東京女子大学で「資産運用とファイナンシャル・ウェルビーイング」をテーマとした出張講座を実施!
2025/02/14

アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所長の伊藤雅子と研究員の坂内卓は、2024年6月のゼミでの講義に続き、2024年11月に東京女子大学 長谷川克之教授の担当講義「金融論」で、「資産運用とファイナンシャル・ウェルビーイング」をテーマとした出張講座を実施し、41名の学生が参加しました。
主な講義内容は以下の通りです。
〇 主な講義内容
- 資産運用が欠かせない時代
- これからの「いい会社」を見極めるポイント
- ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するために
サステナビリティな取り組みを広く分かりやすく示すことが、消費者のサービス利用意向の拡大に結びつく
講義で特に伝えたかったメッセージは、「投資の力で企業や社会を変えることができる」ということです。
私たち資産運用会社は投資家の代表として企業と「エンゲージメント(建設的な対話)」を行っており、特に、ESG(環境・社会・企業統治)が重要なテーマとなっていることをお話ししました。企業はこのエンゲージメントの内容を経営に活かしていることをお伝えしました。
さらに、資産運用会社によるエンゲージメントなどを踏まえ、ESG課題を認識し、サステナビリティに向けた取り組みを行っている2社の実例を紹介しました。紹介した企業の業種と取り扱ったテーマは以下の通りです。
これらの2社が提供する商品やサービスは、学生が普段から利用しており、広く知られていました。そのため、学生たちは高い関心を持って講義を受けていました。以降では、講義後のアンケートとレポートの内容の一部をご紹介します。
【講義後アンケートより】企業の取り組みの認知度と利用意向について
講義で紹介した取り組みを知っていたか
取り組みを知って、商品を買ってみたいと思うか
※グラフの値は2社の取り組みについて質問した結果を平均した値
講義で紹介した企業の取り組みは、公式ホームページや統合報告書などでも紹介されていますが、学生の認知度は低いものでした。しかし、講義を通してその取り組みを知ったことで、その企業の商品やサービスを使いたいと答える学生が多くいました。学生のサステナビリティに対する関心は高く、企業がその取り組みを広く分かりやすく示すことで、サービスの利用意向が増えると考えられます。
【レポート課題より】サステナビリティ向上に向け、企業に期待したい取り組み
様々な特徴的なコメントがありましたが、企業に期待する取り組みとして多くの学生が挙げた2つの内容を以下にまとめました。
サステナブルな取り組みの情報発信強化
A社とB社の知名度は高く、学生も普段からその企業の商品やサービスを利用していました。また、多くの学生は企業のサステナブルな取り組みに好意的であり、環境に配慮している企業の商品やサービスを利用することで、自分たちも貢献したいと感じています。しかし、その企業がサステナブルな取り組みを行っていることを知るのは、自ら調べない限り難しいというコメントも目立ちました。
社会のサステナビリティ向上のためには、人々が日常生活の中でサステナビリティを感じ、考えることが重要です。そのため、企業が一般消費者に身近な形で取り組みを知る機会を提供し、情報発信をより積極的に行うことを期待するコメントが多く集まりました。
地域社会の活性化への貢献
A社とB社は小売り企業、飲料メーカーとして全国に店舗や販売網を展開しています。また、様々な地域の生産者や工場から商品や原材料を仕入れています。地域社会との連携をさらに促進することで、地域の活性化や地域の消費者との結びつきを強めることを期待するコメントが見られました。そのアイデアの一部をご紹介します。
- 地域の特産品を使用するなど、その地域オリジナルの商品開発やサービス提供を拡充
- 地域の魅力を伝えるワークショップや体験型イベントの開催など、地域密着型の社会貢献活動の推進
- 学校や地域団体と協力し、環境教育や食育プログラムなどの教育プログラムを提供
地域社会への貢献が、社会的信用の向上、ひいては企業価値の向上につながるだろうという声が見られました。
学生からの具体的なアイデアは、企業経営にとっても参考になりうる内容でした。
今後、サステナビリティをテーマに、学生と企業と双方向で意見交換できる場を設けることも、非常に意義深いと考えられます。
未来をはぐくむ研究所では、個人の資産形成やファイナンシャル・ウェルビーイングをサポートすべく、これからも出張講座をはじめとした各種取り組みを進めてまいります。