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「FAANG2.0」とは?株式市場の新たなトレンドを探る

2022/08/26

ふやす

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ロシアによるウクライナ侵攻や各国の相次ぐ利上げによって、2022年の株式市場は不安定さを増しています。そんな中、新たなトレンドとして「FAANG2.0」に注目が集まっているのをご存じでしょうか?

本記事では、「FAANG2.0とは何か?」、「投資を行う際の注意点」など、投資をする際に知っておきたい情報について解説します。

そもそも「FAANG」とは?

「FAANG2.0」の解説に入る前に、「FAANG」について解説します。「FAANG」とは、アメリカの株式市場に上場しているハイテク銘柄である以下5銘柄の頭文字をとった造語です。

  • Facebook (フェイスブック:現在の社名はMeta Platforms(メタ・プラットフォームズ))
  • Amazon (アマゾン)
  • Apple (アップル)
  • Netflix (ネットフリックス)
  • Google (グーグル:社名はAlphabet(アルファベット))

これらの企業が提供するサービスを一度も利用したことがない、という方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。彼らはその圧倒的な事業規模と成長性で2010年代以降の株式市場を牽引し、2020年のコロナショック以降も急激な株価上昇を続けました。

【FAANGおよびS&P500のパフォーマンス(~2021年)】

FAANGおよびS&Pのパフォーマンス(~2021年)

出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成

※期間:2012年12月末~2021年12月末(日次)

※2012年12月末時点を100とし指数化

※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

2021年末までの株価の推移をみると、2012年末と比較して45倍以上となったNetflixをはじめ、5銘柄いずれもS&P500と比較してはるかに大きなリターンをあげています。S&P500も該当期間で3倍以上になっているので米国株式全体が好調だった期間だということもできますが、それを差し引いてもこれらの銘柄は大きなリターンをあげ続けてきた銘柄だったといえます。

ところが2022年に入ると、ロシアによるウクライナ侵攻を起因として、人・物の流れの分断、さらには世界的な経済の停滞の懸念が広がりました。さらに、アメリカの金融引締めの懸念が広がると、成長性を見込まれて高値がついていたFAANGにはより強い逆風が吹く形となり株価は大きく下落しました。

【FAANGおよびS&P500のパフォーマンス(2022年)】

FAANGおよびS&Pのパフォーマンス(2022年)

出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成

※期間:2021年12月末~2022年7月末(日次)

※2021年12月末時点を100とし指数化

※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

5銘柄すべての株価が2021年末と比較して下落しており、うちApple以外の4銘柄はS&P500の下落以上に値を下げています。特にNetflixは2021年末と比較して6割以上下落しており、2021年までとは全く異なるトレンドに入っていることが分かります。

「FAANG2.0」とは?

そんな中、2022年に入り、前述のFAANGになぞらえて、アメリカの大手銀行であるバンク・オブ・アメリカが提唱したのが「FAANG2.0」です。2022年以降のトレンドになると予想される分野の頭文字を取った造語で、

  • Fuels(燃料)
  • Aerospace and defense (航空・防衛)
  • Agriculture (農業)
  • Nuclear and renewables (原子力・再生可能エネルギー)
  • Gold, metals, minerals (金・金属・鉱物)

の5つです。IT大手が名を連ねるFAANGとは分野が大きく異なることがわかるかと思います。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけとして、サプライチェーンが分断され、モノを調達するコストが高まっていることを背景に、株式市場が下落する中でこれらの分野の銘柄は存在感を強めています。

【FAANG2.0およびFAANGの対S&P500相対パフォーマンス(2022年)】

FAANG2.0およびFAANGの対S&P500総体のパフォーマンス(2022年)

出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成

※各分野の主要ETFとS&P500の騰落率の差を表示

※期間:2021年12月末~2022年7月末

※上記は過去の情報であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

元祖「FAANG」が大きく下落するのとは対照的に、「FAANG2.0」は5分野いずれもS&P500と比較して相対的に高いパフォーマンスをあげています。特に燃料分野は、資源価格の上昇を背景に2021年12月末と比較してS&P500より50%以上上昇しており、不安定な世界情勢を特に色濃く反映しているといえます。

投資を行う際の注意点

ここまで「FAANG」、そして「FAANG2.0」について解説してきましたが、当然ながら投資の世界に「唯一の正解」はありません。「FAANG」、「FAANG2.0」いずれも、あくまでトレンドとなっている銘柄群・分野を指す用語であり、永続的に高いリターンが見込める保証は決してありません。特に長期投資を行う場合には10年以上のスパンで上昇が見込める資産に投資するというのが基本的な考え方になるため、過去のパフォーマンスを鵜吞みにして資産の大半を投じるのはリスクが大きい行動といえます。

ただし、同じ「株式」でも、業種によって好調期・停滞期が異なることは言えるかと思います。したがって、投資を行う際には、投資期間や出口戦略、取れるリスクをご自身の中で明確にしたうえで、こうしたトレンドに資産の一部を投資してみる、というのは、戦略として有意義と筆者は考えます。本記事が皆さまの投資判断の一助となれば幸いです。

※本記事における個別銘柄の記載は売買を推奨するものではありません。

※S&P 500種指数は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCまたはその関連会社の商品であり、これを利用するライセンスが委託会社に付与されています。 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLCまたはその関連会社は、いかなる指数の資産クラスまたは市場セクターを正確に代表する能力に関して、明示または黙示を問わずいかなる表明または保証もしません。また、S&P 500種指数のいかなる過誤、遺漏、または中断に対しても一切責任を負いません。

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