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投資信託を買う④:投資資産はどんな種類がある?特徴を比較してみよう

2019/06/13

ふやす

本シリーズでは、これから投資を始めようとしている方へ、投資信託の購入前、購入後にすべきことや注意点などを解説します。

今回から複数回にわたって本シリーズのメインテーマである「投資信託の選び方」について取り上げます。今回は、投資信託が投資対象とする資産の種類とそれぞれの特徴について解説します。

その前に、第2回で投資信託を買う手順を解説しましたので、おさらいしておきます。

①  投資の目的が明確にあるのであれば、それに向けた目標金額を決めておく
②  投資に回す予算を決める
③  どの投資信託を買うのかを決める
④  予算の範囲でその投資信託をいくら買うのかを決める
⑤  その投資信託をどこの金融機関で買うのかを決める


今回はこのうちの③に当たります。

そもそもどんな投資信託があるのか?

そもそも「何があるのか」を知らなければ、「何を買うか」を決めることはできません。しかし、2019年5月時点で国内の公募株式投資信託の数は実に6,000以上にものぼり、そのすべてを把握することは困難です。

そこで、「何に投資するファンドなのか」で整理するとその全体像がつかみやすいと考えられます。投資信託が投資対象とする資産は大きく分けて5つに分類することができます。

  • 債券
  • 株式
  • 不動産投信(リート)
  • その他
  • 上記の複数の資産(資産複合)

投資信託の種類

※2019年5月15日時点
※上記は投資信託協会の商品分類「投資対象資産」をもとに区分しています。
※「その他」は「債券」、「株式」、「不動産投信」、「資産複合」以外のファンドを指します。
出所:クイックのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

その他の資産の代表的なものとしては、金や原油などが挙げられます。また、複数の資産に投資するファンドは一般的にバランスファンドと呼ばれ、その組み合わせや配分比率は様々であり、それによって商品性が大きく異なります。(参考記事:「バランスファンドとは?千差万別のバランスファンドを見分ける観点は?」

初めて投資信託を買うのであれば、まずは一般的にベーシックな資産として挙げられる債券、株式、リートの3つのファンドについての知識をつけると良いでしょう。その上で、更なる投資機会を探してみたい場合には、その他の資産や複数の資産のファンドについても調べると、より「自分がイメージする投資」に合ったファンドが見つかると考えられます。

「そもそもリートって何?」については、別の記事「リート投資と不動産投資を徹底比較!少額で不動産オーナーになろう」に詳しく記載していますので、合わせて読むとより理解が深まると思います。

各資産の儲かる仕組みを知ろう

投資においては、自分が支払ったお金がどのように使われ、どうやって儲かるのかを理解したうえで投資することがとても重要です。なぜならそれを理解していないと、その資産がどのような値動きをするのかがわからないため、自分がイメージした投資ができるかどうかは完全に運次第となってしまうからです。

どうやって儲かるのかを理解するということは、その資産がどうやって利益を生み出すのかを知るということです。そこで、債券、株式、リートについて、それぞれの資産に投資するとどのような利益が得られるのかを見てみましょう。

<債券>
国や企業等にお金を貸し出します。国や企業等から受け取る利息等が投資者の利益となります。

<株式>
企業に出資します。企業等が稼ぎ出す利益を源泉とした配当や株主優待、企業価値の向上等が投資者の利益となります。

<リート>
不動産投資法人(不動産などを運用することを目的とした会社)に出資します。不動産から得られる利益を源泉とした分配金等が投資者の利益となります。

※上記は、各資産に投資した場合の特徴を分かりやすく説明するためのものであり、その全てを正確に説明するものではありません。

各資産から得られる利益

※上記はイメージであり、全てを表すものではありません。

一般的に利息は国や企業等が破たんしない限り支払われるため、債券から得られる利益は株式やリートと比べて安定していると考えられます。そして、利益が安定していれば、その資産が将来どれだけ利益を生み出すのか、高い確度で予測できるため、資産自体の価格も安定的になります。これがよく言われている「債券はリスクが低く、株式やリートはリスクが高い」ということです。

