リート投資と不動産投資を徹底比較!少額で不動産オーナーになろう
2019/03/22
不労所得を得る方法として真っ先に挙がるのが不動産投資ではないでしょうか。
大家になって毎月家賃収入を得るというのは、多くの人が思い描く「働かずしてお金を稼ぐ方法」の代名詞のようなものだと思います。しかし、不動産投資は多額の資金が必要となることから、そう簡単に手が出せるものではありません。
その問題を解決する方法の一つにリート投資があります。
リートはその仕組みから、少額で実質的に不動産オーナーになることが可能ということで、多くの投資家が投資先の一つとして活用している金融商品です。
そこで、リート投資と不動産投資を比較し、どちらが投資先として有利なのかを考えてみましょう。
そもそもリートとは?
ここでは、主に日本のリートであるJ-REITについて解説します。
J-REIT(不動産投資法人)は、多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益などを投資家に分配する金融商品です。
このため、普通であれば多額の資金が必要となる不動産にも、少額から投資が可能となります。
また、J-REITは東京証券取引所に上場しており、株式と同じように証券口座さえ持っていれば誰でも買うことができます。 J-REIT 銘柄を1口購入するのに必要な金額は、銘柄によって約2万円~約76万円と幅がありますが、多くの銘柄が10万円前後から購入可能です(2019年3月12日時点)。
J-REITは利益のほとんどを投資家に還元
J-REITを知るうえでもう一つ押さえておきたいことはJ-REITの分配金です。
上の仕組図からも分かるとおり、 J-REITの分配金は株式の配当金に当たります。これらはどちらもJ-REITや株式会社があげた利益を原資として投資家に還元される点では同じですが、その還元率の点で大きく異なります。
株式会社は通常、利益の内部留保を行うことから、あげた利益を全て配当金として支払うことはありませんが、J-REITの場合は、利益のほとんどを分配するなどの一定の条件を満たせば、実質的に法人税がかからないこともあり、利益をほぼそのまま分配金として支払います。
つまり、J-REITは一般の株式などに比べると、利益と分配金が直結しやすい金融商品といえるでしょう。
どちらが有利?J-REIT投資と不動産投資
このような仕組みから、「J-REIT投資は少額で不動産オーナーになれる」と言われています。では、実際に投資する場合J-REITと不動産ではどちらが有利なのでしょうか。
ここからは、J-REITと不動産の違いを比較し、どちらに投資すべきなのかを検討したいと思います。さっそく両者の主な違いを比較してみましょう。
まず、必要資金ですがJ-REIT投資は数万~数十万円程度である一方、不動産投資の場合最低でも数百万円は必要となります。また、J-REIT投資は1銘柄で実質的に複数の不動産に投資できます。
収益の面では、J-REIT投資は年1回または2回の頻度で分配金を受け取ることができる一方で、不動産投資は借主から毎月賃貸収入を受け取ることができます。その利回りはJ-REIT投資であれば銘柄によって、不動産投資であれば物件の用途や地域によって大きく異なりますが、一概にどちらが有利とは言えない状況です。
続いて、売買の面に着目してみましょう。J-REIT投資は取引所に上場しているため、市場が開いている限りいつでも、そして誰でも同じ条件で取引が可能なものの、市場環境によって短期的に大きく価格が変動する可能性があります。一方で、不動産投資は当事者間で売買を行う相対取引であることから、交渉や各人が置かれている状況によって取引価格に大きな差が出てしまいます。また、価格変動についてもJ-REIT投資ほど急激ではないものの、不動産市場の変化によって大きく変動する場合があります。
ここまでをみると、少額で様々な不動産に投資することが可能な点から、J-REIT投資に軍配が上がりそうに感じますが、最後の「ローンの利用の可否」が両者最大の違いとも言えます。不動産投資は自己資金とは別に、ローンを組むことで自己投資額を大きく超えた不動産に投資することが可能になります。J-REIT投資も信用取引によって自己投資額を超えた投資は可能ですが、その額は不動産投資に遠く及びません。
自己投資額を大きく超えた不動産に投資した場合、うまく収益を確保できれば、少ない投資金額で大きな賃貸収入を得られるわけですから、投資利回りは格段に上昇することになります。ただし、借り手が見つからず収益を確保できない場合や不動産価格が下落した場合は損失も格段に大きくなります。このため、ローンを利用することは大きなメリットにもデメリットにもなるので、特に慎重に検討する必要があります。
以上のことをまとめると、
- J-REIT投資はお手軽で利回りも不動産投資に見劣りしない。
- 不動産投資はローンを組んで投資することも可能で、高い投資利回りを狙うことができる。
といったところでしょうか。それぞれのメリットを活かした投資をするのが良いでしょう。
J-REITに投資するJ-REITファンドの活用
最後に、J-REITファンドについてご紹介します。
J-REITファンドとは、J-REITを主な投資対象とする投資信託のことで、さらにお手軽に不動産オーナーになれるところが魅力です。投資信託であることから、金融機関によっては100円から投資することも可能ですし、取引所で取引する必要もありません。気になる手数料ですが、インデックスファンドを中心に購入時手数料ゼロ、信託報酬年率0.2~0.3%程度とかなり抑えられているものもあります。
そして個人的に最大のメリットと考えているのは、金融機関の積立投信サービスを利用することができることです。前述した通り、J-REITは市場環境によって短期的に大きく価格が変動する可能性があり、それに投資するJ-REITファンドも例外ではありません。このため、タイミングを分散して投資できる積立投信サービスはとても有用なサービスと考えられます。
いかがでしたでしょか。色々な投資方法を知ることは、皆さまにとってきっとメリットになるはずです。自分に合った投資方法で「不動産オーナーへの道」を目指してみようではありませんか。
(執筆:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 佐藤 啓)
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