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ビッグマック指数とは?物価上昇と資産運用について考えよう

2024/10/11

知恵のハコ

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普段何気なく食べているビッグマックが実は経済指標として利用されていることをご存じでしょうか。
コロナ禍からの回復やロシアによるウクライナ侵攻などを背景に、今、世界でエネルギーや食料の価格が高騰し、インフレ圧力が高まっています。その余波はガソリンや食品・日用品の値上げという形で日本の消費者の暮らしにも影響を及ぼし、家計への負担は増えるばかりです。実際に日本マクドナルドでは原材料や物流費の高騰を理由に、ビッグマックの価格を450円から480円に値上げしました。 本記事では、ビッグマック指数について説明した上で、物価上昇や資産運用についても解説します。

ビッグマック指数とは?

日本も物価高に直面していますが、海外と比べると日本の物価はどうなっているのでしょうか。それをみる一つの指標として「ビッグマック指数」というものがあります。ビッグマック指数(The Big Mac Index:BMI)は、各国・地域におけるビッグマックの平均価格を比較することで、物価水準や為替レート、購買力といった経済状況の比較をしやすくするための指数です。1986年にイギリスの経済専門誌「The Economist(エコノミスト)」によって提唱され、年二回発表されています。

ビッグマックは世界中でほぼ同じ材料と方法で作られていることから、一つ当たりのコストにほぼ差は無いと考えられ、その価格をUSドルに換算して比較することで、各国・地域の物価水準の目安とすることができます。ビッグマック指数が高い国ほどビッグマックが割高で、低い国ほど割安ということになります。

具体的な計算方法は、以下の通りです。
{(調べたい国のUSドル換算したビッグマックの価格÷アメリカのビッグマックの価格)−1}×100

ビッグマック指数で日本と海外の物価水準を比較

ビッグマック指数で日本と海外の物価水準を比較

例えば、2024年7月時点での日本のビッグマック価格はUSドル換算で約3.19ドル(BMI:-43.93)です。 調査対象の54の国・地域のなかで最もビッグマック価格が高いスイスでは、約8.07ドル(BMI:+41.76)となり、日本の2倍以上の価格です。したがって、おおよその目安としてスイスの物価は日本の2倍以上と考えられます。1ドル=150円と仮定すると、ビッグマックの円換算価格が千円を超える計算です。
一方で、最もビッグマックが安いのは台湾であり、約2.28ドル(BMI:-59.90)です。台湾の方が日本よりも25%程度安いことから、おおよその目安として台湾の物価は日本の物価よりも25%程度安いと考えられます。

ただし、ビッグマックの内容や量、市場環境が国によって異なるケースもあり、価格差だけであらゆる物価水準の差は正しく判断できません。あくまでも大体の物価水準の目安として使われていることには注意しましょう。

なお、他の国のビッグマック指数についてはThe EconomistのHP(英語サイトです)をご確認ください。

悪いインフレと良いインフレ

世界的に見ても日本ではビッグマックが安く買えるのだから良いと思うかもしれませんが、現状を見るとそうとも言い切れません。物価上昇の理由が原材料や物流費の高騰である場合、需要が増えているわけではないため、企業の利益は増えないからです。利益が増えなければ従業員の給与も増えず、物価だけが上がるため、消費者は生活が苦しくなり節約してモノやサービスを買わなくなります。そうなると、むしろ企業の利益は減少し、給与を上げる余裕もなくなります。このようなサイクルは「悪いインフレ」と呼ばれています。

一方、物価上昇の理由が需要増加である場合、企業利益の増加につながります。このような環境で給与が上がれば、消費者がモノやサービスに回すお金が増え、企業の利益も増えてさらに経済がよくなります。そして、さらに給与を上げる企業が増えます。
このように、モノやサービスが売れるなか、物価は上がるけど、物価上昇がそれを上回る給与上昇につながる。こういうサイクルは「良いインフレ」と呼ばれ、私たちの生活が向上するためには良いインフレを生み出さなければなりません。岸田首相は経済界に賃上げの期待を表明し、実際に今年の春闘での賃上げ率は33年ぶりの高水準を記録しています。

悪いインフレと良いインフレ

インフレ時代の資産運用

インフレはモノやサービスの値段が上がり、現金の価値が目減りしてしまいます。これに備える選択肢の一つとして資産運用が挙げられます。2024年から、利益が非課税となる新しいNISA制度も始まったため、資金状況を踏まえた上で投資を検討するいい機会ではないかと思います。
もちろん、資産運用の方針は人それぞれ異なりますので、やるかやらないかは自分で判断する必要がありますが、「長期・積立・分散」の考えに沿って投資することは資産形成の有効な手段といえるでしょう。

経済を身近にするビッグマック指数

いかがでしたでしょうか。物価やインフレというと小難しく聞こえてきますが、ビッグマックの値段といった身近なものに置き換えれば、少しは考えやすくなるのではないでしょうか。物価の動きは現在、そして将来の私たちの生活水準に影響する非常に重要なものです。ぜひ、ビッグマックをじっくり味わいながら、物価や資産運用について考えてみてはいかがでしょうか。

※企業名の記載は、これらの企業への投資を推奨するものではありません。

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