実録!「結婚費用」のアレコレ
2019/06/28
記念すべき「令和」第一日目だった2019年5月1日。この日は大安だったこともあり、普段より多くのカップルが婚姻届を提出したと話題になりました。そして6月は「ジューンブライド」と呼ばれ「6月に結婚式を挙げたカップルは幸せになれる」という言い伝えもあるなど、結婚と縁が深いことから、今回は「結婚」に関するお金について考えたいと思います。
結婚式に費用はどれくらいかかるの?
「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」によると、挙式、披露宴・パーティ総額の全国平均(推計値)は357.5万円。しかし、データをよくみると、約45%と半数近いカップルが400万円以上かけていたことがわかりました。
★挙式、披露宴、披露パーティ総額の金額別割合(全国推計値)
出所:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」の情報をもとにアセットマネジメントOne作成
※小数第2位を四捨五入しているため、上記グラフの合計値が100%とならない場合があります。
見積書の金額をオーバーするのは当たり前?
どこで挙式するかを決めるうえで最も重要といっても過言でないのが、見積書ではないでしょうか。複数の式場で見積書を取り、少しでも安い方に決めた、というカップルも多いと思います。しかし、「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」によると、なんと8割近いカップルが見積書より実際にかかった金額の方が高くなったとの回答でした。さらに、そのうちの半数以上が見積りから100万円以上も高くなったというのです。
★見積書と支払金額の差額(全国推計値)
★見積書より上がった金額(全国推計値)
(見積書より金額が上がった人のうち、金額回答者のみ/単一回答)
出所:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」の情報をもとにアセットマネジメントOne作成
※小数第2位を四捨五入しているため、上記グラフの合計値が100%とならない場合があります。
このような結果となった理由のひとつとして、安くみえるように見積書では各項目が最も安いグレードで計算されていたということが考えられます。見積書を取るときは、提示された料理のコースの品数や内容をあらかじめ確認したり、同じ式場でも各項目のグレードをもう一段階上げた見積書も作成してもらうと、実際にかかる費用のイメージがしやすくなるかもしれません。
★見積書より上がった理由
(全国推計値、見積書より金額が上がった人/複数回答)
出所:「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」株式会社リクルートマーケティングパートナーズの情報をもとにアセットマネジメントOne作成
「結婚費用」は結婚式のための費用だけにあらず
平均値からは見えない「結婚費用」のリアル~アンケートから見えた意外な事実とは?~
さて、ここまで結婚式に関する費用について書いてきましたが、「結婚費用」とは結婚式のためにかかる費用だけにとどまりません。結納や両家顔合わせ、婚約・結婚指輪、新婚旅行、新居の敷金礼金、新居への引越し、新居用の家具・家電などなど…2人の新生活のためにかかる一連のお金こそが「結婚費用」です。「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」によると、その平均は約488万円(全国推計値)となっています。しかし、実際にはどんなことにお金がかかるのか、お金をかけてどうだったのかなど、数字だけでは具体的なことは見えてきません。
そこで、結婚経験のある当社社員を対象に「結婚費用」に関するアンケートを取り、その実態について調査しました。たくさんの回答が寄せられたので、一部を抜粋してご紹介したいと思います。(カッコ内は左から、性別、結婚した年代と当時の年齢)
どんなことにお金を使いすぎて後悔していますか?
意外なことに、「後悔していることはない」という回答が最も多く寄せられました。理由はほとんどが高額な支払いになるからこそ中身を慎重に精査し、「どの項目も納得して使った」(男性、2010年代に20代で結婚)というものでした。一方で、買価が高額だった割に着用頻度が低いという理由で「婚約指輪」(女性、2000年代に20代で結婚)や「着物」(女性、1990年代に20代で結婚)という回答もありました。婚約指輪は給料3ヵ月分、なんて言われた時代もありましたが、最近は婚約指輪を購入しないカップルも増えているようです。
お金をかけて良かったことは何ですか?
