自分に投資することとは
2018/09/18
自分に「投資」していますか?
「投資」という言葉を聞くと、多くの方は株式や投資信託などを介してお金を増やすこと、または貯めることを連想されるかと思います。しかし一方で、「カラダが資本」という表現があるように、経済学では「人的資本」という考え方があります。
人的資本って?
人的資本(=ヒューマン・キャピタル)とは、私たち個人がもつ、知識、経験、技能、獲得したスキル、健康状態を総称したものを言います。私たちはそれぞれが持つ人的資本を労働市場に投入し、賃金(=リターン)を得ています。個人や企業は人的資本へ投資を行うことで、それぞれのリターンの最大化、ひいては社会を豊かにすることを達成できるのです。
言い換えれば、会社の研修に参加したり、英会話や資格の勉強といった自己啓発などにより自分自身を向上させること、ジムやスイミングスクールに通い健康維持のためにお金を使うことは、個人や社会を豊かにする立派な投資として考えることができます。
理想の自分のために
人生を豊かにするためには、自身の人的資本をいかに最大化できるかにかかっているといっても過言ではないでしょう。人的資本を最大化させるために、私たちは自分への投資、つまり理想の自分に近づける努力をし続けるしかありません。
皆さまは「欲求5段階説」をご存知でしょうか?心理学者であるマズロー(1908~1970)が提唱した考え方で、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」という仮説をもとに人間の欲求を5段階の階層で理論化し、近年では経営学などにおいてもよく用いられています。
5段階の欲求とは、次のことを指します。
- ① 生理的欲求
食事をしたいなど人の生命維持などに関わる欲求 - ② 安全の欲求
経済的な安定や、安心に暮らしたいといった欲求 - ③ 所属と愛の欲求
家族や会社などの共同体に所属し、社会的役割を果たしたいといった欲求 - ④ 承認の欲求
自身が集団から価値ある存在と評価されることを求める欲求 - ⑤ 自己実現の欲求
人が潜在的に持っているスキルや才能等を生かし、自分がなり得る全てのものになり切りたいと感じる欲求
これらの①~⑤番の優先順に並んだ欲求は、低いものから順にその欲求がある程度満たされると、次の欲求が現れてくるとマズローは考えました。
<マズローの欲求5段階説>
「欲望」はネガティブな言葉?
また、私たちは「欲望」を持つことをなんとなく悪いことと考えがちですが、マズローによれば、人間が潜在的な欲求から生まれる欲望は決して悪いことではなく、欲求を抑えるよりも、引き出して満たした方が、より健康で生産的になり、人生が充実していくとの見解を示しています。
現代の日本においては、ある程度の衣食住が確保され、諸外国より相対的に治安も良いため、「生理的欲求」や「安全の欲求」といった低次元の欲求を感じられることはほとんどありません。しかし、一方で「やり甲斐」や「意識が高い」といった言葉をよく耳にするように、「承認の欲求」や「自己実現の欲求」などのより高次元な欲求を満たそうとする気持ちが現代社会には溢れかえっています。私達は自分への投資を続けることで、こうした欲求を満たし、富の最大化を図ることができると思います。
本当に豊かな人生を送るために
お金が欲しいと思った場合、「そのお金で何がしたいのか?」と今一度自身に向き合いなおしてみてはいかがでしょうか。私たちは目先のお金を貯めることばかりをついつい考えてしまいますが、お金はそもそも目的を達成するための手段にすぎません。お金をどう使い、人生を豊かなものにしていくか、ふと立ち止まってみるのもいいかもしれません。
■合わせて読みたい3つの記事
【Facebook】
米国株市場のポイント「瞬解!3行まとめ」を毎営業日配信!お役立ちマネーコラムも
↓下のボタンからフォローをお願いします
わらしべ瓦版を
Facebookでフォローする