インパクト投資

当社のサステナブル投資体系では、インパクト投資を主に経済的リターンの創出を目的とし、ポジティブなサステナビリティ・アウトカムの達成に向けて、投資行動(投資決定、スチュワードシップ活動など)を通じて意図的に投資先企業の評価可能な行動変容をもたらす投資と定義しています。
これを実践するために、投資家はどのような環境・社会課題解決にアプローチするのかという「意図」を表明すること、投資先を通じて、環境・社会課題解決への「貢献」を行うこと、投資先を通じて生み出された環境・社会への効果を「計測」することが求められます。

インパクト投資におけるマテリアリティ・マップの活用

インパクト投資においては、的確な環境・社会課題の把握とその解決策への理解が不可欠です。当社独自のマテリアリティ・マップをインパクト投資のフレームワークと連動させ、テーマの特定から銘柄選定、エンゲージメント、インパクト評価までを一貫して実施することで、投資リターンと環境・社会へのポジティブ・インパクトの最大化を目指します。

インパクト投資の設定にあたっては、マテリアリティ・マップにおいて特定された、以下の3つのフォーカスエリアを活用しています。

  • 気候変動
  • 生物多様性と環境破壊
  • 人権と健康、ウェルビーイング

加えて、日本固有の社会課題である「少子高齢化と地方創生」をインパクトテーマとして設定。これらのテーマに沿って、企業の事業内容が環境・社会課題の解決にどのように貢献し得るかを分析しています。

フォーカスエリアと日本固有の課題

銘柄選定においては、社内で策定した「インパクトビジネス判定基準」に基づき、企業の事業がインパクトテーマに整合しているかを評価しています。判定基準は、マ テリアリティ・マップの各項目と連動しており、以下の観点から分析を行います。

  • マテリアリティの説明(課題の背景・規模)
  • 原因・対応策(科学的根拠や政策動向)
  • 課題解決に貢献し得る製品・サービス

例えば、気候変動(輸送)に関しては、輸送部門が世界のCO2排出量の約23%(2019年時点)※を占めるという現状に基づき、EVや鉄道へのモーダルシフトなど、GHG排出量削減に貢献する事業を評価対象としています。評価は、ベンチマーク(ガソリン車)との比較により、定量的なインパクトを測定します。
このような判定項目を各マテリアリティに対して設定し、インパクトビジネススコアを算出。一定以上のスコアを有する銘柄をポートフォリオに組入れています。投資後は、企業との対話(エンゲージメント)を通じて、インパクトの向上を促進しています。具体的には、事業の社会的価値の明確化、インパクト指標の開示、課題への対応状況の確認などを行い、企業の持続可能性向上に寄与することを目指してい ます。当戦略では、マテリアリティ・マップを起点とした調査・分析を通じて、インパクト投資の透明性と一貫性を確保しており、今後も評価基準の精緻化とインパクト測定手法の高度化を進めていく予定です。

  • 出所:IPCC AR6 WG3 Chapter10

インパクト投資フレームワーク

当社では、「インパクト投資」の戦略立案及び実施にあたって、インパクト投資の特徴である「ポジティブで計測可能な環境的・社会的インパクト」の目標設定と評価・報告を主な目的とした「インパクト投資フレームワーク」を策定しました。「環境的・社会的インパクト」とは、事業活動や製品・サービスの供給の結果として生じた環境的・社会的効果のことを指します。当社では、投資先企業を通じた正のインパクト創出と負のインパクト抑制を意図して、国内外のガイドライン等を参考に、下図の「投資戦略」「銘柄選定」「エンゲージメント」「レポーティング」の各段階においてインパクトを考慮しています。