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「マザーファンド」ってなに?

マザーファンドという言葉の意味を知りたいあなたは、既に投資信託についてかなり調べているのではないでしょうか。マザーファンドとは、「ファミリーファンド方式」という運用方法で登場するファンドです。こちらの図をご覧ください。

<ファミリーファンド図><ファミリーファンド図>

そもそも、ファンドとは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品」(一般社団法人投信協会ウェブサイトより)です。ファミリーファンド方式では、皆さんのからお金を集めたいくつかのファンドの資金を主ににマザーファンドに集めて、マザーファンドで有価証券を売買します。みなさんが購入するファンドのことをベビーファンドと呼びます。(ちなみに、ファミリーファンド方式を取らずに単体のファンドで直接株式や債券を売ったり買ったりする方式を「直投(じきとう)」と呼んだりもします。)

なぜファミリーファンド方式は存在するのでしょうか。それは、運用手法の全く同じファンドが別々に同じ取引をするよりも、1つのマザーファンドにお金を集めて一度に売買し、その結果を各ベビーファンドに分けるほうが効率的な運用ができるからです。効率的、というのはつまり、ファンドの管理コストや、銘柄の売買時に証券会社に支払う売買委託手数料などを節約できる可能性が高いということです(まとめて買うと少しお得になる、という現象は投資の世界でも起きるのです)。

ファミリーファンドの典型的な活用例は、プロ向け商品との合同運用です。運用会社は、年金基金などプロ(機関投資家:保険会社や年金などの大口投資家)向けの商品と同じ運用手法の商品を個人のお客さまにも提供することがあります。その場合にファミリーファンド方式が使われます。
多くのインデックスファンドもマザーファンド経由で投資をしています。

<合同運用図><合同運用図>

個人投資家・機関投資家の資金が集まるマザーファンドは何千億円というお金を運用していることもあります。インデックスファンドのマザーファンドが大きいと、良いことがあります。トラッキングエラーが小さくなるのです。マザーファンドが大きいほど、連動を目指す指数により近い組入状況を再現できるため、指数からのかい離幅が小さくなるためです。つまり、マザーファンドの大きさはインデックスファンドの運用の質に直結しているとも言えます。

マザーファンドは、投資信託という仕組み(小さなお金を集めて大きな投資をし、その成果をみんなで分けあう)のメリットをさらに活用した仕組みだと言えるでしょう。