FOMCとは?アメリカの金融政策のカギを握る組織についてわかりやすく解説!
2023/12/14

経済ニュースなどで見かけることも多い「FOMC」。重要な経済用語であることは想像がつくものの、なぜそれほど重要なのかを正確に理解するのはなかなか難しいと思います。本記事では、株式市場や債券市場、為替市場に至るまで、あらゆる市場に影響を与える「FOMC」について、わかりやすく解説します。
FOMCとは
FOMC(Federal Open Market Committee)とは米連邦準備理事会(FRB)が開く、米国の金融政策を決める最高意思決定機関です。日本語では米国連邦公開市場委員会と訳されます。
金利の設定や金融市場の監視、経済見通しの評価などを行い、それに基づいて金融政策の方針が決定されます。また、市場参加者や政府関係者との意見交換も行われ、意思決定の情報収集にも役立てられます。アメリカ経済にとって非常に重要な会合といえるでしょう。
なお、FRBに関してはこちらの記事で解説しています。併せて読むことで、より理解を深めることができます。
今さら聞けない「FRB」ってなに?~世界経済を動かす金融政策~
FOMCのメンバーと組織構成は?
2023年のFOMCで投票権を持つメンバーは12名です。7名の理事と5名の地区連銀総裁という12人のメンバーで構成されており、その中にはFRBの議長であるジェローム・パウエル氏も含まれます。任期は数年間であり、主要な役職は大統領によって指名され、上院の承認を経て任命されます。
FOMCの決定にはどんな影響力があるの?
次に、FOMCの重要性について考えてみましょう。FOMCは、アメリカ経済に対して非常に大きな影響力を持っています。金利の設定や量的緩和政策の導入といった金融政策の決定は、金融市場や経済活動に直接影響を及ぼすためです。
例えば以下のようなものが想定されます。
市場金利への影響
FOMCは、主要な金利であるフェデラルファンド(FF)金利を決定します。FF金利は、銀行同士の短期間の資金貸借における利率であり広範な金利にも影響を与えます。FOMCが金利を引き上げると、銀行や金融機関の借入コストが上昇し、消費者や企業の借入金利も上がる傾向にあります。逆に、金利を引き下げると、借入コストが低下し、経済全体の借り入れや投資活動が促進されます。
金融市場への影響
FOMCの政策決定や会議での発言は、金融市場に大きな影響を与えます。例えば、FOMCが金利引き上げの意向を示した場合、市場参加者は経済の成長が鈍化する可能性が高まると判断し、株式市場での売り圧力が働きます。また、FOMCの発表時には市場の価格の変動が大きくなる、取引量が増加する等の動きが多く見られます。
経済予測や投資判断への影響
FOMCは、経済の状況や見通しに関する情報を分析し、金融政策の方向性を決定します。FOMC後の記者会見や公表される議事録などには、経済の現状や将来の方向性に関する重要な情報が含まれています。投資家など市場参加者の経済予測や投資判断に活用されます。
物価や雇用への影響
FOMCの金融政策は、物価や雇用にも影響を与えます。金利引き下げなどの緩和政策の導入は、物価上昇や雇用拡大につながる可能性があります。
このようにFOMCは経済に対して非常に大きな影響力を持っていることがわかります。
FOMCはいつ、どのようなスケジュールで開催されるの?
最後に、FOMCの開催頻度について触れておきましょう。FOMCは定期的に年8回開催され、必要に応じて臨時でも開催されることがあります。
<2024年の開催予定>
日程 | |
第1回 | 1月30日・1月31日 |
第2回 | 3月19日・3月20日 |
第3回 | 4月30日・5月1日 |
第4回 | 6月11日・6月12日 |
第5回 | 7月30日・7月31日 |
第6回 | 9月17日・9月18日 |
第7回 | 11月6日・11月7日 |
第8回 | 12月17日・12月18日 |
FOMCは通常2日間にわたって開催されます。そして、2日目にFOMC声明と呼ばれる文書が公表されます。
この声明文と3週間後に公表される議事録は市場参加者や投資家にとって重要な情報源となり、金融市場へ大きな影響を与えることがあります。
まとめ
アメリカの金融政策のカギを握る組織「FOMC」について解説しました。FOMCは議事録が公開されておりどなたでも確認することができます。アメリカにとどまらず世界中の金融市場に大きな影響を与える組織にぜひこれから注目してみましょう。
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