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読めば納得!所得税と住民税の違いをゼロから解説

2020/10/30

かかる

私たちのまわりにはさまざまな税金があります。買い物をする際に払う「消費税」や働く人が納める「所得税」や「住民税」は私たちにとってもっとも身近な税金といえるでしょう。しかし、身近といいながら会社に勤めている方の場合、「所得税」や「住民税」は給与から天引きされるため意識する機会は意外に少ないのかもしれません。ここでは個人の給与所得における「所得税」と「住民税」についてどのような税金なのか整理してみたいと思います。

所得税は「国税」、住民税は「地方税」

所得税と住民税は、個人の1年間の所得に対してかけられる税金です。所得に応じてその額が変わるところなど似た要素をもっていますが、まず一つ目の違いが納める先が異なることです。所得税は国に納める「国税」で、住民税は地方に納める「地方税」です。納める先が違うことから、その税額も別々に計算され別々に徴収されています。

それから、もう一つの違いは、納税の時期が異なる点です。所得税は、その年の1月から12月までの所得から計算されますので、税額を決める所得額はその年が終わらないと確定することができません。会社員の方は給与天引きで概算の金額を会社が代わって納付していますが、12月に会社が年末調整を行います。また、必要に応じて翌年2月16日から3月15日までの期間に一括納付する方もいます。一方、住民税は前年の所得をもとにした住民税決定通知書が6月ごろに交付されます。会社に勤めている方は、分割の給与天引きにより会社が代わって納付していますが、それ以外の方は6月から一括もしくは年4回に分けて納付を行うことになっています。

税率はどうなっている?

それでは、所得税や住民税の税率はどのようになっているのでしょうか。税率は税制改正などによって頻繁に変わるので注意が必要です。ここでは2020年の税率で紹介します。まず所得税の特徴は、納税者の所得に応じて段階的に税率が上昇していく「超過累進税率」であることです。所得が高くなるにしたがって税率も高くなります。そして所得税は、収入のすべてに課されるわけではなく、必要経費や所得控除などを差し引いた額で税額を計算します。さらにその税額からは、所得金額に応じて一定額が控除されます。

所得税の速算表

課税される所得金額税率控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

一方、住民税の税率の特徴は、所得の額にかかわらず税率が一定という点です。さらに、定額で課税される「均等割」と所得に応じて課税される「所得割」に分けられ、それらが合算されたものということになります。そして、住民税にも所得税と同じように課税対象となる所得金額から一定額が控除されます。

住民税のイメージ

住民税 所得割 均等割

住民税(所得割)

税率(内訳)
10% 市町村民(区民)税 6%
道府県民(都民)税 4%

住民税(均等割)

市町村民(区民)税 1,500円
道府県民(都民)税 3,500円

※住民税は一部の地域では法令の範囲内で独自の上乗せをしていることがあり、 地域によって住民税の金額が異なることがあります。

控除って何?

所得税や住民税についてたびたび出てくる控除とは、どのようなことなのか確認してみましょう。 控除とは一定の額を差し引くという意味で、所得税や住民税には税を納める人の個人的な経済事情を税金の計算に反映させる制度が備わっており、「所得控除」と「税額控除」という2種類に分けることができます。所得控除は、納税する人に「家族がいるか」「家族の人に所得があるか」などの経済事情に応じて税金を反映させるためのもので、主なもので15種類あります。収入からこれらの控除額を差し引いた課税所得金額を求め、それらに応じた税率をもとに税額を決めるという流れです。また、控除額は所得税と住民税でそれぞれ異なるものがありますので確認が必要です。

主な所得控除

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、勤労学生控除、ひとり親控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

一方、税額控除は、控除額がそのまま直接所得税から差し引くことができる制度です。最終的に計算された所得税額から直接差し引くことができるため所得控除に比べて効果が大きくなります。住宅ローン減税に伴う控除はこれに該当します。

住宅ローン減税・ふるさと納税はどこから控除される?

私たちにとって税金を控除できる制度として身近な制度といえば住宅ローン減税やふるさと納税でしょうか。これらの制度では、これまで説明してきた所得税・住民税のどちらから控除されているのかを見ることにしましょう。

住宅ローン減税制度とは、住宅購入時のローン契約額から一定額を税額控除し、購入者の金利負担を軽くする制度のことで、ローンの契約開始から10年間にわたり毎年のローン残高の1%を限度に控除することができます。なお、令和元年10月の消費税引上げに合わせて一定の条件を満たす場合、控除期間が3年延長されます。
各年の控除限度額は40万円で原則として所得税から税額控除されることになっています。そして、所得税額が40万円より少ない場合、つまり控除しきれなかった場合は住民税からも控除されるようになっています。

それでは、寄付した自治体から返礼品がもらえるふるさと納税制度における税額控除はどのようになっているのでしょうか。結論から言うと制度の利用方法によって異なっています。まずふるさと納税を利用する人の多くが使っているといわれる「ワンストップ特例制度」の場合、税額控除は全額住民税から行われます。一方、「確定申告をした場合」は住民税と所得税のどちらからも行われます。ただし、控除合計額は一部例外を除いてどちらも同じです。会社に勤めている方であれば、毎年5月から6月ごろに見ることができる「住民税決定通知書」でふるさと納税の控除額がどのくらいだったのか確認できます。

ここまで、所得税と住民税について整理してきました。会社に勤めている方ですと給与天引きされているこれらの税金を詳しく確認する機会は少ないかもしれません。住宅ローン減税やふるさと納税など税金の負担を軽減する様々な制度などもあり、これらを理解することで自分自身がどれだけの税金を納めているのかを改めて知る良い機会になるでしょう。

出所:国税庁、各自治体ホームページおよび各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成

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