アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所

上智大学で「資産運用とファイナンシャル・ウェルビーイング」をテーマとした出張講座を実施!

2025/07/14

アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所長の伊藤雅子とリサーチ・エンゲージメント部の寺沢徹は、上智大学 引間雅史特任教授の担当講義「ESG概論」で、「資産運用とファイナンシャル・ウェルビーイング」をテーマとした出張講座を実施し、約70名の学生が参加しました。

オープンな雇用コミュニティの重要性

主な講義内容は以下の通りです。

〇 主な内容

  1. 資産運用が欠かせない時代
  2. これからの「いい会社」を見極めるポイント
  3. あなたのファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するために

オープンな雇用コミュニティの重要性

 

研究所長の伊藤からは、資産運用の重要性やファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するために、学生のうちから取り組むことができる内容をお伝えしました。
エグゼクティブESGアドバイザーの寺沢からは、『これからの「いい会社」を見極めるポイント』として、「ダイバーシティ(多様性)」の重要性を一貫して強調しました。
従来型の日本の雇用コミュニティは、メンバーが替わらない囲い込み型であり、組織の価値観が固定化されているため、外部から新しい価値観が入りにくい状況にありました。その結果、変化の激しい時代において、企業も従業員も変化に柔軟に対応しきれなかったことが、「失われた30年」と呼ばれる日本の長期停滞が続いた要因の一つであると説明しました。
変化に柔軟に対応し、予期せぬショックに対する強靱性を高めるためには、多様な個人やチーム・組織が活性化されている、メンバーの出入りがあるオープンな雇用コミュニティが求められるとお伝えしました。
その上で、ダイバーシティ経営が進んでいる国内企業の取り組み事例などを紹介しました。

また、アセットマネジメントOneのエンゲージメント活動(目的を持った企業との建設的な対話)について、「どのような観点からエンゲージメントの対象企業を選定していてるのか」、「企業ごとに、どのように対話のテーマ(エンゲージメント課題)を選んでいるのか」など、現場の視点から説明しました。講義後は多くの学生から質問が寄せられ、関心の高さが感じられました。

学生の皆さんのコメントを紹介

受講した学生の皆さんよりいただいたコメントの一部を紹介します。

  • 最も印象に残ったことは、「出入りがあるオープンコミュニティ」でした。まず、人的資本において、 「出入りがあるオープンコミュニティ」という考え方は、理論としては理解できても、実感としてはまだ遠い存在だと感じました。日本では長らく終身雇用を前提とした働き方が主流であり、「組織に属し続けること」が安定や信頼の証とされていたと思います。私自身、その価値観を生きたわけではないものの、親世代がその時代を過ごしてきたことで、無意識に「一つの組織に留まる」ことへの安心感や信頼感を内面化していたように考えられます。だからこそ、私は、「自由に出入りできるオープンな人的ネットワーク」には、可能性と同時に不安も感じます。そこには、自分がいつか必要とされなくなるのではないかというおそれや、つながりが薄くなることへの抵抗感があるのかもしれません。とはいえ、ESGの観点から考えれば、人的資本の価値は一企業の中に閉じるものではなく、より広く、社会全体の中で循環し、高め合っていくものだと学べました。特に、出入り自由なオープンコミュニティは、まさにそうした価値観を具現化する一つの形であり、人的資本を「囲い込む」から「活かし合う」へと転換していくことの重要性を感じました。
  • 資産運用会社がここまできめ細やかに企業ごとに抱える課題に向き合い、ロードマップを示させた上で長期の課題解決への目標を立てさせるのではなく、短期の目標にかみ砕いて実施していることや、毎週会議を行って進捗具合を確認していることに驚きました。議決権を適切に行使されている印象も強く受けました。感情論で動くのではなく、明確な判断基準を公表した上で、企業にも寄り添いつつ、しかし確実に効果も求めている姿勢がすごく素敵だなと思いましたし、本来全ての投資家がこうあるべきだとも強く感じました。
  • 今回の授業のような金融経済教育は、私のように、資産運用に対して持たれがちである「難しい」といったイメージを払拭するにはとても良い機会だと思いました。知らないことが一番の怖い原因であり、知ることが怖さを払拭する一番の方法だと思います。運用会社が積極的に金融リテラシー向上に取り組む姿勢は、社会全体のファイナンシャル・ウェルビーイング向上に貢献するという企業としての責任感ももちろん、日本人がもつ資産運用に対してのハードルを下げることに有効的であると思います。私も自分の将来のために、慌てて運用をはじめるのではなくコツコツと資産運用をしていこうと思いました

引間 雅史特任教授「『投資が社会(課題)にインパクトをもたらす道筋』をよりリアルに実感」

私どもを招いてくれた引間特任教授からもコメントをいただきました。

引間 雅史特任教授「『投資が社会(課題)にインパクトをもたらす道筋』をよりリアルに実感」

引間特任教授(左)、寺沢(右)

このたびは伊藤様、寺沢様に大変貴重な講義をしていただき、ありがとうございました。学生にとっては資産運用会社の最前線で実際にどのようなエンゲージメント活動が行われているのかを知ることで、日頃教室で学んでいる「投資が社会(課題)にインパクトをもたらす道筋」をよりリアルに実感することができたようです。講義後の受講生のコメントを読むと、投資に対する捉え方を含め学生の将来やキャリア形成にも大きく影響を与えるような思考の変化や深化を感じ取ることができます。学生の様々な質問にも丁寧にわかりやすくご回答いただいたことも感謝申し上げます。

未来をはぐくむ研究所では、個人の資産形成やファイナンシャル・ウェルビーイングをサポートすべく、これからも出張講座をはじめとした各種取り組みを進めてまいります。

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