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議決権とは?ファンドはどのように権利行使している?

2022/01/05

知恵のハコ

低金利環境の長期化に伴い、株式投資をされている投資家も少なくないでしょう。配当金や株主優待が目当てという方も多いとは思いますが、株主には株主総会での決議事項について投票する「議決権」をはじめ、さまざまな権利が与えられます。今回はファンドの「議決権」や株主優待の扱いについて説明していきます。また、株主優待の意外と知られていない事実についても触れていますので、最後までお読みいただけますと幸いです。

議決権とは?

議決権とは、株主総会で投票を行うことができる権利のことです。 一般的に決算日から45日以内に決算内容が発表され、3ヵ月以内に株主総会が開催されます。そして、決算発表から株主総会の間に、株主に株主総会の議決権行使書が郵送され、株主は議決権を行使します。株主が企業を牽制できる場は、基本的に株主総会のみです。株主総会では、会社の運営や資産の使い方などの重要な事案が決められます。このとき、事案に対して議決権を持つ人が賛成、反対の票を入れますが、票の数は1人1票ではなく、株の保有数に応じて決まります。
3分の1超を保有していると、重要事項の特別決議を拒否できます。2分の1超で取締役の選任・解任などによる経営権の取得が可能で、3分の2超あれば会社の経営や事業を規定する定款を変更することができ、議決権を通じて会社の経営を左右することも可能です。

ファンドにおける議決権の処理フロー

ファンドが保有している株式に付帯する議決権については、運用会社が代表して権利行使を行うことになっており、受益者に議決権はありません。
株式ファンドの規模によっては、かなりの議決権を有することもあり、その投票行動が企業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。このため、海外ではファンドは「物言う投資家」としてその行動が注目されています。

多くの運用会社は、「議決権行使のガイドライン(基本方針)」をホームページで公開しています。

(ご参考)当社の議決権行使における考え方等について

また、運用会社によっては保有銘柄ごとの「議決権行使結果」をホームページなどで公表しています。さらに個別の企業ごとだけではなく、剰余金処分、取締役選解任、役員報酬額改定などの議案ごとの集計を公表しているところもあります。

運用会社の議決権の行使状況については投資信託協会がアンケートを実施しており、「議決権行使状況についてのアンケート結果」として協会のHPで公表しています。
(ご参考)日本版スチュワードシップ・コードに関するアンケート調査結果

議決権行使助言会社とは?ファンドとの関係は?

保有している銘柄の議決権行使に関して助言を行う会社のことを“議決権行使助言会社”といいます。 企業が株主総会で提出する議案を分析し、賛否を機関投資家に助言します。また、取締役会の構成や株式持ち合いについて議決権行使の方針を開示しています。多くの企業に投資する機関投資家は詳しく議案の内容を検討する時間がないため、助言会社が作成するリポートを参考に、または推奨に従って議決権を行使しています。米国のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)やグラスルイスなどが知られています。

投資信託の株主優待は誰のもの?

日本企業独特の株主還元策として、持ち株数に応じて企業の自社製品や優待券などを受け取れる「株主優待」という制度があります。企業の知名度向上や個人株主の安定化を目的に上場企業の多くが導入しています。
個人投資家の場合は株主優待などの特典を受け取って、得をした気分を味わうことができると思いますが、ファンドの場合、配当金や株主優待はいったい誰が受け取っているのでしょうか。

投資信託では、投資家のみなさまからお預かりした信託財産は資産管理専門の銀行が保管・管理を行っています。会社四季報などで大株主を確認すると、日本マスタートラスト信託銀行、日本カストディ銀行を目にすることがあるでしょう。実はこうした資産管理専門の銀行が決済業務、有価証券の保管、残⾼管理、配当の受け⼊れなどを⼿掛けています。したがって、株主優待を受け取る権利は、株式の名義人である資産管理専門の銀行にあります。

株主優待物の処理については、基本的に金券、優待券など容易に換金できるものは原則換金し、信託財産に繰り入れることとなっています。つまり、換金できる優待物はできるだけ換金をして、基準価額に反映しています。

最後に

株式や投資信託に関心がない方でも株主優待の航空券、新幹線チケット、百貨店共通券が金券ショップで流通しているのはご存じだと思います。実は資産管理専門の銀行がこうした⾦券ショップへの大口の供給者となっているのです。筆者はあくまで個人レベルで売買しているものが流通しているのだろうと考えていたので、資産管理専門の銀行がこうした金券の安定供給に一役買っていると知り、驚きました。
資産管理専門の銀行が思わぬところで私たちのささやかな節約に貢献しているとは、なんだか面白いですね。

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