いま、話題の「ポイント投資」とは?そのメリットをご紹介
2019/07/19
はじめに
私たちの日常生活に深く浸透しているポイントサービス。いま、ポイントを使って金融商品を購入したりする新たな投資サービスとして「ポイント投資」が注目されています。 NTTドコモは2018年5月に「dポイント投資」を開始し、利用者数が約1年で50万人を超えるなど耳目を集めています。今回は、資産運用の入り口として関心が高まっている「ポイント投資」をご紹介します。
ポイント投資の登場
いち早くポイント投資の提供をはじめたのは、クレジットカード大手のクレディセゾンで2016年12月に「永久不滅ポイント運用サービス」をスタートさせました。これまでポイントは買い物での利用や商品との交換などが中心でしたが、株式投資や投資信託などの「資産運用」が選択肢に増えたことで、ポイントの利便性が高くなりました。その後は参入が相次ぎ、2019年4月には3社がサービスをスタートさせるなど投資初心者や若年層をターゲットに競争が激しくなっています。
―主なサービス提供会社(サービス開始時期)―
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ポイント投資の種類
ポイント投資には、大きく分けて2つの種類があります。「ポイントのまま運用するタイプ」と「ポイントを現金に換金して投資信託などの金融商品と交換するタイプ」の2つがあります。
「ポイントのまま運用するタイプ」はポイントで金融商品を買うのではなく、あらかじめ用意された複数のコース(投資信託、ETFや株式など)の中から資産を選び、その値動きに連動してポイントが増減する仕組みとなっています。いわば投資の疑似体験ができるサービスで、証券口座の開設が必要なく、ほとんどのサービスが手数料不要で手軽に始めることができます。クレディセゾンやNTTドコモ、楽天などが提供しています。
一方、「ポイントを現金に換金して投資信託などの金融商品と交換するタイプ」は、ポイントを現金化し、証券口座に移したうえで投資信託などを購入し運用していきます。実際の金融商品に投資するため、購入するために証券口座の開設が必要となり、売買には通常の取引と同様に手数料が発生します。当該サービスは楽天証券や松井証券などが提供しています。
その他にも、エポスカードのようにクレジットカードで投資信託を購入するとポイントが貯まるサービスを提供している会社もあります。
ポイント投資の活用
「年金2,000万円不足問題」が記憶に新しく、資産運用の重要性がさまざまな形で叫ばれる一方で、その入口には数多くのハードルがあります。口座の開設にマイナンバーの提示が必要であるといった手続き上の問題や、まとまった資金が必要という思い込み、損失を被る可能性があることから、なかなか資産運用に踏み出せないという方が多いようです。
しかし、ポイント投資での運用は現金ではなく、今まで貯めたポイントで気軽に投資を体験することが可能です。これまで投資をしたことがない方にとって資産運用の入り口としてお金を払うことなく、ポイントを有効活用することで投資を経験できるのは画期的といえるのではないでしょうか。 また、気軽な気持ちで投資タイミングの見極めや価格変動のチェック、資産配分の検討などを体験することで、資産運用するうえで役立つ考え方を身につける機会が得られます。
最後に
ポイント投資が拡大している背景として、近年、店舗独自のポイントに加えて販促等を目的として加盟店が多数ある共通ポイントも二重に発行するなど、ポイント市場自体が拡大していることが挙げられます。さらに2019年10月の消費税の増税に伴う景気対策で、キャッシュレス決済をすると支払い金額の最大5%相当分のポイントが還元される制度も開始される予定です。ポイントはカード会社などから利用者に付与され、その費用を国が負担します。こうした景気対策を追い風に今後もポイント市場の拡大が続けば、ポイント投資サービスの利用も一層盛んになっていく可能性がありそうです。手元資金が不要で気軽に始められるポイント投資。今後はポイント投資で資産運用の「お試し版」を体験した人たちがどの程度本格的な資産運用に乗り出すか、注目されます。
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