り下げ天井(デザイン性)
カフェ風のキッチンに憧れて折り下げ天井を採用しました。キッチン部分の空間を仕切る効果もあります。折り下げ天井ではなく、折り上げ天井もあります。折り上げ天井は、リビング、ダイニング部分に活用されていることが多いです。様々な色やデザインの折り上げ(下げ)天井がありますので、施工事例をネットなどで検索して、気に入ったものがあれば採用を検討してみてください。
第5位 各フロアにトイレを設置、タンクレストイレ(機能性、デザイン性)
2階建て住宅の場合、フロアごとにトイレがあった方がやはり便利です。また、筆者の家ではリビングのある2階のみタンクレストイレを採用しました。見た目がとてもスタイリッシュで自動開閉機能付きなので便利です。1階のトイレは使用頻度が低いことや、万が一の災害時を考慮してタンク有りのトイレにしました。
第6位 リビングのドア(デザイン性)
リビングのドアはインテリアにとても影響を与えます。お気に入りのデザインがあれば標準ではなく、オプションドアの採用を検討してみてください。例えば、ホテルライクなインテリアが好みの場合、全面透明ガラスの引き戸が人気のようです。筆者の家では、インダストリアル系のインテリアに合わせて深めのグリーンの建具を選びました。メーカーによって色合いが異なるので、ショールームで実際の色を確認することをおすすめします。
第7位 タイル装飾(デザイン性)
タイル装飾は好みのインテリアを演出する重要なポイントとなります。筆者の家ではキッチンのカップボードの上部、洗面台と鏡の間の2か所に採用しています。当初はテレビ後ろの壁にも検討しましたが、コストの関係で断念しました。その代わりに、ハサミで切れるレンガシートを活用してDIYしました。意外と本物に近いテイストで部屋の雰囲気を大きく変えることができました。
第8位 自動洗浄の換気扇(機能性)
お湯を入れるだけで内部が自動洗浄される換気扇を導入しました。前の家では、不織布のフィルターを毎回変えていたのですが、その手間がなくなりとても便利です。
第9位 庇(機能性)
庇(ひさし)があることで、夏の暑い日差しをやわらげたり、雨などの汚れを防ぐことができます。すべての窓につけると高額になりますので、優先順位を考えて計画的に設置するとよいと思います。
第10位 電動シャッター(機能性、デザイン性)
リビングの掃き出し窓に設置しました。使用頻度は低いですが、台風がくるときなどに安心です。最近の手動シャッターはとても軽い力で閉めることができて操作音も静かなので、手動でも十分だったかもと思います。
約100万円以上
第1位 ロフト(機能性)
狭小住宅にお勧めなのがロフトです。天井を1.4m以下にすることで床面積不算入になりますので建築条件の厳しい土地でも最大限にスペースを確保することができます。また、ロフトには固定階段をつけるのが良いと思います。はしごにすると金額は抑えられますが、荷物を搬入しにくく、結局使わなくなるということも聞きます。
第2位 バルコニー(機能性)
バルコニーを設置しない家も増えていますが、筆者の家では奥行1.5mの比較的広めのバルコニーを作りました。奥行が1.5mあると、バルコニーに植物、子供のプール、椅子などを置くことができて、「滞在できる」バルコニーになります。できれば奥行2m以上とれると「快適に滞在できる」バルコニーとして活用できるのではと思います。
第3位 太陽光、蓄電池(機能性)
太陽光発電(4.2kwh)と蓄電池を導入しました。筆者の住む地域では補助金が充実していてお得に設置できました。参考情報として、2024年6月の発電状況を確認したところ、1か月の総発電量は647kwhで自家消費が272kwh、売電量が374kwh、購入電力量が145kwhでした。気になる1か月の電気代は通常(自家消費272kwh+購入電力量145kwh)の1/3~1/2程度に抑えられています。なお、太陽光発電は無料でリースしており、売電量についてはリース会社の収益になる仕組みになっています。蓄電池は特定負荷型(限られたコンセントのみ蓄電池の電力を使用可能)ではなく全負荷型が便利です。蓄電した電気を家中すべての照明、コンセントで消費でき、災害時も有効にしたいコンセントや照明を自由に選択できます。
第4位 オール樹脂のトリプルサッシ(機能性)
断熱性を重視して、オール樹脂のトリプルサッシ(アルゴンガス入り)を採用しました。樹脂の窓枠はアルミに比べて高価ですが、断熱性に優れています。そのハイブリッド型としてアルミ樹脂複合サッシ(室外側がアルミ、室内側が樹脂)があります。断熱性でみるとオール樹脂のトリプルサッシが最もよいですが、窓枠が太い、劣化懸念、窓がとても重いといったデメリットもあります。筆者の家では、光熱費の高騰や温暖化による猛暑日の増加などを考慮して機能性重視で導入しました。
おわりに
注文住宅は自分たちで決められることも多く、無限に予算があればどんどんグレードアップできますが、実際は予算に限りがある方も多いでしょう。どのような選択肢があるのか情報を集め、家族のライフスタイルを考慮し、何を優先するかをすり合わせていくことがとても重要です。本記事が皆さまにとって最高の住宅づくりの一助になれば幸いです。
■住宅購入についての悩みや疑問を解決!
【Facebook】
米国株市場のポイント「瞬解!3行まとめ」を毎営業日配信!お役立ちマネーコラムも
↓下のボタンからフォローをお願いします
わらしべ瓦版を
Facebookでフォローする