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ベトナムってどんな国?高い経済成長を続けるパワーとは

2019/07/23

知恵のハコ

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投資の対象国として注目をされる「新興国」。新興国とは、先進国のような経済が成熟した国と比べ、現在も大きく経済成長を続けている国のことを指します。世界中のさまざまな場所に点在する新興国ですが、今回は、アジアの新興国の中でも急激な経済成長を続けるベトナムについてご紹介します。

ベトナムとは

ベトナム(正式名称:ベトナム社会主義共和国)は東南アジアに位置し、面積32万9,241平方キロメートルで日本の9割程度の国土に約9,600万人(世界15位)の人々が暮らしています。南北に伸びるチュオンソン山脈に沿って広がっており、南は赤道近くまで伸びているため一年中暑い熱帯性気候下にあります。ベトナムではこの地形や気候を利用して、米やコーヒー豆、コショウ、サトウキビの生産が盛んに行われています。ベトナムの米の生産量は世界第5位(2017年)で、多くの郷土料理に使われています。ライスペーパーでエビや野菜などを包んだ生春巻きや米粉でできた麺料理のフォーなどが有名で、皆さまも一度は食べたことがあるのではないでしょうか。

フォー(画像)
フォーはヘルシー料理として特に女子に人気

ベトナム料理(画像)
ベトナム料理としては揚げ春巻きより生春巻きが有名

現在のベトナムは中国、フランスの支配を受けたのち、ベトナム戦争終結後、1976年にベトナム社会主義共和国として誕生しました。多くの国の文化が入り混じったその街並みを見るために、毎年日本から多くの観光客がベトナムを訪れています。ベトナム最大都市のホーチミンは東洋のパリと言われており、フランス統治時代のなごりが残る美しい街並みを堪能することができます。また、近年ではリゾート地のダナンが旅行先として人気急上昇中と各地で開発がどんどんと進んでいます。

ホーチミン人民委員会庁舎(画像)
ホーチミン人民委員会庁舎

リゾートホテル(画像)
ダナンには豪華なリゾートホテルも多く存在する

成長し続けるベトナム経済

観光業が盛んなベトナムは、近年急激な経済成長を継続的に遂げています。
ベトナムの2018年のGDP成長率は7.1%、アジア圏ではカンボジアに次いで第2位の成長率を記録しました。日本の0.8%、アメリカの 2.9%、中国の 6.6%と比較しても急激な経済成長を遂げていることがわかります。また、ベトナムの経済成長はここ10年ほど失速することなく続いており、IMF(国際通貨基金)によると、2024年にはベトナムの名目GDPは3,900億米ドルにまで達すると予測されています。高い経済成長を遂げているASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国のなかでもベトナムの存在はひときわ目立っており、1995年に正式加盟してから二度ASEAN議長国を務め、2013年には国連人権理事会理事国に選出されました。

【2018年GDP成長率ランキング】

順位国名GDP成長率(%)
1 リビア 17.9
2 ルワンダ 8.6
3 バングラデシュ 7.7
4 エチオピア 7.7
5 コートジボワール 7.4
6 カンボジア 7.3
7 ベトナム 7.1
8 インド 7.1
18 中国 6.6
108 米国 2.9
167 日本 0.8

※一部の国では予測値を含む場合があります。
出所:IMF「World Economic Outlook Database, April 2019」のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

【ベトナムの名目GDPの推移】
ベトナムの名目GDPの推移(グラフ)

※期間:1980年~2024年(年次)、ただし、2019年以降はIMF予想値
出所:IMF「World Economic Outlook Database, April 2019」のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

ベトナムへの企業進出

ベトナムの経済成長の要因はいったい何なのでしょうか。その理由の一つとして、外国企業のベトナムへの進出が挙げられます。近年多くの企業がベトナムへ進出しています。ベトナムはエネルギーや鉄鉱資源が豊富なため、海外のエネルギー企業が施設を建設し資源の探鉱を行っています。例えば日本の出光興産は、三井化学、クウェート国際石油などと合併事業を立ち上げ、現地に製油所を設け石油化学製品を生産しています。また、近年ベトナムではIT産業も発展してきており、世界中のさまざまなIT企業がベトナムを「オフショア開発」の拠点として選出しています。オフショア開発とは、ソフトウェアの開発などを海外委託・発注することを指します。韓国の大手電子部品会社のサムスンも、ベトナムに研究開発センターを設立しました。

【日経企業(拠点)数の推移】
日経企業(拠点)数の推移(グラフ)

※期間:2008年~2017年(年次)
出所:外務省「海外進出日系企業実態調査(平成30年)」のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

このようにさまざまな企業がベトナムに進出していますが、その主な理由には、ベトナムは体力のある若年層の人口が多く労働人口が豊富であること、近年の発展により人件費が上昇した中国に比べベトナムは雇用コストを安く抑えられることなどが挙げられます。ベトナムでの雇用増加は賃金上昇による個人消費の拡大につながり、さらなる経済成長が期待できます。

【各国の基本給・月給(製造業・作業員)】
各国の基本給・月給(製造業・作業員)(グラフ)

出所:JETRO「2018年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

IMFの推計によると、2018年のベトナムの一人あたりのGDPは2,551米ドルで、家電製品や自動車といった耐久消費財の普及が加速すると言われている3,000米ドルには2021年に到達するとされています。また、IT産業などが進出することにより現地の技術者が増え、将来的なベトナムの産業発展につながると考えられます。

最後に

日本からベトナムまでのフライト時間は約6時間と欧米に比べとても近く、日本人に人気の旅行先となっています。また、ベトナム料理は味はもちろん、野菜を多く使うことからヘルシーと多くの日本人に好まれ、日本にもベトナム料理店が多く存在しています。しかし、その産業や経済について改めて知る機会は意外と少ないのではないのでしょうか。他国についての何気ない知識も、実は投資判断の役に立つのかもしれません。今回の記事で皆さまがベトナムについて興味を持ち、さらに知りたいと思っていただければ幸いです。

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