オリンピックがやってくる
2018/08/17
国民所得を2倍に~所得倍増計画と東京オリンピック~
1960年、池田勇人内閣は「所得倍増計画」を政策として打ち出しました。所得倍増計画は、10年間で国民所得を2倍にするという長期経済政策です。総理就任中の1964年には、第18回オリンピックが東京で開催され、戦後復興の象徴として生まれ変わった東京の姿を世界にアピールしつつ、オリンピック効果をうまく活用し、所得倍増計画を7年目で達成させました。
1950年代後半から1970年代前半にかけての好景気は、「高度経済成長期」といわれ、中でも1962年から1964年の2年間は「オリンピック景気」と呼ばれています。
東京オリンピックの開催を前に
- 競技場等の施設(国立競技場、日本武道館、駒沢オリンピック公園 等)
- 交通機関・道路等のインフラ(東海道新幹線、東京モノレール、高速道路の整備 等)
- 宿泊施設(ホテルニューオータニ、ホテルオークラ(現:ホテルオークラ東京) 等)
といった様々な整備が進みました。
中でも、東海道新幹線の開業には、約3,800億円の巨額の費用が投じられました。最高時速210キロメートル、東京-新大阪間を4時間で結ぶ東海道新幹線は、「夢の超特急」とうたわれ、東京オリンピック開催直前の10月1日に開業を迎えました。
競技施設の建設やインフラ整備などは経済活動を活性化させ、それに伴う雇用を創出、個人消費を促し、景気を拡大させる結果となりました。
1950年代に入ると一般家庭では、三種の神器とよばれる「冷蔵庫」、「白黒テレビ」、「洗濯機」が普及しはじめます。東京オリンピックがテレビの普及率を押し上げる契機となりました。 その後、三種の神器は1960年代に「クーラー」、「カー」、「カラーテレビ」の3つの頭文字をとった3Cに代わり、人々の生活に余裕が生まれ、より豊かになっていきました。 |
2020年 東京オリンピック・パラリンピック開催による効果
東京オリンピック・パラリンピックの開催まで2年を切りました。開・閉会式のほか、陸上競技やサッカーが実施される新国立競技場(オリンピックスタジアム)を始め、水泳が開催されるオリンピックアクアティクスセンターなどいくつかの競技場が新設されます。また、JR山手線や地下鉄に新駅が誕生するほか、高速道路の延伸開通が進んでいます。 | 首都圏三環状道路の整備状況 |
半世紀前と違い新幹線や高速道路のような高度成長を支えるインフラは既に完成しています。経済も成熟しモノが溢れる日本ですが、競技場の活用、交通インフラ整備、バリアフリー対策、訪日観光客数の増加、スポーツ人口やイベントの拡大、情報テクノロジーといった大会後のレガシー(遺産)で生じる「レガシー効果」が期待されます。東京オリンピック・パラリンピックによる経済効果は30兆円を超えるともいわれています。
訪日外国人への「お・も・て・な・し」
トイレマークや非常口マークなど、シンプルなデザインの絵文字で記号化されたサインを「ピクトグラム」といいます。ピクトグラムは、1964年の東京オリンピックが発祥といわれ、その後全世界に広まりました。 |
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、競技の観戦に訪れる大勢の外国人をピクトグラムと多言語アプリで出迎えます。アプリを通じ自分の観たい試合の開催時間や場所、行き方を調べられるようになります。また、会場だけでなく街中に触ると言語が切り替わる案内板が登場することが想定されます。
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