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児童手当の所得制限撤廃か!?現時点の概要と検討中の拡充内容について解説

2023/05/26

知恵のハコ

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政府が掲げている「異次元の少子化対策」の柱として、児童手当の改正、特に所得制限撤廃に注目が集まっています。子育て世代の方には直接家計に影響することなので、結果がどうなるのか関心が高い方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、児童手当の概要や現在議論されている拡充内容についてわかりやすく解説します。

児童手当の概要

まずは、現行の児童手当制度の概要について確認してみましょう。

支給対象 国内に住所を有する中学校修了まで(15歳に到達後の最初の年度末まで)の児童(住基登録者:外国人含む)
支給金額
(月額、1人あたり)
0~3歳未満 : 一律15,000円
3歳~小学校修了まで : 10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生 : 一律10,000円
所得制限限度額以上* : 一律5,000円(特例給付)

*所得制限限度額(年収ベース) 960万円(子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合)

支払月 毎年2月、6月、10月(前月までの4か月分を支払)
給付総額
(令和4年度)
1兆9,988億円

出所:内閣府

なお、所得制限は主たる生計維持者(夫婦どちらか高いほうの所得)によって判定され、限度額は扶養人数によって異なります。金額は下表の通りです。

扶養親族の数*児童手当の所得制限特例給付支給対象外となる所得
所得 年収(目安) 所得 年収(目安)
0人 622万円 833.3万円 858万円 1,071万円
1人 660万円 875.6万円 896万円 1,124万円
2人 698万円 917.8万円 934万円 1,162万円
3人 736万円 960万円 972万円 1,200万円
4人 774万円 1,002万円 1,010万円 1,238万円
5人 812万円 1,040万円 1,048万円 1,276万円

※扶養親族:扶養している子、親、年収103万円以下の配偶者

出所:内閣府

専業主婦・子ども2人(4歳児1人・0歳児1人)の家庭を例にとると、年収ごとの支給額(月額)は以下のようになります。

年収960万円未満 25,000円
年収960万円以上1,200万円未満 10,000円
年収1,200万円以上 支給対象外

2歳児の保育所保育料は全国平均で月額26,979円(2023年4月時点、出所:小売物価統計調査)であるため、満額給付であれば現行水準でも大部分をまかなえる計算となりますが、2022年10月より特例給付の所得制限が導入され、一定以上の所得がある世帯は月額5,000円の特例給付も支給対象外となっています。

なお、児童手当を受け取るためには、現住所の市区町村への「認定請求書」の提出が必要となっており、原則、申請した月の翌月分から支給されます。つまり、認定請求書を提出し忘れてしまうと、提出月までの分は原則受け取れなくなってしまうため、十分に注意してください。ただし、出生日や転入した日(異動日)が月末に近い場合、申請日が翌月になっても異動日の翌日から15日以内であれば、申請月分から支給されます。受給対象となっているご家庭の方は出生後・転入後なるべく早く申請を行うことをおすすめします。

児童手当が拡充される?その内容とは

「児童手当の所得制限が撤廃される」というニュースを目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?その背景には、長年続く少子化を解消できていないことが挙げられます。 わが国の出生数は年間で81.2万人(2021年)と1990年と比較しおよそ3分の2となっており、少子化対策は待ったなしの状況となっています。

出生数・合計特殊出生率の推移

出所:厚生労働省

そんな中政府は、今年3月31日に少子化対策の「たたき台」を公表しました。岸田総理大臣が掲げる「異次元の少子化対策」の具体化を目指し政府が取りまとめた「たたき台」の中には、保育士の配置基準の見直しなどの保育サービスの拡充や、男性の育児休業取得推進といった働き方改革と並んで、児童手当の拡充が「経済的支援」の目玉のひとつとして掲げられています。
具体的には、主に以下の施策が挙げられています。

  • 所得制限の撤廃
    年収960万円、1,200万円(目安)以上の世帯に対する支給額の制限を撤廃
  • 支給期間の延長(高校卒業まで)
    現在中学卒業までとなっている支給対象を高校卒業まで延長
  • 多子世帯への加算給付
    現在、第3子以降に対し3歳~小学校修了までの期間で増額されているものを拡充し、多子世帯への支給額について諸外国の制度等も参考に見直しを行う

なお、財源については社会保険料からまかなう案や増税によって対応する案などが浮上していますが、財源、予算規模などの大枠については、6月に策定される「骨太の方針」にて示される予定となっています。

5月時点では、第3子以降の児童手当を月額3万円に増額するという案も報道されています。多子世帯への支給額を手厚くすることによって少子化を食い止める第一歩とすることができるのか、政府の方針に注目です。

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