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チーフ・インベストメント・オフィサーより:トランプ政権の「相互関税」を背景としたマーケットの大幅下落について

▶ 2025年4月15日 : 情報更新のお知らせ「足元の相場変動に対する当社の見解 米トランプ政権による新たな関税措置に端を発した大きな市場変動に対して」

トランプ政権の「相互関税」を背景として、株式市場を中心にマーケットが乱高下しています。このような環境下で不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
当ページでは株式、債券、マルチアセットに分けて、アセットマネジメントOneのチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)からのコメントをお伝えいたします。(2025年4月7日時点)

株式

足もとの株式市場は、①貿易戦争の過熱、②それによる米景気・世界景気のリセッション、③米国インフレ、などを織り込んで、パニック的な状況となりました。

株式市場の下値目途について、PER(株価収益率)で議論されることが多いですが、企業の利益見通しへの信頼感がない以上、PERでの議論はあまり意味がないと思っています。2008年にリーマンショック後に10倍を切ったPERですが、半年後には予想利益の低下に伴い、PERは30倍弱まで上昇しています。
PBRでみると、日経平均株価のPBRはコロナショックやリーマンショックによって0.8倍程度まで低下しました。4月7日時点では1.2倍程度ですので、まだ下値余地がありそうですが、PBR1倍まで織り込む必要があるか否かは、今後の状況次第です。おそらく、米国への生産移管、米国景気のリセッションなどを織り込んでくると、保有設備の稼働損が出ますので、その際には1倍近くまでPBRが低下するリスクは否定しませんが、現状ではそこまで織り込むレベルではないとみています。
配当利回りでみると、4月7日時点における日経平均株価の配当利回りは約2.5%で、コロナショック時の約2.9%、リーマンショック時の約2.7%に迫る水準です。両ショック時とも、減配になる企業が続出することを織り込んでいたと考えています。現状の日本企業の配当性向は30%程度となっており、多少の利益の減少では配当を引き下げないと考えています。よって、配当利回り的には、かなり悲観を織り込んだと考えています。

株式市場はオーバーシューティングしがちなことから、ここからの瞬間的な下値の可能性は否定しませんが、そのような状態がしばらく継続するようなことは、可能性として低いと考えております。

現在の状況は、金融政策・財政政策において、対処の余地が残されているうえに、日本企業は財務余力があり、自社株買いなど個別企業レベルでも、株価を支える手段をもっております。株安による逆資産効果を起因とした景気への影響や、資産運用立国となろうとしている日本にとっても、株安を放置してよい状況ではありませんので、何かしらの施策がなされるものと考えております。
パニック的な売り局面では、投資妙味があり、投資家に幅広く保有されている銘柄ほど大きく売られる傾向にありますので、短期的なネガティブ影響は避けられませんが、マーケットが大きく動いた後には、投資機会が増えるとみており、その投資機会を上手く生かす運用をしていく方針です。

(株式運用部共同部長/ CIO(株式) 酒井 義隆)

債券

日本時間4月3日木曜日早朝、米国が予想以上の相互関税率を発表したことを受けて、グローバル株式市場が大混乱を引き起こし、大きく下落しました。世界的な景気後退に陥る可能性が強まるとの思惑から、安全資産への逃避資金が債券市場に流入したことで、グローバルに債券価格は上昇(金利は低下)しました。
国内債券市場では、10年国債の利回りが4月2日には1.5%付近で推移していましたが、4月7日には一気に1.05%付近まで低下しました。金利は日銀による年内の利上げが実施されないことが見込まれるような水準まで低下しましたが、この動きは少し過剰な動きと考えており、市場が落ち着きを取り戻した後に円金利は再び上昇することを想定しています。
米国債券市場では、10年国債利回りが関税発表前には4.2%付近で推移しておりましたが、4月7日には3.7%台後半まで低下しました。金利はFRB(米連邦準備制度理事会)が年内に0.25%の利下げを5回実施することが見込まれるような水準まで低下しましたが、今後の発表される米国のハードデータで弱い数字が出てくるようだとFRBの早期利下げもあると考えています。但し、関税によるインフレ率上昇への影響を考えると、FRBは積極的な利下げはできず、結局は景気減速とインフレの綱引きとなり、米金利の低下もここからは限定的な値幅となる可能性にも留意が必要です。こうした状況を踏まえ、当面米10年国債利回りは4.4%~3.6%のレンジ推移に終始すると考えていますが、中期的には、今後の米国での減税策や財政出動の発表が市場予想を上回る場合は、4.5%を超える金利上昇となると考えています。

為替に関しては関税の発表を受けて米ドル/円が150円付近から145円割れまで下落しました。関税発表前から日銀の利上げを警戒して円買いポジションが市場には溜まっており、ドル売り円買いの動きは金利や株の動きと比較して限定的な印象を受けております。米金利が上昇する過程では米ドル/円は大きく上昇する可能性もあると考えています。ただし、米金利が上昇するようなリスクオンの地合いになると日銀の利上げ観測が再浮上することで円買いの動きも出るため、大きく見ると145~153円を中心とするレンジ推移になると考えています。

(債券運用部共同部長/ CIO(債券) 清水 岳友)

マルチアセット

日本時間4月3日明け方に米国で発表された相互関税率が市場予想を大きく上回ったことから株式・社債(クレジット)・コモディティなど多くのリスク資産が大幅に売られました。さらに、4日に中国による関税報復措置が発表されると、下落幅が拡大しました。一方、景気後退懸念が強まったことから、グローバルに金利は大きく低下しました。週明け7日も日本株は全面安の展開となり、日経平均株価は2,600円以上下落し、過去3番目に大きい下落幅を記録しました。
マルチアセットファンドでは、ここ数年間はリスク水準が高く(株式のウェイトが高い)、外貨エクスポージャが大きいファンドほど優位な展開が継続していましたが、4月に入り、リスク水準が低く(債券のウェイトが高い)、外貨エクスポージャが小さいファンドが優位となるなど、投資環境に大きな変化が生じている可能性があります。
米政権による相互関税導入を受けて、世界景気は大きく下振れする可能性が高く、それに対する報復関税などの応酬が続けば、さらに強い影響も予想されます。一方で、米政権の各国との交渉の進展やFRB(米連邦準備制度理事会)の対応次第では、現状の景気後退の折り込みが過剰である可能性もあり、当面は不安定な市場環境が続くと考えています。
このような市場環境においては、動的な資産配分やリスクコントロールの重要性が一層高まると考えられます。弊社マルチアセット・クオンツ運用部が運用するファンドのコンセプトを各ファンドマネジャーがしっかりと実現し、お客様に安定したリターンを提供できるよう努めてまいります。

(マルチアセット・クオンツ運用部共同部長/ CIO(マルチアセット) 澤頭 寛)

併せて読みたい関連レポート

・2025年4月7日
米国株式市場が大幅安、幅広いリスク資産に売りが広がる。米景気後退懸念が浮上する中、政策対応を注視へ

・2025年4月3日
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