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今さら聞けない 「レバレッジ」ってなに?

2020/06/16

知恵のハコ

「レバレッジ」という言葉を聞いたことがありますか?普段の生活ではあまり馴染みの無いワードですが、投資の世界では当たり前のように使われがちな言葉です。今回はこの言葉の意味と、投資の世界でどのように「レバレッジ」が活用されているかを確認してみたいと思います。

レバレッジとは?

レバレッジは「レバー=てこ(梃子)」から来ており、直訳すると「レバレッジ=梃子作用、てこの原理」となります。てこの原理自体は小学校の理科などで学習したと思いますが、意味としては小さな力で大きなものを動かすことができる“仕組み”を指します。ほぼ同じ意味の言葉に「ギアリング」という言葉もあります。ギアは歯車という意味ですから、「ギアリング効果」という言葉は一般的に「小さな力で大きなものを動かす効果」という意味になります。

大学の経営学、いわゆるファイナンスの世界で聞き覚えのある方もいると思います。例えば会社を立ち上げる時には操業資金(創業資金でもありますが)として資本金(自己資本)が必要です。しかし、より規模の大きなビジネスを行う場合、出資者を募って資本金を増大させるのが安全なやり方ですが、社債を発行して資金を調達したり、銀行借り入れを行うことにより、いわゆる他人資本を増大させて規模の大きなビジネスを行うこともできます。このように自己資本を増大させることなく他人資本の増加によってビジネス規模を拡大させることを、「レバレッジを利かせる」と表現します。金融用語において「レバレッジ比率」とは、“他人資本÷自己資本”の計算式で算出され、値が大きい方が「レバレッジ比率が高い」ということになります。一般的にこの数値が高いほど、倒産する確率が高いと認識されますが、昨今のように低金利の環境下で、期待収益率の高いビジネスを行う際には、高レバレッジ企業は株主に好まれる傾向があります。

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投資や投資信託におけるレバレッジ

投資の世界においては、「レバレッジ」という表現でない場合でも、自然とレバレッジの効果を得ていることがあります。例えば、株式投資における「信用買い」は、株式の購入に際し手元資金が少ない場合でも証拠金を差し入れることにより資金力以上の株式を購入することができるため、実質的にレバレッジ効果が得られています。またFX(外国為替証拠金取引)においてはレバレッジ取引がさらに一般的になっています。

投資信託においても、ブル・ベア型ファンドにおいて「ダブル・ブルファンド」や「3倍」「4倍」といった値動きの激しいブル・ベア型ファンドも増えてきています。このようなファンドは、ある一方向に大きく賭けたい投資家にとっては、ベーシックなインデックスファンドを買う場合に比べ、少ない資金で大きな効果が得られるため有効性が高いと言えます。またレバレッジ型ETF(上場投資信託)も最近増えてきた商品です。

「ロング・ショートファンド」もレバレッジ型と言えるでしょう。株式のロング・ショートファンドを例に考えてみます。A銘柄を純資産総額の80%の金額で買い建て、同時にB銘柄を同額の80%の金額で売り建てた場合、純資産総額の160%のレバレッジをかけていることになります。一方、この売りに相当する部分を個別銘柄ではなく株式指数先物の売りで「ヘッジ」している、いわゆるマーケットニュートラルと言われるファンドでは、レバレッジにはあたらないでしょう。ただしこのケースでも、株価指数先物の売りで個別銘柄が持つリスクを全てヘッジできているわけではなく、市場が上昇しているのに保有銘柄が下落する、いわゆる「また裂き」の状況になることもあります。

最後にバランス型ファンドとレバレッジの関係についても紹介しましょう。レバレッジのかかったバランスファンドはファンド名が「●倍バランスファンド」となっていることが多いので、ファンド名を見ればレバレッジ効果を狙っている商品であることが想定できるでしょう。売りヘッジを行っていなければ、基本的にはレバレッジの程度は●の数字から推測できますが、日々の値動きについてはファンドの投資対象の各資産間で異なった値動きになることが期待されるため、ブル・ベア型ファンドほどは激しい値動きにはなり難いと言えます(全ての資産が売られるような市場環境は除く)。

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以上のように、投資の世界において「レバレッジ」を活用すると、元手が少なくても大きな投資効果を得ることができます。ただし相場観が外れた場合、想定以上に大きな損失を被ることにもなります。投資を行う際は最悪の事態も想定し、自分の身の丈に合ったリスクを取ることが重要と言えます。

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