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副業農家の始め方…販売方法は?どのくらいの収入になる?

2022/06/17

ふやす

SDGsに取り組む第一歩!あわせて収入アップを目指してはいかがでしょうか。本業の傍ら農作物を販売して収入を得る「副業農家」という働き方があります。

季節ごとに農作物の苗や種はホームセンターで購入することができ、プランターでも気軽に育てる品目も多く出回っています。丹精込めて農作物を育ててたくさん収穫し、食べきれない量は販売して収入を得ることが望めます。

販売すると考えると難しい気がしますが、フリーマーケットサイトでものを売るような感覚で手軽に育てた農作物を販売することはできるのでしょうか。農作物の販売許可は必要?販売方法は?販売して利益になるの?といった疑問が多くあると思いますが、本業の傍ら農作物を販売して収入を得る「副業農家」の実態について詳しく探ってみます。

副業農家とは

副業農家とは本業の傍らで育てた農作物を売り、収入を得ることです。「農家」は農林水産省によって以下の様に分類・定義されています。

副業農家の定義

※画像出展:農林水産省

上記を見ると、実は農作物販売金額が年間15万円以上あれば農家に該当することがわかります。そして、「副業的農家」は「販売農家」に属し、経営耕地面積30a以上または農作物販売金額が年間50万円以上、かつ1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家であることが定義のようです。

上記のように、「副業的農家」という定義は存在するものの、私たちが考える「副業農家」とは一致しないようです。また、例えば直売所での販売は直売所ごとの登録要項を満たしていれば農作物を販売することが可能です。このため、農作物の販売をするためには必ずしも農林水産省の定義を満たす必要はありません。最初はあまり売上のことは意識せずに、まずは「育てて売ること」を目標にするとよいでしょう。

ただ、順調に副業農家として収益を重ね、1年間の農業による収入から必要経費を差し引いた利益が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があることには注意してください。

また、開業申請をすることでメリットがあることも知っておいて損はありません。開業申請をして、事業所得として認められていれば、赤字であった場合に本業の給与所得などの所得金額から損失金額を控除することができます。開業申請と同時に青色申告の承認を受け事業所得と認められた場合は、最大65万円の「青色申告特別控除」や家族への給与を経費にできる「青色事業専従者給与」などの利点がありますので必要に応じて申請をすることも良いでしょう。

それでは、ここからは実際に農作物を販売して収入を得るためにはどのようにしたらよいか探ってみたいと思います。

副業農家の始め方は?

副業農家の始め方は?

農作物を育てるためには、耕地が必要です。ですが、はじめから広大な耕地の購入や開拓をすることはとても大変です。農地(耕地)を購入するためには、農地法に基づく申請を市区町村や農業委員会へ行う必要があるため、今回は耕地を購入することなく、気軽に副業農家へチャレンジできる方法をご紹介します。

農業アルバイトをする

農業は慢性的に人材不足で、農業アルバイトには多くの募集があります。農業を始めたことが無い場合は、何をどうしたらよいかわかりません。農家でアルバイトをすることでプロの農法や販売ルートなどを実践的に学ぶことができ、農業を行うために必要なことを理解することができます。

耕地レンタルサービス

・市民農園

地方自治体や市区町村が保有する土地を市民在住者向けに一定期間貸し出しをしており、農業を始めることができる仕組みです。農機具、肥料、種苗、農業設備等は自らで準備しなければなりませんが、レンタルで耕地を確保できることが利点です。
地域や使用開始日によって費用は異なりますが、1区画(約10~20㎡)を年間2,000円程度から借りられるので総じて非常に安価に始めることができます。

・シェア農園

開拓が困難となった耕地をレンタルできるサービスです。市民農園とは異なり、民間企業が運営をしているケースが多く、農機具、肥料、種苗、農業設備等があらかじめ準備されていることに加え、農業講習も行っています。
こちらはさらに価格帯が様々ですが、年会費(10,000円~)が必要な場合もある他、区画費用(3㎡~)が年間60,000円程度からと市民農園よりかなり多くの費用がかかります。その分、農業導入設備が整備されているので、安心して始められることが特徴です。

自ら開拓する

私有地を利用して、自ら開拓をすることになります。農機具、肥料、種苗といったすべてを準備する必要があります。そのためハードルは高めですが、土地代が必要なく、一から始めることで大きな達成感も得ることができそうですね。

農業を始める方法は様々ありますので、家庭菜園から始め、失敗を経験しながら徐々に大きな耕地での栽培にステップアップをして収入につなげていきましょう。

販売ルート

販売ルートの確保も重要です。農作物は、品質や需要と供給のバランスにより価格変動が常に起こります。そのため、複数の販売ルートを使い分けると収入確保がしやすくなります。農林水産省サイトでは、需給、ガイドライン、入荷及び価格の見通し等に関する情報が毎月更新されているので、自ら販売を行う時には販売価格設定の指針にすることができます。

【主な販売ルートと特徴】

販売ルートオンラインショップJAの直売所
概要 定期便販売や農作物販売サービスへ登録し、販売を委託する登録型販売や、一からWebサイトを立ち上げてオンラインショップを運営する販売などの形態がある。 JAが定める一定の品質をクリアした農作物を出荷し、販売を委託する形態。各直売所が定める販売者登録基準を満たせば販売可能。
メリット ・販売価格を自ら決められる。
・中間手数料による減額が少ない。
・購入者との直接的な販売により、リピーターが定着するケースもある。
・卸した農作物は販売の有無にかかわらず、JAがすべて買い取りをしてくれるケースが多いため、収入が安定している。
・販売委託となるため一からの販路開拓の必要がない。
デメリット Webサイトの作成や登録に手間を有する。 農作物の品質分類が厳格に定められており、一定水準を満たした農作物のみしか出荷が認められない。
差引目安 登録型の場合、10~20%の中間手数料が発生 20~40%の中間手数料が発生

副業農家の収入と農作物選びのポイントは?

