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債券ファンドとは?メリットとデメリットを理解し投資に活用しよう

2019/11/12

ふやす

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皆さまは「資産形成」という言葉をご存知ですか?

今まで、この言葉は国や金融機関が積極的に使用してきましたが、一般的にあまり浸透していなかったように思います。しかし、この言葉が最近急速に広まり始めています。そのきっかけとなったのが、「老後資金2,000万円問題」です。この問題の詳細は当サイトでも取り上げ、記事にしていますが、この問題を受けて、資産形成を始めようと意識された方も多いでしょう。しかし、株式や債券、不動産、投資信託など様々な資産があるなか、どの資産で資産形成をするかは悩ましいところです。

そのようななか、一般的に「株式に比べて安全」といわれている債券に興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「株式と違ってあまりなじみのない債券はよく分からない。債券に投資する債券ファンドはもっと分からない。」という声も多々聞こえてきます。そんな声に応えるために、本記事では債券とは何なのかを説明したうえで、債券を投資対象とした投資信託である債券ファンドの仕組みを解説いたします。

債券とは?

債券とは、国や企業(発行体)が資金を調達するために発行する「借用証書」のようなものです。つまり、発行体は投資家から期間(満期)を決めてお金を借りていることになります。お金を借りている以上、発行体は借りた金額(元本)に加えて、期間に対応した利息(クーポン)を支払わなくてはいけません。つまり、投資家にとって債券への投資は、発行体へのお金の貸し出しであり、発行体が破産しない限り満期まで保有すればお金が返ってくる(償還)ため損をせず、クーポンまで得ることできます。これが、債券が相対的に安全といわれる理由であり、大きな特徴となります。

ここからは債券について少し専門的な説明をします。クーポンが付いている債券を「利付債」といい、一般的に利付債は額面100円で発行されます。この額面は、債券を扱う上での基本単位であり、額面100円に保有数量をかけて額面金額を計算したり、額面100円毎に毎年あるいは半年の期間でクーポンが得られたりします。様々な要因から利付債の価格は変動しますが、どの利付債も満期日に額面100円で償還され、元本が返ってきます。 今まで、債券について満期まで保有する場合の話をしてきましたが、実は満期日前に市場で売却することもできます。しかし、この場合、必ずしも額面100円で売却できるわけではありません。前述の通り、債券価格は様々な要因で変動するため、満期償還前に売却した場合は必ずしも利益が出るわけではありません。このように、債券投資にもリスクが存在します。

債券の保有期間(イメージ)

債券投資のリスクは?

上記のように、一般的に、債券への投資は相対的に安全といわれているものの、リスクは存在します。債券投資の代表的なリスクは「金利リスク」と「信用リスク」です。

債券価格と金利には、金利が上昇すれば債券価格は下落し、金利が低下すれば債券価格は上昇するという、シーソーのような関係があります。これは、発行された債券のクーポンはすでに決まっているため、市場金利の動向によって、クーポンの魅力が変わるためです。よって、足もとのように金利が大幅に低下した局面では、相対的にクーポンの魅力が増し、債券価格は大きく上昇します。逆に、金利が大幅に上昇する局面では債券価格は大きく下落します。これを金利リスクといい、債券投資をする際には金利の動向に注意しなくてはなりません。

米国10年国債利回りと米国債券先物の価格の推移

また、債券投資は発行体に対してお金を貸していることと同様のため、発行体の業績や経営状況などを勘案した発行体の信用状況が債券の価格に大きく影響します。発行体の信用状況が悪くなれば、破産の懸念が高まるため、その発行体の債券価格は下落します。これを信用リスクといい、金利リスクとともに注意するべきリスクです。

債券ファンドとは?

ここまで債券と債券投資のリスクについて説明してきました。では、債券ファンドとはどのような仕組みなのでしょうか?

ファンド(投資信託)とは、一般的に多数の投資家からの資金を箱にまとめ、その箱に集まった資金を投資家の代わりに運用会社が株式や債券、不動産などの様々な資産に投資する金融商品のことです。そして、債券ファンドとはその主要投資対象が債券であるファンドのことをいいます。

債券ファンドとは(イメージ)

一般的に投資家は、ファンドをいつでも換金価額で解約することができます。その換金価額は、「いまファンドが保有している債券を売却したときの価格(時価)」をもとに算出されるため、債券ファンドへの投資にも前述の債券投資のリスクが伴います。また、追加型の債券ファンドはさまざまな満期の債券を保有しているため、債券の満期のように「必ず利益が得られる」というタイミングがないことに注意が必要です。

債券投資ではなく、債券ファンドに投資するメリットは?

債券ファンドも結局は債券に投資をしている面で、債券投資と同じですが、債券ファンドに投資するメリットは何でしょうか。大きく分けてメリットは2つあります。

1つ目は、ファンドを通じて様々な債券に投資をするため、リスクの分散が出来ることです。ひとつの債券だけに投資をすると、その債券の発行体が破産し、債務不履行となった場合、大きな損害を被ります。しかし、ファンドを通じて様々な債券に投資をしていれば、仮にそのうちのひとつの発行体が破産し、債務不履行となったとしても、その損失を他の債券による利益でカバーし、ファンド全体の収益を安定させることが出来ます。

2つ目は、少額から投資を始められることです。債券ファンドのような投資信託は、多数の投資家から資金を集め、集まった資金で債券へ投資をするため、一人一人の投資家が必要な資金は少額で済みます。一方、債券への直接投資をする場合は1単位100万円など、必要な資金が多い場合がほとんどです。

まとめ

債券と債券ファンドの仕組みをお分かりいただけましたでしょうか。両者の違いとメリット・デメリットを理解すれば、皆さまの資産形成の選択肢が広がることは間違いないでしょう。資産形成の必要性が話題となっている今、本記事が皆さまの投資活動への第一歩となれば幸いです。

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