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【金投資入門】基礎知識と投資方法を初心者に向けに分かりやすく解説

2024/02/01

ふやす

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近年、金の価格が大きく上昇していることを知っていますか?知っている方の中には、金への投資に興味がわいた方も多いのではないかと思います。

しかし、投資と言えば株式や投資信託などがよく挙げられている中で、そもそも金は投資先としてリターンが期待できるものなのかなど、金に投資しても大丈夫か不安に思うのではないでしょうか。

そこで、本記事では初めてでも取り組める金投資について、基礎知識と具体的な投資方法をわかりやすく解説します。これから金投資を始めたい初心者の方はもちろん、金投資の基礎を復習したい方にも役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。

金の魅力:資産としての特徴は?

金には様々な魅力がありますが、資産として保有する場合、最も大きなものとしては「一定の価値が担保されている」ことが考えられます。

金は通貨や株式といった発行する国や企業の信用の上で成り立っている資産と違い、金そのものが価値を有しています。そして、その価値を担保する大きな要因として以下の3点を挙げることができます。

  1. ① 地球上に存在する量が少なく、人工的に作り出すことが難しいため希少性が高い
  2. ② 見た目が美しく、装飾としての需要が高い
  3. ③ サビに強い、熱や電気の伝導性が高い、加工しやすいといった性質から工業用としての需要も高い

こうした特徴から金の価値がゼロになる可能性は極めて小さく、実際に大昔から現在に至るまで、金は高価なものとしての地位を維持し続けています。

また、金は取引市場が活発であることから、現物資産としては換金性が高いということも大きな特徴の一つです。一定の価値が担保されており、換金もしやすいということで、世界情勢が非常に不安定な時代にこぞって金を買う動きから「有事の金」という言葉が生まれたのも納得できるのではないでしょうか。

金の価格変動:投資先としての特徴は?

今度は、投資先として金にスポットを当ててみたいと思います。

前述したとおり、金には取引市場があるため、需要が供給を上回れば価格は上昇し、反対に需要が供給を下回れば価格は下落します。しかし、金は非常に希少性が高いため、供給量(現存量)が大きく変わることは考えにくいと言えます。

このため、金価格は主に需要の変化によって変動します。ここでは、「装飾品としての金」と「工業用としての金」の二つの観点から金の価格変動要因を考えてみたいと思います。

装飾品としての金

ご存じのとおり、金は非常に高価であることから嗜好品として位置付けられています。一般的に物価は景気が良ければ上昇(インフレ)し、景気が悪ければ下落(デフレ)しますが、嗜好品としての側面が強い金は、相対的に景気変動の影響をより強く受ける傾向にあります。このため、金は景気が良ければ物価上昇以上に価格が上昇し、景気が悪ければ物価下落以上に価格が下落しやすい特徴があるのです。

装飾品としての金

工業用としての金

工業用としての金の価格も景気の影響を受けますが、それに加えて、金は熱や電気の伝導性が高いなどの特徴から、ハイテク機器の材料として必要不可欠であることが特筆すべき点です。つまり、技術が進歩し、金を使用する製品がより多く生み出されれば、金価格を押し上げる要因になると考えられます。

工業用としての金

以上、二つの特徴を知ることが金に投資をする上で非常に重要です。特に資産形成として中長期的に投資を行うなら、「金のどのような特徴が私たちの需要を喚起するのか?それは今後も継続するのか?」という視点は常に持っておくとよいでしょう。

金投資のメリット・デメリット

「投資」と言えば株式や不動産などが真っ先に思い浮かぶ方も多く、金を思い浮かべる方は少ないと思います。ここからは、数ある投資先の中で「なぜ、敢えて金に投資するのか?」、そのメリットとデメリットを解説します。

金投資のメリット

前述のとおり、金は資産として一定の価値が担保されていることから、通貨や株式・債券のように国家や企業が破産して無価値になるようなことが極めて起こりにくいと考えられます。特に、国の信用不安で通貨の価値が暴落するリスクが高まった場合、資産の避難先として金の需要が大きく高まることが想定されます。

さらに、インフレに強く、世界の景気が拡大して技術が進歩すればより需要が高まると考えられ、長期的には物価上昇以上の価格上昇が期待できることもメリットです。

また、安定的な資産運用を行うためのポイントとして分散投資があげられますが、この観点からも注目できます。投資の世界では、より反対の値動きをする資産の組み合わせの方が分散投資の相性は良いとされています。なぜなら、一方の資産の価格が下落しても、もう一方の資産の価格が上昇していれば、資産全体の値動きは小さくなるからです。

金投資のメリット

上のグラフは金と世界株式の価格推移を表したものです。期間全体ではどちらも右肩上がりのトレンドがあるものの、短期的には反対の値動きをする局面も多いことが確認できます。

