なぜ投資をしないの?理由の圧倒的1位は「●●がめんどう」(座談会前編)
2022/08/05

運用会社の社員を集めた座談会第2弾を開催しました!
前回は投資をしている社員を集めて「投資赤裸々体験談」を語ってもらいました。投資未経験者の方や投資をお休みされている方に彼らの投資の実体験を読んでいただき、投資を始める一歩にしてもらえたらという思いで執筆しています。
さて、今回はというと、「投資信託を買ったことがない」あるいは「買ったことがあるけど今は持っていない」社員に集まってもらいました。前回は、あまりにもすんなり投資を始める人たちばかりで「なぜ投資をしない?!」と盛り上がったほどでしたので、逆に「投資を始めない理由って何だろう」を探っていきたいと思います。
「投資信託が身近な存在である当社社員が投資信託を持たない理由は、投資の第一歩を踏み出すためにクリアしなければならないハードルに通じるものがあるのではないか」と筆者は期待しつつ、座談会はスタートしました。
投資をしない理由の圧倒的1位は「●●がめんどう」
筆者
今日は、当社の中で投資信託を買ったことがない、今持っていないという方に集まってもらいました。早速ですが、今の担当業務となぜ投資信託を持っていないのかお聞かせいただけますか。
もっしーさん
投信営業を担当しています。その前は銀行で働いていました。銀行では投資信託の販売に携わっていなかったので、そもそも投信について知らなかった、興味がなかったという部分が大きいです。でも、当社に来て投信を勉強する中で、投資は資産形成として有効な手段であることや、例えば、積立投資はかなり堅実な投資手法であることも理解しました。それでも今やっていない理由は、率直にいって口座開設がめんどうだからです。現時点だと必要性とめんどうくささを天秤にかけてめんどうくささが勝っている状況ですね。
べねさん
経営企画担当です。私も口座開設がめんどうという理由が大きいです。今はポイントでも投資ができておもしろそうだなと思うのですが、いざ口座開設となると、ネットで開設手順をちょっと見て、「あ、これは時間かかるな」となってそこで終わってしまっています。あと、ちょうど投資信託を調べていた時期に相場が下落していたので、“増える”というイメージが持てなかったというのもあります。
みらさん
機関投資家向けの営業企画を担当しています。その前は投信の情報発信業務をやっていたので、投信に対してはよく言われる “ギャンブルのように損する”みたいなイメージは全く持っていません。ただ、住宅財形とiDeCoをやっていて、それ以上投資する余裕がないので投資信託は持っていません。財形やiDeCoは満額でやっています。
りんさん
商品調査担当です。前は年金基金向けの営業をやっていたので、将来のために投資はした方がいいと思っていました。特に、当時はアベノミクスで株価がどんどん上がっている状況だったのですが、ちょうど海外赴任がかさなってしまい、一番やろうと思ったときに投資ができませんでした。帰国したときには相場が落ち着いてしまい、「はて、今やるべきときなのかな」と思ってからそのままです。私は、口座開設というより今の相場環境で何を買うかを決めるのが大変で、そこでストップしてしまっています。
らえさん
投信の情報発信を担当しています。新卒で入社した証券会社では、お客さまに直接投信を販売していたので、自分でも買っていたのですが、退社するときに全部売却してからは何も買っていません。口座も解約したと思います。投資をしない理由は特にないんですが、私も口座をまた作るのがめんどうというのがあります。お金を増やしたいとは思うのですが、どうしてもめんどうな気持ちが先行してしまい…。当社がETFを設定したタイミングでETFをやろうかなと思ったりもしたんですけど、やっぱり同じ理由で行動できませんでした。
さちさん
同じく投信の情報発信を担当しています。私も投資していない理由の一番は“めんどう”だからなんだと思います。ボーナスをもらうときにいつも、「次こそは次こそは」と思いつつなんとなくタイミングを逃して今に至ってしまっているので。唯一社会人になってすぐ始めた財形は今でも続いています。それから、昔個人向け国債を買ったことがありましたが、10年持って償還して終わりました。
筆者
個人向け国債を買うときは、めんどうではなかったんですか?
