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【初めての家賃交渉】値下げを実現するための具体的なやり方を徹底解説!

2023/10/18

かかる

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最近の物価上昇で家計が厳しいと感じている方は多いと思います。中には「頑張って節約しているけど、もう節約する余地がない!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、賃貸暮らしの家計に付き物の「家賃」は値下げする余地があることをご存じでしょうか?

確かに、家賃を値下げするためには相応の準備と交渉ノウハウが必要です。しかし、家賃は家計に占める割合が大きい分、ほんの一部でも値下げすることができれば、非常に大きな効果が得られます。しかも、その効果は長期間続くことが期待できるのです。

とはいっても、家賃交渉の経験がない方にとっては、やり方が分からないどころか、そもそも家賃の値下げが本当にできるのか半信半疑かもしれません。

そこで、本記事では今住んでいる家の家賃交渉に初めて挑戦する方に向けて、値下げを実現するための具体的なやり方を解説します。家計改善に大きく役立つ可能性を秘めていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

そもそも家賃の値下げ交渉って可能なの?

家賃というと、家計の中では固定費の筆頭として君臨しているため、そもそも変わることがイメージしにくいかもしれません。しかし、あくまで貸主と借主との間に結ばれる契約で決まるもののため、双方が合意すれば変更することが可能です。

これは、大家の立場になってみると分かりやすいですが、大家は今の入居者が出て行ってしまうと、新たな入居者を探す必要があります。当然、その間は家賃を受け取ることができません。
仮に、家賃を月12万円、平均入居期間を2年(24ヵ月)、新たな入居者を探すのに1ヵ月の空きができてしまうとすると、「12万円×1(ヵ月)÷24(ヵ月)=5,000円」と計算できます。つまり、大家の立場からは、「今の入居者が出て行ってしまうくらいなら、家賃を5,000円まで値下げしてもいい」といった見方もできるのです。

そもそも家賃の値下げ交渉って可能なの?

12万円の内の5,000円と見ると少なく感じるかもしれませんが、一般的な節約で毎月5,000円を達成するためにはかなりの労力が必要ではないでしょうか。しかも、一度交渉が成立してしまえば、新たな交渉が成立するまでの間はその家賃が継続しますので、やはり挑戦する価値はあると言えるでしょう。

ここで注意しなければならないのは、値下げの可能性があるということは値上げの可能性もあるということです。「より高い家賃を払ってもいい入居希望者がいる」などは典型例ですが、こうした理由により、大家から値上げ交渉があることもあり得ます。家賃も物価の一つですから、現在の物価上昇は家賃の値上げにもつながりやすい環境と考えられます。

いずれにしても、家賃というのは「絶対に変わらないものではない」ということです。まずは、交渉次第で値下げの可能性があるという事実を知ることが家賃交渉の第一歩となります。

値下げ交渉にはどんな事前準備が必要?

家賃の値下げ交渉が可能ということが分かったところで、次に値下げ交渉を行う前に調べておくことや、やっておくべきことを解説します。交渉の場で説得力を高めるためには、事前準備が必要不可欠ですので入念に行いましょう。

同じマンションの入居者募集状況を調べる

値下げ交渉をするための典型的な交渉手段の一つとして「他が安いからうちも安くならないか?」が挙げられます。
この交渉材料を得るために、まず確認しておきたいのが同じマンションの同じ間取りの入居者募集状況です。賃貸情報サイトや不動産仲介業者の情報を調べ、自分が払っている家賃より安い価格で募集が出ている場合は、かなり強力な交渉材料になるでしょう。

周辺物件の家賃相場を調べる

周辺物件の家賃相場も交渉材料として役立ちます。自分の物件と同様のエリア、広さ、間取り、階層等の物件がいくらで貸されているかを調べ、自分の家賃がそれらより総じて高ければ良い交渉材料になります。
また、価格だけでなく入居者募集件数も重要です。多くの募集物件があれば競争率が高くなり、それだけ新しい入居者を探すのに苦労するということなので、それらも調べておいて損はないでしょう。

入居時から変化したことをまとめる

「入居時は日当たり良好だったのに高い建物が目の前に建って日当たりが悪くなった」、「近所にあったスーパーが無くなってしまった」など入居時と比べて物件の価値が下がるような変化があれば取りまとめておきましょう。多くの人が困ると感じるような変化ほど強力な交渉材料となります。

優良入居者であるアピール材料を準備する

大家は物件のメンテナンスを行う必要がある他、近隣から入居者への苦情が寄せられると、場合によってはそれに対処する必要もあります。こうした費用や労力が軽減できることは、大家にとって大きなメリットとなります。自分が優良な入居者であることをアピールする材料があれば、きちんとそれを伝えられるように準備しておきましょう。

値下げを希望する理由を明確にする

交渉は機械と行うわけではありません。相手が人間である以上、心情は非常に重要です。なぜ、家賃の値下げが必要なのか、納得のいく理由を説明できなければ、どんなに良い交渉材料を用意してもうまくいかないケースも少なくないでしょう。逆に、切実な理由であることが相手にきちんと伝われば、それだけで交渉が成立することもあります。

以上、主な事前準備を紹介しました。交渉に自信を持ってアプローチし有利に進めるために、できるだけ多くの材料を用意しておきましょう。

家賃交渉の適切なタイミングは?