リターンとリスクは投資判断の基礎

投資資産の特徴を表す最も代表的なものがリターンとリスクです。この2つは資産価格がどのような動きをしたのかを表す指標で、異なる資産同士で比較することも可能なため、投資判断を行う上で最も重要な指標と言っても過言ではないでしょう。

投資においてリターンとは収益率、リスクとは収益率の標準偏差のことをいいます。標準偏差とは対象がどれだけ変動したか、そのブレ幅を示す尺度のことで、標準偏差(リスク)が高いと収益率(リターン)が大きく変動したということを示します。

例えば、下の図は国内債券、国内株式、国内リートについて、2019年4月末時点の過去10年間におけるリターンとリスクを比べたものです。

足元10年間のリターンとリスク(年率)

※期間:2009年4月末~2019年4月末(日次)
※国内債券:NOMURA-BPI総合、国内株式:東証株価指数(TOPIX)(配当込み)、
 国内リート:東証REIT指数(配当込み)
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

前述した通り、相対的に債券のリスクは低く、株式、リートのリスクは高いことが分かります。さらに、各資産の10年間の価格推移も確認してみましょう。

足元10年間の価格推移

※期間:2009年4月末~2019年4月末(日次)※2009年4月末を100として指数化。
※国内債券:NOMURA-BPI総合、国内株式:東証株価指数(TOPIX)(配当込み) 、国内リート:東証REIT指数(配当込み)
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

国内株式や国内リートの価格は大きく動きながらも結果的に大きく上昇しています。また、国内債券の価格は小さな動きで小幅に上昇しています。リターンとリスクはこの価格推移を端的に表し、かつ資産間で比較できる大変有用な数値であると言えるでしょう。

リターンとリスクは万能ではない

投資においては、まず何より結果(リターン)が重要なわけですから、前述した例では、一見してリターンの高い国内リートが投資対象として良さそうに見えます。しかし、国内リートはリスクも高く、価格推移からも確認できるとおり、期間中の価格変動がとても激しい資産です。

このことから、「リスクが高い資産は、期間が違えば全体のリターンも大きく変わるのではないか」と推測することができます。

そこで、実際に各資産について、10年間のリターンとリスクが過去どのように推移したのかを見てみましょう。

10年間のリターンとリスクの推移

※期間:2003年3月末(国内リートの指数公表開始前日)~2019年4月末(日次)
※上記は期間中に10年間保有した場合の値を表します。
※国内債券:NOMURA-BPI総合、国内株式:東証株価指数(TOPIX)(配当込み)、国内リート:東証REIT指数(配当込み)
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

推測したとおり、リスクの高い国内株式や国内リートのリターンは、時期によって国内債券を下回る場合もあります。国内株式に至ってはリターンがマイナスの時期もあります。

つまり、リスクが高い資産ほど将来も同じリターンが期待できるかは不透明であり、ある時点のリターンが高かったという理由だけで、その資産に「買い」という判断を下すのは危険だということです。

一方でリスクは、数値の変化自体はあるものの、動きはリターンほど大きくないことも分かります。もちろん、異なる期間のリスクを確認する方がベターではあるものの、一時点の数値もある程度は参考になると考えられます。「たまたまこの時期のリスクが高かっただけで、他の時期は低いはず」という希望的観測は持たない方が無難と言えるでしょう。

難しい分析を回避するために

以上のことから、リスクが高い資産に投資する場合は、将来の価格を予想するための別の判断材料とそれに基づいた分析がより重要になってきます。例えば、国内株式であれば国内の経済成長見通し、国内リートであれば国内の家賃収入の見通しなどが挙げられるでしょう。しかし、「そんなの投資初心者には無理!」と思う方も多いのではないでしょうか。

そんな時に役に立つのが「分散投資」です。分散投資の考え方とは、極端に言ってしまえば「分からなければ全部に投資してしまえばいい」ということです。そうすることで、「何の資産が上昇するかは分からないけど、少なくとも投資そのものは長期的にはリターンが得られるはず」という考え方にマッチした投資が実現できます。そして、少額から投資できる投資信託なら、それを行うことも可能でしょう。

次回は、この分散投資の考え方についてさらに詳しく掘り下げていきます。「投資において、分散投資をどのように活用すればよいか」をテーマに解説しますので、ぜひ皆さまの投資信託選びに役立てていただけたらと思います。

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