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テクニカル分析と投資家の本能

2018/12/21

ふやす

株価を決める2人の主役

株式市場に登場する主役が2人います。1人はもちろん企業です。将来の株価を決めるのは、企業の行動が生み出す利益です。この「企業の行動」を分析するのがファンダメンタルズ分析で、経営環境、企業の競争力、事業計画や利益予想などから企業の価値を導き出す方法です。株価を決めるもう1人の主役は投資家です。刻々と変化する株価を動かしているのは、「投資家の行動」です。投資家は様々な思惑から売買し、その軌跡が凝縮されたのが価格の変化です。価格の変化から投資家の行動に共通するパターンを探るのが、テクニカル分析です。

テクニカル分析の種類

世にテクニカル分析の手法は無数にありますが、実は素材として用いられるデータは、過去の価格や出来高がほぼ全てなのです。この単純な素材を対象に、古今東西の投資家は工夫をして価格の変化を予測してきました。古くは江戸時代、出羽国の相場師本間宗久によって考案された酒田五法があります。世界初の先物市場と言われる米相場で磨かれたローソク足の分析手法で、現代でも信奉者がたくさんいます。現在主流となっているテクニカル分析は、トレンドフォロー系とオシレータ系に大別されます(※下表を参照)。トレンドフォロー分析は、“リーダーに付いて行こう”という「投資家の安心感を求める本能」にフォーカスしています。群れの中で皆が向かう方向に行くことで自然淘汰に生き残った自然界の法則の応用ともいえます。オシレータ分析は、“高い所は怖い”と感じる「投資家の恐怖感を避ける本能」にフォーカスしています。高低差が大きい所で恐怖を感じることで生き残った自然界の法則の応用ともいえます。つまり、テクニカル分析で大切なことは、他の投資家の無意識な行動パターンを見つけ出し、それに先回りして勝とうという発想です。

 トレンドフォロー系オシレータ系
ねらい 価格の上昇トレンド、下降トレンドを見分ける 買われ過ぎ、売られ過ぎを見分ける
背景 価格に先鞭をつける投資家と、その後を追う投資家がいるため、値動きには持続的なトレンドがある 価格が動き始めると、どうしても行き過ぎた上昇や下落があり、そのあと平均的な水準に戻ろうとする
投資家の行動 他の投資家の行動を真似て、後に続くことに安心感を覚えて売買する投資家の存在 過去の価格水準と比べて、乖離幅が大きくなると不安に感じる投資家の存在
代表例 移動平均線、MACDなど RSI、ストキャスティクスなど

テクニカル分析の利用方法

大抵のテクニカル分析は、過去の価格や出来高の四則演算などの組合せで計算するため、エクセルなどを使えば算出できますし、有名な分析方法なら無料のアプリもたくさん出ています。逆に難しいのは、トレンド分析からは買いのサイン、オシレータ分析からは売りのサインが出るなど相反するシグナルがあるときの判断です。残念ながら、これには正解はありません。こうした場合には、ファンダメンタルズ分析はもちろんのこと、テクニカル分析からその時の投資家の支配的な本能を選び取って将来を予測したりしながら、奥が深い投資の世界を楽しまれてはいかがでしょうか。

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