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老後の生活費はいくら?平均や内訳からリアルな実態まで紹介します!

2023/09/01

かかる

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老後の生活費について、皆さまはどのように考えていますか?そもそも老後の生活費というと、何を思い浮かべるのでしょうか?
生活費と聞くと食費、光熱費、医療費など、日々の生活における基本的な出費が思い浮かぶかもしれませんが、老後の月々の生活費を正確に把握するのは難しいのです。なぜなら、若い世代に比べて医療費などに予期せぬ出費が発生する可能性が大きいからです。そこで本記事では、統計データから平均や内訳を、身近な人へのヒアリングからリアルな実態を調べたので、ご紹介したいと思います。

老後の生活費の平均支出額は約22~30万円かかる!?

下のグラフは「家計調査」の高齢者の生活費に関するアンケートデータを用いて作成したものです。二人以上の世帯のうち無職世帯において、世帯主の年齢階級別に1世帯当たり1ヵ月間の平均支出を示しています。日本在住の二人以上で無職の世帯だと、消費支出は60~64歳は約33万円、65~69歳は約26万円、70~74歳は約25万円、75~79歳は約24万円、80~84歳は約22万円、85歳以上は約24万円でした。参考までに、59歳以下も含めた全体平均は約25万円です。この結果を見ると、60歳以降は年齢が上がると基本的には生活費が低下するものの、85歳以上となるとオレンジ色の保健医療費の増加が著しく、生活費が上昇する要因だと言えそうです。

無職高齢者世帯の平均支出額

出所:家計調査(二人以上の世帯)2023年(令和5年)6月分

ただし、これだけで老後の生活費の実態を把握するのは難しいと考えられます。なぜなら、実際の生活では予期せぬ突発的な出費がつきもので、その時は平均と大きく乖離するからです。それでは具体的に、突発的な出費としてどのようなものが考えられるのでしょうか。

筆者の祖父母に出費を聞いてみた

今回は非勤労世帯の夫婦の生活費についての調査として、筆者の祖父母(祖父:88歳、祖母:83歳、持ち家で地方在住)にどのような出費があるか聞いてみました。
その結果、家計簿を書くのを辞めたから現在の生活費の詳細は分かりかねると言われたものの、書いていた頃は概ね月25万円の出費で平均と殆ど同じでした。しかし、過去の出費を考えると、その時々の趣味によって支出額が大きく異なるとのことでした。大規模な出費となったのはゴルフ・海外旅行・車など、1回にかかる費用の高い趣味の支出額が高まる時期に集中していると感じました。他にも、持ち家ならではの出費として、エアコンや給湯器、階段の手すりの修繕費といった生活インフラに関する出費に加え、屋上に来るカラス対策、ハチの巣駆除などの費用がかさんだこともあったそうです。また、数年前から祖父がデイサービスを週3回ほど利用しており、昼食代を入れて毎月約2万円の費用、いわゆる介護保険料が発生し始めた一方で、運転免許証を返却し、車関連の出費が無くなったことから、結果として月々の出費の変化はあまりなかったとのことでした。

前述の統計データにおいては、実際の支出額の平均が算出されているため、均した状態ではあるものの、ある程度突発的な出費もデータに含まれていると推測されます。しかし、自分で将来の支出を見積もる場合は、予期せぬ支出まできちんと含めて平均額を算出するのは難しく、筆者の祖父母が答えてくれたように、「通常の支出はいくらだけど、それ以外に予期せぬ支出がいくらかかってしまった」といった結果になるのが一般的と思われます。
これらを踏まえて分かったことは2点あります。1点目は、毎月の生活費を超えるような想定外の出費に対応する一定額の貯蓄が必要だということです。2点目は加齢によって医療や介護費用が増える一方で、娯楽費などの減少も相当あるということです。
そのため、老後の生活費を考える際には、居住形態や趣味など、自分の生活スタイルを考慮に入れることが重要だと言えそうです。
こうしたヒアリングを参考に、老後に起きうる突発的な出費を調べてみると、例えば家のリフォーム費用や車の購入費用、介護費用など代表的な出費は一度に大きな金額、または継続的な支払いが必要となります。それぞれの一般的な金額を調べると、リフォーム費用は約206万円*1、普通乗用車の購入費用は約374万円*2、介護費用は月額8.3万円*3でした。こうした突発的な出費により、老後の生活費が平均的な支出額を一時的に大きく超えることも想定されます。

品目費用
リフォーム費 約206万円
普通乗用車 約374万円
介護 月々8.3万円

*1 国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

*2 総務省「小売物価統計調査(動向編)2023年7月」

*3 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2021年度)

つまり、老後の生活費を考える際には日々の生活費に加えて、こうした予期せぬ出費もある程度は「あるもの」として備える必要があります。

老後資金のためにできることは?

このように老後の生活費は突発的な出費も多い傾向にあることから、心配になる方も多いのではないでしょうか。しかし、早めに老後資金の準備を始め、十分な資産形成を行うことで安心した老後生活につなげることは可能です。生活スタイルを考慮した老後の生活費を見積もり、必要な分の準備として貯蓄や投資、万が一に備えた保険の加入を行うことが対策として考えられます。また、投資をする際には少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)などの資産形成をサポートする制度を活用することも大切です。
一方、老後の生活費を抑えるための方法もあります。出費に対して補助金が出ないか調べることや、書籍やインターネットなどで節約術を調べて実践すること、あるいは健康を維持することなども考えられます。特に年齢が上がるにつれ保健医療の出費が増えることを踏まえると、健康を維持するための生活習慣の見直しや適度な運動、バランスの良い食事を心掛けることなどは、地道ではありますが、結果的に大きな効果が得られるのではないかと思います。
こうした対策もそうですが老後生活に向けて何か取り組むこと自体が不安の解消になることもあります。ぜひ、本記事から老後資金の備えについてご参考いただき、実際に取り組んでいただければと思います。健康で楽しく、お金の心配のない老後生活を目指していきましょう!

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