Produced by
アセットマネジメントOne株式会社

わらしべ瓦版わらしべ瓦版

おカネの健康を考えるウェブマガジン

アセットマネジメントOne

世界で拡がるシェアリングエコノミー

2018/09/28

つかう

アセットマネジメントOneのfacebook

アセットマネジメントOneのfacebook

最近は「シェア」という言葉があちこちで聞かれます。これまでは他人に認められるために家、車などを所有することにある種の価値観など見出したりしていましたが、近年、モノの所有に対する考え方が少しずつ変化しつつあります。周りを見渡すとモノであふれている現代社会において、欧米を中心とする先進国でこのトレンドは顕著になってきています。例えば、米国ではミレニアルズ世代と言われる1980年代~90年代に生まれた20代~30代の若者を中心に、従来のようにモノを所有することにこだわることなく、皆でシェア(共有)して利用するという新たな価値観に基づいたサービスが続々と登場しています。

今回はこの「シェア(共有)」によって拡大している新たな経済の動きについてご紹介していきたいと思います。まず、「シェアリングエコノミー」の定義ですが、内閣官房シェアリングエコノミー促進室では、「個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人なども利用可能とする経済活性化活動」と説明しています。これまでは、一度読んだ本などを古本屋に行って買い取ってもらい、それを気に入った人が古本屋から購入するなど、古本屋が仲介役となっていましたが、シェアリングエコノミーではインターネットが売買するスペース(プラットフォーム)を提供する仲介役を担います。皆さまの中には、「シェアリングエコノミー」という言葉は知らなくても既にそのサービスを利用されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

シェアリングエコノミーの代表的なサービス

インターネットやスマホの普及により、このシェアリングエコノミーはさまざまなところで広がっていますが、その大きな特徴の一つとして、誰でも好きな時にモノ・サービスのちょっとした提供者となることができることです。ある程度お金を稼ぐことができるようになれば、将来的に働き方が変わる可能性もあります。また、提供できるシェアリングエコノミーのサービスはさまざまで、大きく分けて「空間」、「移動」、「モノ」、「スキル」、「お金」の5つに関するものがあります。

シェアの対象主なモノ・サービス
空間 空き家、別荘、駐車場
移動 カーシェア、ライドシェア
モノ フリーマーケット、レンタル
スキル 育児、介護、家事代行
お金 クラウドファンディング
出所:総務省「平成30年版情報通信白書」をもとにアセットマネジメントOne作成

次にシェアの対象となっているモノ・サービスの具体例を見ていきたいと思います。

1.空間のシェアサービス

代表的なものに自宅の空き部屋を活用するシェアサービスがあります。具体的には、自宅の空き部屋などを有効活用したい人とホテル・旅館よりも安く宿泊したい人を仲介するサービスです(法律の制定上の趣旨は日本人との交流等が目的とされ、低価格は目的となっていません)。日本では民泊ビジネスにあたりますが、年間営業日数の制限など依然としてさまざまな障害があるものの、訪日外国人の増加に伴う宿泊施設不足の解決策として、ホームシェアサービスの拡大が期待されています。

2.移動のシェアサービス

所有する車を有効活用したい提供者となるべく安く車を借りたい利用者がシェアするカーシェアが代表的な例です。カーシェアがある程度拡がりをみせている一方、運転している車の後部座席などの空きシートを提供する代わりに同乗者からサービス料を得るライドシェアのサービスは、日本では法令上の壁が高く、一部の自治体を除きまだ拡がっていないのが現状です。しかしながら、今後は過疎化が進み公共交通機関が十分でない地域や、高齢化で自ら運転ができない人達にとって、有効な移動手段となることが考えられます。

カーシェア

3.モノのシェアサービス

日本の「もったいない」精神をうまく活用したモノのシェアサービスの代表的なものにフリマアプリがあります。フリーマーケットは、対面が基本の取引ですが、使わなくなったモノを処分したい提供者と、欲しいものを安く手に入れたい購入者がスマホのアプリを介して不特定多数の個人間でモノをシェアすることで対面することなく取引を成立させるサービスです。

カーシェア

4.スキルのシェアサービス

例えば、家事、育児を始めとした日々の用事を、時間などに余裕がある提供者と余裕がない利用者がスキルや知識をシェアするサービスです。しかし、家事代行や育児のサポートなどは安心して任せられることが大前提なので、提供者・利用者がご近所や顔見知りであるほうが良いなど、今のところは昔からの近所付き合いでのちょっとした手助けの延長線上のサービスに近いのかもしれません。今後シェアサービスに対する信頼が確立されれば、高度なスキル・技術を要するサービスのシェアにも発展していくかもしれません。

5.お金のシェアサービス

特定の目的、モノ・サービスの提供を念頭にインターネットで投資を募るクラウドファンディングがお金のシェアサービスの代表例です。近年では、地震などでの被災者支援を目的として支援金を募ったり、ふるさと納税を活用してクラウドファンディングを行ったり拡がりを見せています。

シェアリングエコノミーの今後の展望

シェアリングエコノミーの具体例をいくつか見てきましたが、日本ではシェアすることに対する根強い抵抗感や、法令のハードルなどもありシェアリングエコノミーの拡がりには時間がかかることが予想されます。一方、「情報通信白書(平成27年版)」では世界のシェアリングエコノミーの市場規模は、2013年の150億米ドルから2025年には3,350億米ドルに急成長することが見込まれています。今後は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催による訪日外国人の大幅な増加が起爆剤となり、日本でも民泊やライドシェアなどのシェアエコノミーへの需要は高まっていくことでしょう。

出所:総務省「情報通信白書(平成27年版)」などの情報をもとにアセットマネジメントOne作成

■合わせて読みたい3つの記事

【Facebook】
米国株市場のポイント「瞬解!3行まとめ」を毎営業日配信!お役立ちマネーコラムも
↓下のボタンからフォローをお願いします

わらしべ瓦版を
Facebookでフォローする

わらしべ瓦版をFacebookでフォローする