この質問の回答は、大半が「新婚旅行・結婚式」でした。理由は、「今後また大きな旅行ができるかわからなかったので、思い切って憧れの高級ホテルに宿泊したことはいい思い出になった。」(女性、2000年代に30代で結婚)、「憧れの由緒ある式場で挙式したので自分たちにとっては背伸びした金額だったが、ロケーションやスタッフの皆様のホスピタリティー、料理、衣装、写真などすべてが素晴らしく、最高の思い出になった。」(女性、2010年代に20代で結婚)など、多少奮発してもそれ以上に得られたものに対する満足感が大きかったようです。
その他には、「布団」(女性、1990年代に20代で結婚)や「ロボット掃除機」(女性、2010年代に20代で結婚)なども寄せられました。理由は「お金を使いすぎて後悔したもの」の回答にあがった婚約指輪などとは逆に、日常的に使用する頻度が高いこと、また良いものは長持ちすることなどでした。
もっとお金をかければ良かったと思うことは何ですか?
この質問も、「節約は意識したものの、必要なものをケチったという認識はない」(男性、2010年代に30代で結婚)などの理由から「特になし」という回答が最も多く寄せられました。一方で、「設備がイマイチだった。」(男性、2000年代に20代で結婚)などの理由から、住宅費用という回答も複数寄せられました。確かに、住宅費用を限られた予算の範囲内で収めようとすると、駅からの近さを優先すれば狭い部屋になってしまったり、逆に設備の整った部屋は駅から離れてしまったりと、何かしら我慢しなければならないことが生じてしまうものですよね…。住宅費用に関しては、何を最優先にしたいのかをよく話し合う必要がありそうです。
これから結婚を控える方へ、結婚費用に関するアドバイスはありますか?
「ケチるのは良くない。今後同じ時間を共有していくなかで結婚当初の良い思い出話ができるなら、安いものだと思う。」(男性、2010年代に30代で結婚)、「その時しか作れない思い出もあると思うので、こだわりたいことにはしっかり費用をかけることも大事だと思う。」(女性、2000年代に30代で結婚)など、思い切って費用をかけることも大切、というアドバイスが最も多く寄せられました。「お金をかけてよかったこと」でも回答があったとおり、結婚式や新婚旅行は一生に一度の記念ですから、その時にしか作れない思い出を作ると、その後の長い結婚生活に良い影響があるということでしょうか。ちなみに、結婚式や新婚旅行に対する憧れやこだわりは女性の方が強い傾向があるという証拠なのか、数人の男性から「嫁さんのやりたいとおりにしてあげるのが吉」(男性、2000年代に30代で結婚)という、なんともトホホなアドバイスが寄せられました…。
また、新居の家電に対して、多少高額でも高機能のものを選んだ方が良い、というアドバイスも寄せられました。理由は、「結婚に際して乾燥機能や洗剤の自動投入機能まで付いている高機能洗濯機を買ったが、朝洗濯物を突っ込めば帰宅後に畳むだけなのでとても楽。洗濯機としては高額だったが、労働力と考えれば十分安い。」(女性、2010年代に20代で結婚)というものでした。高機能洗濯機を「労働力」と考えるというなかなか大胆な発想ですが、確かに洗濯物を干す作業は手間も時間もかかりますから、それが省略できるというのは毎日家事代行サービスを頼むのと同じくらいの価値があるかもしれません。そういう意味では「労働力」というのも頷けます。「お金をかけてよかったこと」で回答のあったロボット掃除機にも同様のことが言えそうです。
そして、最後はこちらのアドバイスで締めたいと思います。「計画的な資金準備をしてください。」(男性、2010年代に20代で結婚)結婚費用の平均は前述の通り約488万円(「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」、全国推計値)ですから、結婚式の規模や新婚旅行の場所などによっては500万円を超えてしまうことも十分考えられます。最近は親族だけでの食事会のみといったシンプルなスタイルの「地味婚」や、結婚式自体を挙げない「ナシ婚」を選択するカップルも増えているといいます。しかし、そのようなスタイルを選択しても、新生活を始めるにあたっては住宅費用や家具家電購入費など、何かと費用がかかってしまうものです。
素敵な思い出を残して今後の結婚生活を豊かにするためにも、計画的に資産形成をすると良いでしょう。
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