今住んでいる家の家賃交渉を行うタイミングについては、契約更新時に行うのが一般的です。しかし、必ずそうでなければならないわけではありません。

例えば、アパート一棟が同じ大家の場合、同じアパート内で空室が発生したタイミングなどは交渉しやすいと言えそうです。また、改装工事などの物件に関連したイベントや変化がある場合も値下げ交渉のタイミングとして検討できます。

このように、値下げ交渉のタイミングは契約更新時が基本ですが、他の特別な要素や状況を活かして交渉を行うこともできます。相手の立場や状況を考慮し、最適なタイミングを見極めることで交渉の成功率を高めることができるでしょう。

交渉時のポイントは?

事前準備と交渉時期が分かったところで、いよいよ交渉時のポイントについて解説します。

まず、事前準備した情報を適切な順番でアピールしましょう。具体的なデータや情報を提示することで、自分の求める家賃の妥当性を強めることができます。その際は、最も有力な材料を最初と最後の両方でアピールすると、印象を強めることができるでしょう。例えば、周辺物件の家賃相場が最も強力な交渉材料と判断した場合、「周辺物件の家賃相場→入居時からの変化と値下げ希望理由→優良入居者のアピール→周辺物件の家賃相場」という順番になります。

「周辺物件の家賃相場は今お支払いしている家賃より1万円程度安いため、家賃を5,000円安くしていただけませんでしょうか。入居時にあった近所の安いスーパーがつぶれてしまい、不便になっただけでなく、生活費が上がり家計を圧迫しているため、家賃を少しでも抑えられれば非常にありがたいです。こまめな掃除を心がけているので、部屋の状態も入居時とほとんど変わっておらず、今後も大切に使わせていただきます。新たに入居者を探した場合、今の相場的に、やはり家賃を値下げしなければならない可能性が高く、募集の手間もかかるため、そちらにとっても悪い話ではないと考えています。よろしくお願いします。」

具体的に文章にするとこのようになります。最初と最後に強調したいことをアピールすることで、それが明確に伝わると感じていただけたのではないでしょうか。

また、交渉時は相手の立場を理解し、共感を持つことも大切です。大家にとって家賃は重要な収入源ですので、相手の立場や事情を理解し、共通の目的や利益を探ることが交渉成功への鍵となります。当然ながら、相手に対して敬意を持ち、丁寧かつ明確な言葉遣いも心掛けましょう。相手の立場に寄り添ったアプローチをすることで、交渉の円滑化や合意形成に繋がります。

交渉時のポイントは?

今住んでいる物件の家賃交渉をする場合、多くは管理会社を通して行います。管理会社は家賃交渉も慣れているため、比較的気軽に打診することが可能ですが、やはり誠意をもって交渉を依頼することは重要です。管理会社を味方につけるくらいの気持ちで依頼しましょう。

大家と直接交渉する場合は、心情的な部分がより重要になることもあります。管理会社より家賃交渉に慣れていない分、ファーストコンタクトにも気を使うと良いかもしれません。事前に手紙を送る、近くに住んでいるなら菓子折りをもって挨拶に行くなども有効と考えられます。

以上が交渉時の主なポイントとなります。事前に準備したことをしっかりと伝え、相手と建設的な会話ができるよう誠意をもって交渉に臨むことで、家賃の値下げを実現する可能性が大きく高まるでしょう。

交渉カードを増やそう

家賃交渉の成功率をさらに上げたい場合、追加で交渉カードを用意しておくことが効果的です。これまで解説したポイントを押さえても交渉が難航しそうな場合、これらの交渉カードが役に立つでしょう。具体例を3つ挙げてみたいと思います。

① 長期契約

賃貸住宅は2年更新が一般的ですが、より長期の契約を結ぶことで大家に空室期間や入居者探しの手間を減らすメリットを提供することができます。転勤などによる引っ越しの可能性が少ないのであれば、長期契約という交渉カードを用意しておくのも一つの手です。

② 物件のメンテナンスや修繕の積極的な貢献

物件のメンテナンスや修繕について積極的に貢献することを提案することも有効です。例えば、日常的な清掃や簡単な修繕を自己負担で行うことで大家はこれらの費用を削減できます。契約書にこうした条件を盛り込むからには、当然それを履行する義務が発生しますが、その分強力な交渉材料になるでしょう。

③ 入居者紹介

大家に新たな入居者を紹介するという交渉カードもあります。例えば、同じアパートに空室がある場合、その物件を友人や知人に紹介することで、大家は入居者確保や宣伝効果のメリットを得ることができるため、値下げ交渉を有利に進めることができるようになります。

失敗しても次につなげよう!

いかがでしたでしょうか。初めての家賃交渉でも、きちんと事前準備しポイントを押さえて交渉すれば、決して不可能ではないということを理解していただけたかと思います。

最後に、誠意をもって臨めば、たとえ交渉に失敗してもよほどのことがない限り大家との関係が悪化することはありません。今回の家賃値下げをあきらめる代わりに、次回の契約更新時も交渉機会をもらえるよう約束することも検討しましょう。

賃貸とはいえ、気に入った物件にできるだけ長く、そして安く住めるに越したことはありません。ぜひ、長期的な視点で交渉を進めることも視野に入れてみてください。

(執筆:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 佐藤 啓)

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