副業農家での収入は一体どれくらいになるのでしょうか。これは農作物ごとに卸売価格が異なるため、収入を上げるためには育てる農作物選びも重要となります。

品目ごとの生産者の受取金の違い

直売所へ出荷すると生産者の受取金は時期や収穫高の違い等により変化しますが、品目の元値を100%とした時の大体60~80%となります。内訳は、まず卸値が出荷手数料等の差し引きから、品目の元値の98%前後になります。さらに運送・選別・包装等の中間費用を差し引くため、最終的には20%~40%が差し引かれるのです。このように、品目によって収入率が大きく異なることは農作物選びの大きなポイントになると言えます。

【品目別生産者受取収入と収入率】

品目別生産者受取収入と収入率

※上記は過去の情報であり、収入等を保証するものではありません。

出所:「平成29年度食品流通段階価格形成調査」、各種資料のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

耕地面積による収穫量の違い

同じ耕地面積でも品目ごとに収穫量の違いがあります。さらに、同じ品目でも収穫量が変わるため、地域(環境)に適した育てやすい品目を選ぶことも非常に重要です。環境に適した品目がわからないときは、JAの職員や地域のベテラン農家の方に聞きながら育成環境に適した特産物をリサーチするとよいでしょう。
収穫量のデータは一般的に本業農家用の10aあたりのものが公表されていますが、今回は副業として考えやすいように小規模の1㎡へ換算し、比較してみます。

【品目ごとの収穫量と収入の違い】

品目ごとの収穫量と収入の違い

※収穫量は令和2年のデータ

※上記は過去の情報およびそれに基づく試算であり、収穫量や収入等を保証するものではありません。

出所:「平成29年度食品流通段階価格形成調査」、農林水産省、各種資料のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

気軽に耕地を拡大することが難しい限られた私有地などは、耕地面積が狭くても1苗で多くの収穫量を確保できる果菜類(ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、インゲンマメ、エンドウ等)を育てることが収入を上げるポイントです。
一方、市民農園などの広大な耕地レンタルサービスを使用する場合は根菜類(だいこん、にんじん、ごぼう、じゃがいも等)がおすすめです。土の中で育てるため害虫や風雨に強い特性があり、果菜類に比べて手間を掛けずに収穫量が確保できることから安定した収入が見込めそうです。

副業農家のデメリットとメリットは?

育てる農作物は品目と耕地面積によって様々な組み合わせがあります。本業との兼ね合いも考えながら、環境や耕地面積に合った農作物を選択しましょう。

副業農家のデメリットとメリットは?

メリット

副業農家は趣味の延長線上として、チャレンジしやすい副業です。自然と触れ合うことでストレス発散となり、新鮮な野菜や果実を食べられることも大きな魅力です。農作物を育てることで、フードリテラシーを自然と身に付けられることや、子育て世代には食育のきっかけにつながるメリットもあります。

デメリット

農作物ができるまでには農機具、肥料等、出荷時には運送費用や梱包費用等、さらに設備投資が随時必要です。また、農作物の育成時期、収穫時期が決まっているので、育成具合に合わせて耕地をメンテナンスする必要があります。農作物が育ち売れるまでには長い時間がかかるので根気も必要です。天候不順による不作や価格変動による収益変動リスクも加味しなくてはならず、収益だけを考えるなら「割に合わない」と感じる人も多いでしょう。

どのような人が向いているの?

商品が農作物であるため、日ごろから園芸や菜園に興味がある方はとても向いています。また、収入を得るまでに長期的な目線で考えることを前提とするため、急いで収益化を目指すのではなく、長い目で自然と向き合うこと自体に価値を感じる方も向いていると言えるでしょう。
また、周囲に農業に近しい方がいるというのも、失敗経験やアドバイスを得ることができ、リスクを下げることができるので、意外と重要かもしれません。

逆に、早く収益化を望む人には向いていないと考えます。農作物は環境変化や天候不順により生育状況が毎年異なることから、安定した収益化を達成するためには苦労と蓄積されたノウハウが必要となります。時には台風や大雪から農作物を守るといったことも予想され、自然と向き合える精神力と根気良く付き合えるだけの時間と手間も必要となるでしょう。

一見、副業としては難易度が高いように感じるにもかかわらず、近年大きく注目されているのは、やはり自ら育てた安心できる農作物を食べて、販売するという喜びが本業の癒しとなるからではないかと思います。運動不足の解消や食生活の改善にもつながり、健康にも良さそうです。それにプラスして収入が増えることは嬉しいでことですよね。本業とのバランスを検討しながら、副業農家としてチャレンジしてはいかがでしょうか。

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