2022年W杯の開催地!カタールってどんな国?
2022/01/21
サッカーにおける世界最高峰の大会であり、“4年に1度のサッカーの祭典”とも呼ばれる「FIFAワールドカップ」。今年2022年の開催国は、中東初となる「カタール」です。日本では主に石油や天然ガスの生産国として、また、1993年にサッカー日本代表が初の本選出場を逃した「ドーハの悲劇」が起こった地として知られていますが、実際に訪れたことのある日本人は少ないようです。 今回はそんな「カタール」について、詳しくご紹介いたします。
存在を国際社会へ積極的にアピール
カタールは中東に位置し、大きなアラビア半島からペルシャ湾に小さく飛び出した半島国です。秋田県よりもやや狭い面積を有する小さな国であり、言語はアラビア語、通貨は「カタールリヤル(QAR)」が用いられています。国土の大半が砂漠であり、夏は平均最高気温が40度を超す月もあるなどかなりの高温となることも特徴のひとつです。 カタール政府は国際的な認知度や地位向上のために国際会議へのホストとしての参加やスポーツ大会の開催などを推し進めており、2022年のFIFAワールドカップ開催もそのうちのひとつです。また、国際問題の仲介協力なども積極的に行っています。
〈カタールの基本情報〉 | |
面積 | 11,427平方キロメートル |
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人口 | 約280万人(2020年6月時点) |
首都 | ドーハ |
言語 | アラビア語 |
宗教 | イスラム教 |
居住者の多くは“外国人労働者”、カタール人は好待遇
カタールの人口は約280万人(2020年6月時点)ですが、そのうちカタール国籍を持つ純粋なカタール人は約10%程度といわれています。そのほかは外国からの労働者と、国内の労働力を外国人労働者に大きく依存しているのが現状です。そのため、政府は外国人労働者に依存した社会構造から脱却し、人口が増加するなかでも自国の若年層における雇用機会を少しでも多く確保するべく、「ホワイトカラーの自国民化」を掲げ、エネルギー・鉱業分野の国営企業における従業員の50%をカタール人とする目標を2005年末までに達成することに成功しました。「自分の国なのにカタール人は少なく、肩身の狭い思いをしているのでは…」と思いきや、労働においてはしっかりと優遇されていることがわかります。
また、カタール人は日常生活でもかなりの好待遇を受けており、なんと教育費や医療費はすべて無料!他にも社会保障が充実しており、さらに電気代や水道代の支援もあるそうです。
主要産業はエネルギー分野。「世界で最も裕福な国」となったことも!
カタールの主要産業は、石油や天然ガスなどのエネルギー分野です。特に首都ドーハから約80キロ離れたところにあるラスラファン工業地帯には世界でも有数の液化天然ガスプラントがあり、日本をはじめ世界中に天然ガスを輸出しています。豊富なエネルギー資源を有するカタール経済は20世紀から21世紀にかけて急成長を遂げており、過去には1人あたりのGDP(国民総生産)が世界1位と、「世界で最も裕福な国」と呼ばれたこともあるほどです。現在のドーハには高層ビルが数多く立ち並んでいます。カタールは豊かで発展した国であるといえそうです。
ドーハを「第2のドバイ」に?エネルギー資源依存からの脱却計画
雄大な砂漠 |
ステート・グランド・モスク |
エネルギー資源に恵まれていることを強みに成長を遂げてきたカタールですが、政府主導型経済であり、政府歳入は限りある石油・天然ガスに大きく依存しています。財政を資源価格に大きく左右されるため、国家の経済状況は長期的にみて健全ではないといわれています。そこでカタール政府は、財政支出軽減のため、さらにはエネルギー資源依存型経済からの脱却のために、その他産業の育成を推進しています。直近では、FIFAワールドカップの開催や観光業のさらなる発展に向けて急ピッチでインフラ整備が進められ、2019年には全長約40キロにわたる地下鉄が開通しました。また、ドーハをドバイのような一大リゾート地へと変身させるべく、国を挙げてのリゾート開発が進められています。雄大な砂漠や歴史的な建造物といった観光資源が実は多くあるにもかかわらず、以前までドーハは「退屈な街」というラベルが貼られていましたが、政府の努力にFIFAワールドカップの盛り上がりが加われば、魅力的な街へと変貌を遂げることが期待できます。
最後に
日本からは直行便で約12時間と遠く離れており、これまではあまり馴染みのなかったカタールですが、国際社会においてその存在感を年々増していることに間違いはありません。また、自国の抱える構造的な課題を把握し対処しており、今後ますます経済基盤の安定化が期待できるのではないでしょうか。中東における経済の中心地のひとつとして、これからのカタールの成長にご注目いただければと思います。
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