【投資の心構え】暴落に備えてやっておきたい2つのこと
2024/11/15
投資を始めると、日々の価格変動が気になるものです。「リーマンショックのような暴落が来たらどうしよう」と不安に感じる方も多いでしょう。そして、例えば株式市場で短期的に大幅な下落が起きた際に、「慌てて売却してしまう」や「積立投資をやめてしまう」といった行動を取ってしまいがちではありませんか。これは必ずしも適切な対処法とは言えず、場合によっては投資自体をやめてしまうことにもつながってしまいます。
投資においては、市場の大幅な下落も健全な成長プロセスの一部であることを理解し、冷静に対処するための準備をすることが重要です。本記事では、暴落に備えるための2つの心構えについて詳しく解説します。
市場は暴落が付き物
投資の世界において、市場の暴落は避けられない現実ではないでしょうか。歴史を振り返ると、1987年のブラックマンデー、2000年のITバブル崩壊、そして2008年のリーマンショックなど、数多くの大規模な下落が発生しています。
生涯の運用期間で見れば暴落は一時的なものですが、比較的長期で市場が低迷することもあり、その影響は投資家にとって大きなストレスとなりがちです。しかし、暴落が発生するたびに多くの市場は回復し、さらなる成長を遂げてきました。これは、暴落が市場の過熱感を調整し、市場が健全に成長するためのプロセスの一部であることを示しているといえます。
投資家として重要なのは、暴落に対して過度に恐れを抱くのではなく、冷静に対処するための準備をすることです。暴落を事前に予測して回避することは非常に難しいですが、適切な工夫をすることでその影響を抑えることができます。
暴落に備えてやっておきたい2つのこと
市場が大きく下落した時は、感情的な判断やパニック売りを避けるために、冷静さを保つことが重要です。ここでは、投資資産の下落を抑える工夫と、大きな下落に動じないための工夫の2つを紹介します。
投資資産の下落を抑える工夫:分散投資
投資の格言のひとつに「卵は1つのカゴに盛るな」というものがあります。有名な格言のため、一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落としたら全部割れてしまうが、複数のカゴに盛っておけば、そのうち1つを落としても、他のカゴに盛られた卵は割れずに済む。」という意味です。
投資の世界も同様に、1つの銘柄に集中して投資してしまうと、その銘柄が下落したら同じ分だけ投資資産の価値も目減りしてしまいます。しかし、複数の銘柄に投資していれば、その内の1銘柄が大幅に下落しても、投資資産全体としてはその影響を和らげることができます。
そして、この考え方は銘柄だけでなく、資産や国・地域にも当てはまります。日本株ばかりに投資すると、国内景気の悪化など日本株全体が下がるような事態に大きな悪影響を受けてしまいますが、日本国債や米国株にも投資をしていればその影響を和らげることができます。
このような投資手法を分散投資と呼び、価格下落リスクを軽減するための有効な手法として広く知られています。大きな下落への備えとしてぜひ覚えておきましょう。
大きな下落に動じないための工夫:マイルール
たとえ分散投資をしていても、リーマンショックのように多くの市場で大暴落が起きる場合など、投資資産の価値が大きく目減りしてしまうことは起こり得ます。そのような事態にも冷静に対処するための工夫として、あらかじめマイルールを作っておくことが挙げられます。
例えば、「投資資金を一部残しておき、事前に決めておいた比率だけ下落した場合は買い増す(積立投資の場合は金額を増額する)」といったルールです。短期の値動きに惑わされないために、「売買するのは年に1回」など、そもそも自分の中で短期の取引はしないように制限を設けてしまうのも有効だと考えます。
また、投資を続けるモチベーションを保つための工夫として、「目標を設ける」というのも良いマイルールだと思います。具体的な目標金額をいくらに設定すればいいかわからない場合は、まずは「10%増やす」などのあまり高くないハードルを設け、それをクリアしたら新たな投資先と目標を決定するという方法もあります。
起こってほしくない出来事であっても、あらかじめ想定しておけば予想外の出来事ではなくなります。ぜひ自分なりにルールを定めて、実行してみてください。
投資信託の活用と注意点
投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめて、専門家が株式や債券など様々な銘柄に投資する金融商品です。投資初心者でも少額から多くの銘柄に分散投資できるため、資産形成の有効なツールとして活用されています。
ただし、組入銘柄の価格が下がれば投資信託の基準価額の下落要因になるため、投資対象となる市場が暴落すれば、投資信託であっても大きく値下がりする可能性があることに注意しましょう。投資信託についても、「資産や国・地域を分散する」、「マイルールを決める」などの備えは有効なので、上手く取り入れてみてください。 なお、投資信託の基準価額が下落する要因には、分配金や運用費用の支払いなどもあります。こちらは市場の値動きとは関係ない下落要因です。特に、分配金額が大きい場合は、基準価額の下落幅も大きくなるため、市場要因の下落と間違えないようにしましょう。
まとめ
市場の暴落は避けられない現実ですが、工夫次第でその影響を抑えることや投資を継続して長期的なリターンにつなげることができます。分散投資を実践することで、リスクを軽減し、市場の下落時にも投資資産の価値減少を抑制することが期待できます。また、マイルールを設定することで、感情的な判断を避け、冷静に対処することが可能です。投資は長期的な視点で考え、暴落を恐れずに冷静に対応することが成功へのひとつの鍵になると考えています。
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