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株式のプロはどうやって銘柄を選ぶ?企業分析のポイントをご紹介

2021/01/15

ふやす

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投資信託のなかでも、市場平均より高い投資リターンを目指す株式アクティブファンド。担当ファンドマネジャーは、多くの銘柄から選んで投資をしていますが、どのような観点から銘柄を選んでいるのでしょうか。今回はその一例をご紹介します。みなさんの株式投資のヒントにもなれば幸いです。

株式アクティブファンドの主な区分

「株式アクティブファンド」もいくつかのスタイルがあり、主なものとして高成長企業に投資する「成長株投資(グロース株投資)」、割安に放置されている企業に投資する「割安株投資(バリュー株投資)」、ある一定のテーマに沿った企業に投資する「テーマ株投資」、企業規模が小さい企業から選んで投資する「小型株投資」などに分類されます。また、こうしたスタイルを複数組み合わせたものや、特定のスタイルには分類されないファンドマネジャーの裁量が比較的強い投資スタイルなどもあります。 ただし、このように投資手法が様々であっても、程度の差はありますが、ファンドマネジャーは企業分析を行っています。(注:なお、割安株投資のファンドでは定量的データの活用やクオンツ手法の活用もあり企業分析の比重が相対的に低いファンドもあります。)

企業分析のポイント~定性分析と定量分析

企業分析の進め方に決まりは無く、運用会社によって、あるいはファンドマネジャーによってやり方は様々かもしれません。そうであるからこそアクティブファンドの運用成績に違いが出てくるわけですが、それでも教科書的な進め方は存在します。
まず企業分析の大きな目的の一つは、「投資企業の業績予想を行うこと」です。成長株投資では企業収益が拡大しているか、割安株投資では企業収益がどの程度安定しているか、などがカギになります。そのためには企業が何を売って売上を上げているのか、その利幅がどれくらいか、など企業の基本的情報を把握し、可能であれば数年分の業績予想を行います。
企業の強み・弱みを分析するうえで経営学上ポピュラーな手法として「ファイブフォース分析」というものがあります。詳細な説明は割愛しますが、これは①買い手の交渉力、②売り手の交渉力、③競合他社、④新規参入、⑤代替品、の5つの観点から企業が置かれている状況を分析する手法です。「成長株投資」においては、ファイブフォース分析を行ったうえで同業他社に比べ競争力が高く、その競争力が持続する企業に投資することが重要になります。このような企業は売上高や利益が成長し続ける可能性が高く、高い株式リターンが期待できます。類似した手法に「SWOT分析」などもあります。

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これらの数字を使わない「定性分析」の他に、数字を使う「定量分析」も行います。一般的には、「売上高営業利益率」や「ROE(自己資本利益率)」「ROA(総資産利益率)」が同業他社に比べ高い企業は高く評価していいと考えられます。
これらは企業の絶対評価手法ですが、株価と利益成長力を比較する定量分析手法としてはPER(株価収益率)やPEGレシオ*1などを活用します。一方、「割安株投資」ではPBR(株価純資産倍率)やD/Eレシオ*2など、株価の売られ具合や企業の安全性に関する定量データを活用します。

※1…PER÷1株当たり利益成長率。例えばPER20倍で利益成長率が40%の場合、0.5倍と計算される。(値が低い方が割安。)
※2…負債資本倍率。有利子負債÷自己資本

最も難しい投資スタイルは…成長株投資?

ご紹介した中でも、「成長株投資」は最も難しい(労力が必要な)投資スタイルと言えるかもしれません。この投資手法は企業が成長を続けている間は持っているだけで株価も上昇する傾向がありますが、その成長力の源泉が変わっていないか、成長力の上限が近づいていないか、競争環境が変わっていないか、を常に考えておく必要があります。このような企業が成長力鈍化の局面に至った時に、株価は大きく下落することになりかねません。成長初期の企業よりも成長で大きくなった企業にこそ、このような状況に陥っていないか、前述のファイブフォース分析で継続的にチェックしていくことが重要です。

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独自の分析手法を目指す?

企業分析は一企業あたりへの質を高めることも重要ですが、同時に分析する企業数を増やす、つまり量を増やすことが必要となり、そのためには見るポイント、データを絞っていくことが重要になります。注目した銘柄が上がるか下がるかを正確に見極める手法や、大きく上がる可能性がある銘柄を幅広にチェックする手法など、それぞれの目的に適した分析手法を選ぶ必要があります。まずは自分の目指す投資スタイル、投資成果を再確認し、逆算で企業分析スタイルを確立するのも一つのやり方かもしれません。

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