みんなの転職事情 ~年代別傾向と転職方法を解説~
2019/08/02
「2018年度の有効求人倍率は、45年ぶりの高水準。」
世の中の雇用動向を表す指標の一つが有効求人倍率です。求職者数に対する求人者数の割合で、倍率が1を超えると人を探している企業が多いことをあらわします。昨年度の有効求人倍率は1.62倍と9年連続で上昇し、高度経済成長期の1973年以来の高い水準になっています。つまり、世の中は、それだけ人手不足の方向にあるということになります。そのような中、転職市場も活況になっているという話が聞こえてきます。2018年に転職をした人の数は前年比4.9%増の329万人(総務省統計局 労働力調査)となり、日本国内でも雇用の流動化が徐々に進んでいることがうかがえます。それでは、最近の転職事情についてみていきましょう。
転職率動向は年齢別で違いがある?
2002年以降の転職者数の推移をみると2006~07年にかけピークに達したのがわかります。その後リーマンショックによる経済情勢の悪化を背景に減少したものの、女性を中心に再び緩やかに増加しています。
※期間:2002年~2018年(年次)出所:内閣府のデータをもとにアセットマネジメントOne作成
1.若い層は終身雇用を希望?
年齢別に転職率の動向を確認すると、さまざまな傾向を見てとることができます。
15~44歳の比較的若い層の転職率は、2008年の金融危機後、低下した後はおおむね横ばい推移が続いています。これは金融危機を経て、終身雇用を希望する若者の割合が高くなっていることが影響していると考えられます。
※期間:2002年~2018年(年次)出所:内閣府のデータをもとにアセットマネジメントOne作成
2.45歳以上の中高年層は上昇傾向
一方、45歳以上の世代では、若い層と比較して異なる傾向がみられます。これらの世代の転職率は上昇傾向にあり、金融危機前の水準を超えています。年齢が高いほど給料も上がる年功序列が崩れてきたことが背景にあるといわれ、企業は新卒など若い層の給料を上げる一方、中高年の給料の伸びを抑える傾向にあります。また、平均余命が伸びて働く意欲のある高齢者が定年後、再就職などに積極的になっていることなども背景にあるのではないでしょうか。
※期間:2002年~2018年(年次)出所:内閣府のデータをもとにアセットマネジメントOne作成
転職回数はどのくらい?
それでは、転職経験者は何回ぐらい転職したことがあるのでしょうか。日本では卒業後就職した会社に定年まで勤めることが多い傾向にあるのはよく知られています。2016年12月末時点において退職回数ゼロ、つまり転職経験のない男性は30代で48%、40代で38%、50代で34%(内閣府)となっています。なお、転職回数1回も含めると、30~59歳で6割弱と、過半数以上の男性が転職をしたのは多くても1回という結果になります。一方で、転職が収入の増加につながる流れも定着しつつあるようです。
どのように転職先を見つける?
転職したいと考えたときに迷いがちなのが、転職先の探し方です。しっかり情報収集して決めたつもりでも、転職後に後悔するケースも少なくありません。ここでは転職先にたどり着く具体的な方法をいくつかご紹介します。
1.ハローワーク
転職先を見つける際、最も代表的な方法です。国が設置する公的な行政機関で、各地域の求人情報が多く、社会保険・福祉に関する介護サービス関係や建設業、医療関係の求人・求職が多いのが一般的です。
2.転職サイト
インターネットの普及により一般的になった方法で、Webサイトに大量の求人情報が掲載され、その中から自分に合ったものを探し応募する方法です。自分のペースで活動を進めていける一方で、企業などへの応募、書類作成、面接の日程調整まですべての活動を自分ひとりで進めなければなりません。
3.転職エージェント(人材紹介)
転職を仲介する会社を利用する方法です。転職エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーと呼ばれる人から、作成書類の確認や面接の指導など転職に関するさまざまなアドバイスを受けることができます。これらのサービスの多くは無料で提供されており、自分の条件に合った求人をアドバイザーが探してくれるなど、最近この形態経由での転職が増加しているようです。
4.人材派遣会社
正社員や契約社員などの直接雇用を前提としたものです。派遣会社に所属し一定期間派遣社員として勤務した後、働いている企業との合意があれば直接雇用に切り替わる方法です。職場の雰囲気を確認したうえで入社できることがポイントです。
ここまで、転職に関する足もとの状況などをまとめました。人生100年時代が見据えられ、今後、働く期間がより長くなるなど雇用環境はどんどん変化していくでしょう。それにともない転職もより身近になり、これまで転職をしたことのないような方も転職を検討する機会が増えていくのかもしれません。
出所:各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成
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