このように、投資の王道である株式と併せて投資を行うことで相対的に高い分散効果が得られることも金投資のメリットと言えるでしょう。

金投資のデメリット

一方で金への投資にはデメリットもあります。

まず、最も大きなデメリットと言えば「金自体は収益を生み出さないこと」でしょう。株式の配当、不動産の家賃、債券の利息など、他の一般的な投資先はそれぞれ資産価格が上昇しなくても利益を受け取ることが期待できる一方で、金は価格が上昇しなければ利益を得られません。

先ほど金価格の推移を掲載しましたが、2011年後半から2019年前半くらいまでの8年間程度、金価格は総じて横ばいで推移しています。金価格が上昇しなかった理由には為替相場の影響なども含まれますが、実際に長い期間価格が上昇しない局面があったという事実は、金投資をする上で知っておく必要があります。

また、金は一定の価値が担保されていると前述しましたが、決して価格変動(リスク)が小さいわけではないということもデメリットの一つと言えます。例えば、掲載した金価格の推移では2008年7月から11月の4ヵ月間で約34%下落しており、長期的には上昇が期待できるとしても、これは決して無視できない数字ではないでしょうか。

そして最後に、技術の進歩が必ずしも金価格の追い風になるわけではないことにも注意してください。例えば、「安価で金を作り出す技術が開発された」、「工業用の金の代替となる安価な金属が発見された」などは金の価格を大きく引き下げる要因となります。

以上のように、金投資にはメリットもあればデメリットもあります。どちらの面も理解した上で投資をするようにしましょう。

金投資の種類:5つの方法

金は様々な方法で投資をすることが可能です。ここでは5つの投資方法について、それぞれ特徴を解説します。

現物購入

金投資の方法として、まずはコインやバーなど金そのものを物理的な形態で購入する方法が挙げられます。中でも、コインは様々な店舗で売っていて購入に面倒な手続きも必要ないため、手軽に金投資ができる代表的な方法の一つです。偽物も出回っているため、信頼できる店で買うなどの注意点を押さえながら購入を検討すると良いでしょう。

純金積立

毎月一定額、継続して金を購入する投資手法で、地金商や証券会社で純金積立の口座を開設することで始められます。現物購入の一種ですが、多くは毎月1000円といった少額から投資が可能なことに特徴があります。ただし、購入時と売買時の手数料の他、年会費や保管料などがかかる場合もあるので注意しましょう。

投資信託・ETF(上場投資信託)

現物を購入する以外にも、金に実質的に投資できる方法として、金価格に連動する投資信託やETFの購入が挙げられます。投資信託は証券会社や銀行などの投資信託口座で購入でき、ETFは証券会社の証券口座で取引できます。主に金先物への投資を通じて金価格との連動を実現するため、金の現物と交換することはできません。ただし、一部のETFは現物の買い付けを裏付けとし、現物との交換が可能です。投資信託もETFも少額で投資できますが、特に投資信託の場合は金融機関によって100円から始められることが大きな魅力です。ただし、購入・売却時には手数料(ETFの場合は取引手数料)がかかる場合があり、運用期間中には信託報酬などの手数料が原則かかります。

金先物

金先物に直接投資をすることも可能で、証券会社で先物口座を開設して取引を行います。比較的少額から投資できる金ミニ先物であれば、約2万円*の証拠金で投資が可能です。ただし、先物取引はレバレッジが効いているため、実際には約2万円の証拠金で約100万円*相当の金を取り引きすることになります。これは金価格が2%下落するだけで証拠金の全額を失う計算です。このため、デイトレードに活用されることも多く、長期投資には不向きな場合があることに十分注意してください。

*2024年1月末現在

金鉱株

最後に、金への投資ではないものの、その代替となり得る方法として金鉱株への投資を紹介します。金鉱株とは金の採掘や精錬を事業内容とする企業の株式のことで、他の株式と同様に証券口座で購入が可能です。金鉱株の業績は金価格に大きく影響を受けるため、金鉱株と金の価格連動性は高い傾向にあります。一方、業績に影響する要因は他にもあり、金鉱株に投資をする際はそれらを踏まえて総合的に判断する必要があります。また、金鉱株に投資するETFも存在するため、分散投資の観点から併せて検討しましょう。

このように、5つそれぞれに特徴があるため、それらを比較した上で自分に合った方法を選ぶと良いのではないでしょうか。

金鉱株

金投資を賢く活用するために

いかがでしたでしょうか、金投資について特徴やメリット・デメリット、そして投資方法まで解説しました。足元では円安の影響もあって金価格は大きく上昇しており、魅力的な資産に感じる一方で、想像以上に値動きが激しいと不安になった方も多いと思います。

そこで、安定的な資産形成の王道である分散投資を検討してみてはいかがでしょうか。本記事では株式との値動きの違いを解説しましたが、筆者の個人的な意見としても、株式だけでなく債券やリートとも違う金特有の値動きにはぜひ注目してもらいたいと思います。

少額から金に投資する方法もあるため、様々な資産に分散投資をする中で、金についても投資先の選択肢に加えることで、より安定的な資産形成が実現できると考えます。本記事を参考に金投資を賢く活用しましょう!

(執筆:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 佐藤 啓)

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