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シェアサイクルとは?メリット・デメリットを踏まえたおすすめの使い方をご紹介

2022/12/09

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近年、観光や通勤など様々な場面において、電車や自動車に代わる交通手段として普及が進むシェアサイクル。皆さんがお住まいの地域でも、目にする機会が増えたのではないでしょうか。本記事では、シェアサイクルを利用するメリットや、使い方のポイントなどをご紹介します。

シェアサイクルとは?

シェアサイクルとは、一定のエリア内に複数配置された自転車の貸出・返却拠点(シェアサイクルポート)において、自転車を自由に貸出・返却できる交通手段をいいます。借りた場所に返却しなければならないレンタサイクルとは異なり、借りた場所と異なる任意のシェアサイクルポートに返却することができるのが大きな特徴です。
日本では2005年ごろから全国各地で次々に社会実験や導入が進められてきました。特に近年における導入都市数の伸びは著しく、国土交通省の調査によると、2016年時点の国内における本格導入都市が87都市であったのに対し、2020年には170都市と4年で倍近くまで増加しています。導入した都市の多くはその目的として「観光戦略の推進」のほかに「公共交通機関の補完」「環境負荷の軽減」を掲げており、シェアサイクルがレンタサイクルの代替としてではなく、電車や自動車などに代わるクリーンな公共交通手段の一つとして位置付けられていることがうかがえます。

国土交通省「都市交通の中でのシェアサイクルのこれから」(2022)

出所:国土交通省「都市交通の中でのシェアサイクルのこれから」(2022)のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

実際の利用方法

ここでは、国内に多く普及している「ポート型」シェアサイクルの利用に必要なものや実際の利用方法について確認しましょう。

① 会員登録

多くの場合、専用Webサイト・スマホアプリでの会員登録が必要となります。名前、連絡先などの基本情報の入力が完了したら、決済方法を登録しましょう。シェアサイクルは一部を除き現金での清算はできません。多くの場合クレジットカードを登録することで利用できますが、各種キャリア決済や電子マネー等を使用することができるサービスもあります。

② 自転車を借りる

まずは自転車を確保する必要があります。利用したいポートに必ずしも空いている自転車があるとは限らないため、可能であればアプリやWebサイトで空き状況を確認し、予約するなどしておくと安心です。
レンタルの方法は事業者によって様々ですが、Webサイトやアプリに表示されるパスワードを入力したり、自転車に搭載されたQRコードをアプリで読み込むことで自転車を解錠し、利用を開始できます。また、交通系ICカードを登録している場合、それらをタッチすることでレンタルできることもあります。

②	自転車を借りる

③ 自転車を返す

利用しているサービスのポートに自転車を停め、所定の方法で施錠・返却手続きをします。返却手続きの方法はサービスによってまちまちで、施錠だけでは返したことにならないことも多いので注意しましょう。また、返却するポートは借りた場所と同じでなくて構いませんが、返却できるエリアが決められている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

どこで、いくらくらいで借りられる?

シェアサイクルが広く普及する欧米などの海外では、道路上に多くのポートが設置されています。 日本においてはどうでしょうか。令和1・2年度に国土交通省が実施した調査によると、日本では以下のグラフのように道路上への設置は少なく、コンビニや宿泊施設、ショッピングセンターなどの私有地への設置が多いことが分かります。公共用地では公園や駐輪場での設置が多いほか、市役所や図書館に設置されている例もあるようです。最近では複数のシェアサイクルサービスに対応しているポート検索マップなどもあるので、ご自身の身の回りのどんな場所にポートがあるのか、確認してみるのもよいかもしれません。

国土交通省「都市交通の中でのシェアサイクルのこれから」(2022)

※R1、R2はそれぞれ令和1年度、令和2年度を表します。

画像出展:国土交通省「都市交通の中でのシェアサイクルのこれから」(2022)

次に利用料金はどのくらいに設定されているか見てみましょう。
複数の大手シェアサイクル業者における東京都での料金体系を調べたところ、30分毎に165円、15分毎に70円など、30分あたり約150円前後の価格設定となっていました。また、月額会員制度や1日パスなどを展開する事業者もあり、使いたい頻度、利用時間などを踏まえて選ぶのがよさそうです。

メリットとデメリット…どんな使い方がおすすめ?

