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株式指数だけじゃない、いろんな指数情報をみてみよう

2019/05/08

知恵のハコ

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※当記事はアセットマネジメントOneが各種資料をもとに作成した情報であり、日本気象協会の見解ではありません。

株式指数だけじゃない、いろんな指数をみてみよう

“指数”と聞いて何を思い浮かべますか?指数の辞書的な意味は

① x2の二乗ような、ある数字・文字の右上に、何度掛け合わせるか表した数字・文字のこと
② 統計で、物価・賃金・生産高など同種のものの時間的変動を表す数値のこと

ですが、当サイトをご覧の皆さまはおそらく、②を連想された方が多いのではないでしょうか。
指数とは主に金融・経済業界において、世の中の流れを測ることができる重要なものであると言えます。 しかし、最近では金融・経済業界にとどまらず、他の業界でも指数が使われる機会が増えています。特に天気業界ではさまざまな指数が使用されているのをご存知でしょうか。
そこで今回は、各種天気情報から算出される指数情報についてみていきましょう。

“アジアの30℃”と“ヨーロッパの30℃”は本当に同じ暑さ?

気温30度で風速0m/sのときの湿度と体感温度

「日本の暑さはヨーロッパの暑さとは違う」という話を聞いたことはありませんか。それは気温が同じでも湿度などが異なり、体感温度に違いが生じるためです。人間の体感温度は気温だけではなく、湿度や風速など複数の要因によって決まります。気温、湿度、風速は気象状況を表すものの、それぞれ単位が異なるため、それらの変動によって、体感温度が何度になるのか、簡単には分かりません。そこで「体感温度」という指数をつくることで客観的に「暑く感じる日」や「過ごしやすい日」などが分かるようになります。
気温30度で風速0m/sのときの湿度と体感温度

どのような“指数情報”があるの?

前述の体感温度を例に、一般財団法人日本気象協会が公表している体感温度指数についてみてみましょう。体感温度指数は気温と湿度と風速の予測などを加味して計算した指数となっており10~100で表されます。この指数の面白いところは、指数化したうえで、具体的に「少し肌寒い」や「防寒対策が必要」といった旨のコメントがついているところです。株式指数などは数値のみが表されていることが多いため、その値が高いのか低いのか判断が難しいと思われます。体感温度指数は「数値+具体的なコメント」で表すことで、指数に馴染みがない人にもわかりやすい指標となっています。

画像2

資産運用の視点でみる“指数情報の可能性”

服装指数をみて、今日は何を着るかを決めたり、レジャー指数をみて、週末どのようなことをして楽しもうかと考えたり、指数情報は生活に役立つコンテンツとなっています。では、資産運用の視点で指数情報がどのようなことに役立てられそうかを考えてみましょう。

① 天気と投資家心理の関係を利用した投資判断

そもそも、この投資判断は「天気と投資に一定の関係があるのではないか」という議論から始まります。経済学に心理学的手法を導入した行動経済学を金融分野に応用した「行動ファイナンス」の研究が盛んに行われるなか、天気と投資の間に相関があるのかといった研究も行われました。各日の晴れ、曇り、雨・雪といった天気に対するTOPIX(東証株価指数)の平均日次収益率を調べたところ、晴れの日の株価収益率は高く、雨・雪の日の株価収益率が低い傾向にあることがわかりました。その相関が本当に天気のみによるものかはさらなる議論が必要ですが、天気が投資家の心理に影響を与えている可能性があるということは言えそうです。
そこで、この研究結果をもとに「投資家の不快度が高まると、株価が下がる」という仮説を立てて、投資への応用の可能性を考えてみましょう。投資家の心理へ影響を与えそうな指数情報をみて、不快度が高ければ下落する、不快度が低ければ上昇すると考えます。たとえば「洗濯指数」が何日も悪い場合、ぐずついた天気から人々の心理もぐずつき、下落局面が想定されると判断したなら、下落局面を逆手にとって買いのチャンスと考えることもできます。一方、「お出かけ指数」が何日も良い場合、すっきりとした天気が続き人々の気持ちが晴れて上昇局面が想定されると、買い持ちの判断をするといった売買ができるかもしれません。(あくまで仮説に基づいた話であり、将来の投資成果を示唆・保証するものではありません。)

② 指数情報からみた需要の予測

技術革新が急速に進展する現代社会において、気象によるあらゆる影響を回避することはできません。そのため異常気象が続くと、私たちの生活に大きな影響が生じます。2018年の天気を振り返り大きな影響をもたらしたものを表にまとめました。

内容
1月 22-23日、東京で積雪20cmを超え、鉄道や空の便など交通網に大きな影響。
2月 5-8日、福井県福井市で37年ぶりに積雪140cmを超えるなど、北陸地方を中心に記録的積雪を観測。
6月 29日、関東甲信越地方の梅雨明けが過去最速を記録。
7月 3-8日、西日本や東海地方の広範囲で大雨特別警報が発表されるなど記録的豪雨を観測。
7月 23日、埼玉県熊谷市で最高気温41.1℃を観測し、日本歴代最高気温を記録。
7月 29日、異例の「逆走」台風12号が本州に上陸。
9月 4日、「非常に強い」台風21号が本州に上陸し、関西地方を中心に甚大な被害。
※各種報道資料、気象庁のホームページをもとにアセットマネジメントOne作成

このように2018年は記録ずくめの一年となりました。記録的な暑さ、寒さ、大雨や大雪などは人々の生活を一変させてしまう一方、需要を生み出すこともあります。例えば2018年冬の福井豪雪をもたらした北陸地方を中心とした大寒波は、長期間日本に居座ったことから、都市部でも軒並み氷点下を記録し、ダウンジャケットを中心にアウターが多く売れました。「服装指数」をみれば、このような対象地域の需要拡大を予測できたかもしれません。逆に暑さに関する指数に着目すれば、より的確なビールや清涼飲料水のマーケティングが期待できますし、指数情報からどのような需要が生まれるかを考える新たな投資機会をみつけられるかもしれません。

最後に

日テレNEWS24が報道した2月の気象庁の記者会見によると2019年の夏の集中豪雨などの大雨のリスクは、例年より高いとしており、異常気象への警戒を高めていかなければなりません。いろいろな指数をチェックし、生活に役立ててみてはいかがでしょうか。

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