さちさん
いえ、個人向け国債は銀行口座を持っていれば買えるので、特にめんどうとは思いませんでした。窓口に行って買って、そのまま10年持っているだけでした。
筆者
でも、同じように金融機関に行って「投信買いたいです」と言ったら、書類を書く必要がありますが、すぐに買えると思いますけど。
さちさん
個人向け国債は銀行に口座があれば買えるので。やっぱり投信は新たに口座開設をしないといけないのがネックですよね。
筆者
みなさん、「即日その場で証券口座・投信口座開設できます」というのだったらどうですか?
べねさん
ネットで確認した時、“マイナンバー”と出てきて、「あ、無理だな」となりました。
もっしーさん
僕も一緒です。実は、クレジットカードでもらえるポイントのポイント運用はやっています。ポイントで投信を買うのではなくて、ポイント自体を運用するやつです。あれなら申し込みもなくて、ポイントを使う感覚でポチっとできるので、遊び感覚でやってます。投資先は結構適当に選んじゃってますし、手数料についても裏でどれだけ取られているか分からないですけど、手軽さが決め手ですね。投信も口座開設がそれくらい手軽であれば買うと思います。
将来への不安は感じている模様、投資をしない理由を掘り下げる
筆者
前回集まってもらった投資をしている人たちは、特に老後に備えて投資をしているわけではなかったようですが、みなさんは、いつかは老後に備えて投資をしようと考えていますか?老後のおカネの不安はありますか?
みらさん
老後の心配はしています。だから、iDeCoや住宅財形をやっていて。3年後に財形が満額になるので、それから投資を始めるかもしれません。結婚を機に家を買おうと思い、5年満期の財形を始めましたが、5年間という期限があったので投信で増やそうとは思わなかったです。財形に死亡保障も付いていたので、投信とのメリットを天秤にかけたら、投信ではなかったという結論になりました。老後2,000万円問題とか話題になったので、この財形がおわったら、投資をやろうかなとは思っています。
筆者
他の方は、投信以外で何か資産形成はやっていますか?
べねさん
財形、個人年金保険、預金です。
もっしーさん
学資保険。貯めるというより、使わないような意味合いです。節税の意味もありますね。
りんさん
個人年金保険。実家にいた時は生活費を考えずにいられたので老後の不安はありませんでした。無駄遣いしなければお金は普通に貯まるもんだと思っていましたから。でも、結婚して、将来どう生活していくんだろうと考えると、計画的にお金をためていかなくてはと思っています。でも、何も動けていないです。
筆者
個人年金保険を始める時に、手続きはめんどうではなかったですか?
りんさん
それほど気にならなかったです。なぜだろう。能動的にというよりも、会社に営業で来た人に説明されて、何もやっていないのはさすがにまずいと、何かやらなくちゃいけないと思いました。それで、節税メリットがとれる範囲で始めました。
みらさん
それは私もあると思います。会社にiDeCoはどうですか、と営業にきたので始めただけで、来なかったらやってなかったです。始める機会が強制的に作られればやるんだなと思いました。
筆者
営業効果って大きいですね!みなさん、投信はやっていないけど個人年金や学資保険とか他の手段で資産形成をやっていますね。自分で能動的に申し込むということがネックなんでしょうか。または、投資をしたらどれくらい得だよとわかったらやりますか?例えば、高額医療保険制度で10万円浮くなら確定申告をやるけど1万ならやらないとか、具体的なものが示されれば判断できると思います。投資でどんなメリットを示されたらやりますか?元本保証はないとしても、「10年後にこのくらいのリターンが期待できる」といったことを言われたらやるかな、とかありますか?
みんな
(沈黙)
みらさん
もしかしたら確定的な数字がでてこないから、効果が実感できないし、やらないのかもしれません。1000円のものを500円で買ったらその場で得したと思えるけど、投信は将来得する“かも”程度なので。私はせっかちなので今見えない投資の可能性よりも、すぐ見える効果のほうが魅力を感じます。例えば、節税ならこの額が節税になるなと自分で計算・予測ができ、実感できるので節税制度は利用します。
筆者
それではふるさと納税は?
