アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所長の伊藤雅子は、京都大学経営管理大学院・大学院経済学研究科・経済学部の「金融リテラシー」講義で、「資産運用ビジネスと社会人の資産形成の実際」をテーマとした出張講座を実施し、120名を超える学生が参加しました。昨年度に続き、2年連続での実施となります。

ウェルビーイングと資産形成の関係性

主な講義内容は以下の通りです。

学生の皆さんの講義に対する関心度は高く、学生にも意見を求めながら対話を重ねる参加型の授業形式が、講義への理解度や集中度に繋がったようです。

特に反響を呼んだのは「ファイナンシャル・ウェルビーイング」という考え方でした。「ウェルビーイングという言葉には馴染みがあったものの、その構成要素の１つであるファイナンシャル・ウェルビーイングは初めて知った」という声が多く寄せられています。

資産形成の目的は単にお金を増やすことではありません。将来の金銭的不安を軽減し、より自由に意思決定できる状態を手に入れること、人生の選択肢を広げることにあります。当研究所が重視しているこのメッセージに共感する学生も多く見られました。今回の講義を通じて、学生一人ひとりが自身の資産形成やライフプランニングを見直そうという兆しが芽生えています。

その代表的な例として、ある学生からいただいたアンケートの回答を以下にご紹介します。

資産運用ビジネスへの関心

投資信託の仕組みや資産運用ビジネスに関心を寄せる学生も多く見られました。投資信託の歴史や運用会社のビジネスモデルなど、普段触れる機会のない「資産運用ビジネスの裏側」に触れられる講義内容に、学生たちは興味を抱いたようです。

学生の皆さんからいただいたアンケート回答を一部ご紹介します。

• 曖昧曖昧だった資産運用会社（委託会社）、販売会社、そして信託銀行（受託会社）の分業構造やそれぞれの役割、投資商品の種類や手数料の違いなど、今後の判断に役立つ知識を得られた。
• 実際に資産運用会社で働かれている社員の話は貴重だった。投資信託の歴史や、資産運用会社のビジネスモデルといったことは知らない内容だったので学びがあった。
• 今回の授業では、資産運用の役割や歴史的背景を通じて、資産運用会社が企業と社会を繋ぐ重要な存在であることを強く実感した。
• 個人としての資産形成と資産運用ビジネスの社会的な役割について深く学ぶ機会となりました。人生を楽しむための選択肢を広げるため、長期的な資産形成に取り組みたいです。
• 資産運用の仕組みだけでなく、NISAやiDeCoといった制度の進化や利用状況について具体的なデータやグラフで学べたことで、実際に投資や資産形成を考える上で現実的な視点を持つことができた。
• 資産運用会社が単なる「お金を増やす」役割だけでなく、企業への資金供給やエンゲージメントを通じて、より良い社会や環境づくりに貢献する「責任ある投資家」としての側面を持つという点が新鮮だった。

京都大学経営管理大学院 幸田博人 特別教授教授
「個々人の資産形成が社会との繋がりを作る上で重要である」

未来をはぐくむ研究所では、個人の資産形成やファイナンシャル・ウェルビーイングをサポートすべく、これからも出張講座をはじめとした各種取り組みを進めてまいります。