シェアサイクルは、どんなシーンで使うと便利でしょうか。シェアサイクルのメリット・デメリットを踏まえて見てみましょう。

メリットデメリット
  • 借りた場所に戻らなくても、ポートがあれば返却できる
  • 自転車を購入せずに手ごろな価格で利用でき、保管やメンテナンスの必要がない
  • 24時間利用でき、返却時間を気にしなくて良い
  • レンタル可能な自転車・返却のためのポートの空きがない場合がある
  • 登録や予約、レンタルにスマートフォンが必要

<メリット>

まずメリットとして大きいのは、借りた場所に必ずしも返却のために戻る必要がないことです。出発地と目的地にポートがあれば貸出・返却できるため、たとえば観光においては、サイクリングで利用後、出発地まで戻らずにそのまま返却して次の場所に移動することができます。また出発地と目的地を往復する場合でも、行きはシェアサイクルで、帰りは雨に降られたので徒歩やバスで、といった臨機応変な選択も可能です。

次に、自転車を購入しなくても必要な時だけ手ごろな価格で利用できることです。自転車は自分で購入するとなると決して安い買い物ではありません。特にシェアサイクルで提供される自転車は電動アシスト付きの車両が多く、購入するとなると相場は10万円程度、安いモデルでも5万円程度はかかると言われています。通勤などで長期間、毎日のように利用する場合は購入を考えてもよいかもしれませんが、保管場所の確保やメンテナンスも必要であることを考えると、たまに乗る機会のある程度の人であればシェアサイクルの方が安く済みそうです。

また、利用時間に制約のあるレンタサイクルと比べ、24時間利用できるサービスが多いことも魅力の一つです。筆者は以前旅行先でレンタサイクルを利用した際、観光が長引いて、閉店時間ギリギリに返却に駆け込んだ経験がありますが、シェアサイクルの無人のポートでは24時間貸出・返却できるものもあるため、時間を気にせずに観光を楽しむことができます。

<デメリット>

一方で、デメリットはどのようなことが考えられるでしょうか。
まず、借りたい場所に空いている自転車がある・返したい場所が空いているとは限らないということに注意が必要です。日本ではポート1か所当たりの自転車設置数が少ない場所も多いため、いざ返そうと思ったらスペースが足りない、複数人で利用しようと思ったら1台だけ足りない、といったことが起こることもあります。一部サービスではレンタル可能な自転車や返却できるポートを検索し、予約することもできるので、時間に制約のある人や大人数で利用する場合は活用してみてください。

また、シェアサイクルの利用にはスマホアプリでの会員登録や決済情報の入力が必要となっているほか、貸出・返却時にもスマートフォン・タブレットが必要なケースがほとんどです。この点は、スマートフォンを持っていない人や扱いに慣れていない人にとってはデメリットであると言えるでしょう。しかし、一部サービスでは代表者一人が登録することで複数台をレンタルできる場合もあり、こういったサービスを利用するとよいかもしれません。

<番外編:フードデリバリーでの利用は?>

コロナ禍で利用が急増したフードデリバリー。自転車で配達している人をよく見かけますが、シェアサイクルを使うことはできるのでしょうか?

調べたところ、利用すること自体は問題ないようです。ただし、長時間利用する場合は充電の減りを気にする必要があったり、自宅近くにポートが無い場合などもあるため、長期間バリバリ配達をこなしたい人よりは、「配達バイトを始めてみようか悩んでいて、1、2回試しにやってみたい」という人にはおすすめといえるでしょう。

おわりに

日本では現在、シェアサイクルの普及を自転車活用推進施策のひとつとして位置づけ、法整備や仕組みづくりが進んでいます。例として、公共交通機関との連携や、交通系ICカード等でのワンタッチ利用などが検討されており、今後ますます利便性が向上していくと思われます。

「歩くと少しかかるけど、タクシーに乗るほどでもない」「公共交通機関を使っても、最寄り駅から遠くて結局歩くのと時間があまり変わらない」など、自転車があったらな、というシーンは意外と多いと思います。そんなとき、新たな交通手段としてシェアサイクルを検討してみてはいかがでしょうか。

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