街と海の景色が美しい国・クロアチアについて
2018/09/21
みなさんはクロアチアについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。中世の香りが色濃く残る町並みや美しい海辺をイメージする方もいれば、サッカーワールドカップ2018ロシア大会での準優勝をイメージする方もいるでしょう。本記事では、意外と知らないクロアチアについてご紹介いたします。
クロアチアとは
まずはクロアチアについて、地理や経済などをご紹介いたします。
クロアチアは東ヨーロッパのバルカン半島に位置しており、東にボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、西にスロベニア、北にハンガリーと、多くの国と接しています。クロアチアには6つの文化遺産と1つの自然遺産が世界遺産として登録されており、その中でも特に有名なものは「アドリア海の真珠」ともいわれる美しい街並みがあるドブロブニク旧市街です。ドブロブニク旧市街はクロアチアの最も有名な観光地の一つであり、オレンジ色の屋根をもつ街並みと青い海のコントラストが美しい街で、観光立国の象徴となっています。クロアチアの主要な産業は観光業,造船業,石油化学工業,食品加工業等ですが、足もとでは、食品加工業以外の製造業では全般的に不振であり,主な収入は観光業からの外貨収入(GDPの15~20%)となっています。クロアチアの主要な貿易国はイタリア、ドイツ、オーストリア、スロベニア等であり、船舶や化学製品を輸出している一方、石油製品や繊維を輸入しています。クロアチアは日本とも貿易を行っており、日本から自動車を輸入する一方、クロマグロを輸出しています。特に、日本への輸出総額の7割以上をクロマグロが占めており、気付かないうちに読者の皆さんもクロアチア産のクロマグロを食べているかもしれません。
期間:2010年~2016年(年次)
出所:外務省のデータをもとに、アセットマネジメントOneが作成
また、クロアチアの文化としてネクタイがあげられます。私たちが日ごろから着用するネクタイですが、発祥はクロアチアであるといわれています。ルイ13世が自分を守るクロアチア兵を見たときに、クロアチア兵が首に巻いているスカーフに興味を抱き、ルイ13世自身も付け始めたことからネクタイの原型が作られたといわれています(諸説あります)。クロアチアでは現在も上質でユニークなデザインをそろえるネクタイ専門店が多く、クロアチア製のネクタイはオバマ元米大統領など世界各国の要人や著名人も着用しています。
クロアチアの金融市場
次にクロアチアの金融市場について紹介いたします。クロアチアはEUに加盟していますが、通貨はユーロではなく、「クーナ」を利用しています。クーナとはクロアチア語で”テン”という動物のことで、中世にテンの毛皮が貿易で利用されていたことに由来しており、現在(9月12日)で1クーナ=17.41円となっています。
クロアチアの名目GDPは513.5億米ドル(2016年)であり、同年の日本の名目GDP4兆9492.7億ドルと比べると小規模となっています。リーマンショック以降、名目GDPは大きく縮小していましたが、下図のように2015年を底に回復傾向にあり、IMFは2017年以降、クロアチアの名目GDPの拡大を予想しています。
出所:IMFのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
期間:2008年~2023年(年次)
※2017年以降はIMFによる予測値
出所:IMFのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
期間:2008年~2023年(年次)
※2017年以降はIMFによる予測値
また、クロアチアには金融市場の根幹となる証券取引所としてザグレブ証券取引所があります。ザグレブ証券取引所の時価総額は約329億米ドルとなっており、円換算すると約3.8兆円の規模です。東京証券取引所の時価総額が約580兆円であることを考えると、ザグレブ証券取引所の規模はまだ小規模となっています。また、クロアチアを代表する株価指数として、「CROBEX指数」があります。CROBEX指数はクロアチアのザグレブ証券取引所に上場されている22銘柄の時価総額を加重平均して求める指数です。同指数の組入れ比率は、産業グループ別にみると、包装食品・肉が約27%、ホテル・リゾート・クルーズ・船が約19%と、クロアチアの主要産業で約半分を占めています。
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
※2018年8月末時点
しかし、産業グループでなく、個別銘柄での上位組入比率をみると、コングロマリット、重電機設備や総合電機通信サービス、通信機器といった銘柄の組入比率も高くなっています。(産業グループはブルームバーグによる分類)
CROBEX指数の組入上位10銘柄
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
※2018年8月末時点
最後に
今回、海と街並みの景色が美しいクロアチアは観光に強みがあり、加えて食品も同国にとって大きな産業であることをご紹介しました。紹介した情報や、ネットで得られる情報から伝わる魅力以外にも、クロアチアには現地でしかわからない様々な魅力があるでしょう。今回の記事がクロアチアについてより調べたり、実際に現地へ足を運んだりなどして、魅力を発見するきっかけとなれば幸いです。
クロアチア基本情報
※クロアチアのGDPおよび1人当たりGDPはIMFによるデータ。
※東京証券取引所およびザグレブ証券取引所の時価総額は2016年12月30日時点。
※クロアチアの格付けは2018年9月5日時点のS&P社による自国通貨建て長期債格付。
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