今般、アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所長の伊藤雅子とリサーチ・エンゲージメントグループのESGアナリスト 矢野節子がタッグを組み、東京女子大学 長谷川克之教授の国際金融論ゼミで「投資と社会のつながり」をテーマとした出張講座を実施し、12名の大学3年生と双方向コミュニケーションを行いました。

「インベストメント・チェーン」を通して持続可能な社会が実現できる

講座は、「インベストメント・チェーン」を理解することからはじまりました。投資家が資金を供給することが企業の中長期的な成長に貢献し、製品やサービスの提供や雇用の創出を促進し、それが私たちにかえってくることでより良い社会を生み出すことができると説明しました。

更に「投資の力」への理解を深めてもらうために、「運用会社のスチュワードシップ活動」について説明しました。運用会社は投資家に代わって株主として議決権を行使する役割を担っていること。運用会社は企業と対話を行いながら企業価値向上を後押しする「エンゲージメント活動（建設的な対話）」を行っていることを実例と共に説明しました。

最後に、「ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現するために」というテーマで、若い学生の皆さんだからこそ、「長い時間をかけて複利効果を大きく享受する」ことが投資では重要であることを説明しました。また、NISAなどの税制優遇制度を最大限に活用することの重要性も伝えました。

講座を通して投資に対する印象がポジティブに変化

講座の最初に、「投資と聞いて思い浮かぶことは何ですか？」と尋ねたところ、「ちょっと怖い」「難しそう」「リスクがある」「儲かるかどうか」「NISA」などの回答があり、マイナスな印象のものも多くみられました。

しかし、講座が終盤まで進んだところで、「企業価値向上のために私たちができることは何ですか？」という別の質問をすると、以下のような意見が出てくるなど、投資と社会のつながりに対する理解が深まり、投資に対する印象がポジティブに変化していく様子がみられました。

• ・個人の貯蓄を投資などに活用して、経済を活性化させる。
• ・経済の状況を勉強して、経済を支える一員として行動する。
• ・企業に投資を行いながら、消費者としての意見を積極的に発信する。

また、講座後のアンケートでもポジティブな変化がみられました。以下は学生の皆さんからいただいたフィードバックの一部です。

• インベストメント・チェーンという言葉について初めて聞いたが、個人の貯蓄をどんどん活用して投資などに使って経済を回していくことが大切だと分かった。
• 運用会社のこと、企業のこと、初めて知ることが多く、とてもためになりました。就活やこれからの人生に役立てていきたいです。ありがとうございました！
• 投資に対して怖いイメージがあったのですが、今回インベストメント・チェーンの仕組みや、いい会社づくり、ダイバーシティの向上のために個人の働きかけも重要な役割であることがわかりました！
• 私は投資に対しての知識がほとんどなかったのですが、とても分かりやすい説明と資料で投資に対してとても興味がわきました。

長谷川克之教授「金融経済教育の初期の段階で、投資と社会とのつながりについて認識することが重要」

東京女子大学　長谷川教授（中央）、アセットマネジメントOne 伊藤（左）、矢野（右）

終了後、私どもをゼミに招いてくれた長谷川克之教授にもお話を伺いました。

－－金融経済教育の課題は？ 課題の一つとして、世の中を良くするという金融の役割に対する認識が不足していることが挙げられます。金融経済教育の初期の段階で、投資と社会とのつながりについて認識することが重要です。投資に対する考え方は、このような教育の影響を受けて大きく変わる可能性があります。

－－大学生が投資を行うことについてどう思われますか？ 早い時期から投資を始めることで、社会とのつながりを考えるモチベーションが高まります。金融は本来、人生を豊かにするためのものであり、投資を通じて社会との関わりを深めることができると思います。

長谷川教授、この度はありがとうございました。
未来をはぐくむ研究所は、個人の資産形成やファイナンシャル・ウェルビーイングをサポートすべく、これからも出張講座をはじめとした各種取り組みを進めてまいります。