みらさん
やってます
他のみんな
ぜんぜんやっていません。
らえさん
ふるさと納税、私もやりたいと思ってるんですけど、やっぱり申し込みがめんどうでそれもできてない。
・・・筆者がふるさと納税について体験談も含めて説明・・・
りんさん
ふるさと納税自体は簡単にできることは分かったんですけど、どこのサイトが自分の生活スタイルに合っているのか選ぶところでめんどうになっちゃうんですよね。
もっしーさん
そういうのをまるっと代行してくれるビジネスがあったらいいと思います。
らえさん
私もそう思います。ふるさと納税もそうですけど、私は全般的にお金の管理をして欲しいです。今は主人がやってくれていますが。
筆者
資金管理なんかはそれこそ銀行の窓口なんかがど真ん中の領域だと思いますけど、窓口にはいかないんですか?
らえさん
いかないですね。証券会社に勤めていたことがあるので、ネットなんかで見かける「窓口に行ったら言われるがままに商品を買わされた」なんてことになるとは思っていないですが、とにかく待たされるのが嫌なんです。実は、個人型年金保険はやっていて、それはもともと入っていた生命保険会社さんの営業の人が家に来てくれたので申し込みました。
筆者
口座開設はどんな作業だったらやろうって思うんだろう。PC開いて、PW入れて、色々入力して、といった操作までやってくれたら開設しますか?
らえさん
します!
もっしーさん
「申し込みます。」といっただけで開設してくれるんだったらやります。免許証とか身分証明書を見せるくらいだけならやります。
べねさん
めちゃくちゃわかります。事務手続きがめんどうです。
もっしーさん
本当に口座開設の手続きのめんどうなイメージが強すぎますね。
筆者
では、そういったサービスが重要で、それ以外でどこの販売会社にするかは悩まない?
もっしーさん
それは…、やっぱりいい商品を揃えている販売会社がいいっていう気持ちは少しはあります。
りんさん
口座開設してくれたら、とりあえずリスク低めのファンドをやってみようかなとは思っています。
筆者
一番ネックなのは口座開設なんですね。口座があったらもう決めているファンドがありますか?
みんな
ある!
もっしーさん
口座があったら、買いたいファンドは決まっています。営業で販売会社に勧めているファンド。個人的に仮想ポートフォリオを組んでいるものがあって、本当にシミュレーション通りになるのか自分で検証するために買ってみようかなと思っています。
べねさん
自分はリスクとりたくないので、当社で元本確保型のファンドが設定されたときは、買いたいなと思いました。口座がなかったので、買いませんでしたが、あれば買っていました。
みらさん
私はインデックスファンドを買います。手数料が安いのに魅かれます。
りんさん
私もとりあえずだったら手数料が安いのですね。次はしっかり考えて選びます。
らえさん
手数料は安い方がいいなと思います。証券会社にいたときは、昔ということもあって手数料が高いなとずっと思っていました。やるならETFとかですかね。
さちさん
私の場合、家まで来て手続してもらうまでは不要です。ある程度自分の意思が固まれば窓口には向かうので、そこで口座開設の手続きをお任せでやってくれるなら、買いたいです。月次レポートの作成を担当していて、担当しているファンドのファンドマネジャーとも話す機会があったりするので、そのファンドを買ってみようと思う。
筆者
それはありますよね!私も取材でファンドマネジャーの話を聞いたら、そのファンドを買いたくなります。それでは、例えば会社の昼休みにいくつかの金融機関の担当者が来て、「口座開設できます、手続できます」と営業しにきたらどうですか?
らえさん
多分開きますね。銀行の人が宝くじを売りに来た時に、普段買わないけれど、その時は買っちゃいました。
筆者
口座開設にここまでめんどうがるとは思ってもみなかったです。でも、運用会社の社員だけあって、投資が不安とか怖いという理由はなさそうですね。
本当に、口座開設が特大のハードルになっていることが分かりました。そしてそれを超えるためには販売会社の営業が必要不可欠ということも。逆に、投資自体は前向きなので、そこさえクリアできればすんなり投資を始められそうです。さて、座談会はまだまだ続きます。次回は、「周りの人はどうなの?」からスタート。ご期待ください。
■座談会第2弾:なぜ投資をしないの?
■座談会第1弾:投資をまだ始めていない若い人たちへ、投資を始めてみませんか
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