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ネットショップの来た道、ゆく道

2019/06/07

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昨今、ネットショップの売り上げは加速度的に拡大し、利用者の割合も大きく増加しています。サービスはバラエティに富み、利用者がアッと驚くような機能も出てくるようになりました。

一方でまだまだ私たちの買い物の主役は実店舗であるのも事実です。その理由は様々ですが、見て、触って、確かめて買うことの良さが確かに存在します。

今回は、そんなネットショップのリアルな現実と今後の課題をテーマに、当社社員(50代男性)による、体験談をもとにしたネットショップについての考察をご紹介します。


靴を買う。
雨の日に濡れても気にならない合皮やビニール製の靴を買わなければ、雨の日の通勤のたび、1足ずつだめになってしまう。去年、3,980円で買った雨用靴はわずか1年でソールが破れて浸水状態になってしまった。
そんな状況、ひと昔前なら迷わず靴屋に行くだろう。靴は手に取って履いてみなければわからない、と誰もが思っていたのではないだろうか。だが今はネットショップがある。実店舗並みの品ぞろえが一瞬で検索できる。360度に動かせる写真、虫眼鏡のような拡大鏡もついてなんとなく素材感もわかる、モデルが履いて歩いているCM風動画もある。判断材料は十分だ。 なのに、一抹の躊躇がのこる。いままで何十年も、靴にしろ、食料品にしろ、家電にしろ、身の回りの品々は店舗に行って商品を手にし、財布から現金を出して買ってきた。「目の前にないものは真実ではない」という感覚の社会の中で育ってきたせいなのか、とにかく一度靴屋に見に行くことにした。

はじめてネットで買い物をしたのは、たぶんずいぶん前で、amazonがまだ本しか売ってなかった頃、小さな本屋では置いていないであろう専門書を注文したことがある。大きな本屋は電車に乗っていかなければならないし、探すのも面倒で、無ければ注文して、また電車に乗って取りに行かなければならない…。手間と電車賃を考えて、配送料の方がやすいか?、、なんて天秤にかけながら半信半疑で「買う」ボタンを押したような気がする。便利だなぁと感じたのは、1週間後に本が配達され、現実に手に取ったときだった。それまで、半信半疑な気分はずっと続いていた。ほんとに届くのか、購入額と請求額はあってるのか、待ち遠しいなぁというワクワクより、モヤモヤした1週間だった。

そんなことを考えながら地下アーケード街の靴屋に着いた。大手のチェーン店ならではの品揃えだ。ぐるっと店内を1周してみると少し違和感を感じた。女性・男性用は明確にエリア分けされているが、ビジネス、カジュアルの用途別はあいまいに棚ごとに3,980円、5,980円、9,980円などと価格分けで陳列されている。靴屋のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)はこうだっただろうか?値段も1足ごと違ったような気がするが…、ネットショップを意識してのことだろうか?在庫管理の軽減化だろうか?まぁ確かに価格別は探しやすさのひとつだろう。

ともあれ、5分ほど探して目当ての靴を見つけ、近くの若い店員に、
「この靴の26.0はありますか?」と聞くと
「あると思います」と彼は言った。そして、次の質問を促すようにこちらの顔をうかがった。
「あると思います」? 聞き違いだろうか、問い方がおかしかったのだろうか、、、
数秒の間をおき、その店員は、「では、在庫をみてまいります」といってバックヤードへ向かった。
新人なのだろうか?サイズの質問などよくあるはずで、会社はロープレ研修など行わないのだろうか?
5分たっても彼は戻ってこなかった。

*売場のコンセプトに基づき、品揃えや店舗デザイン、陳列方法などを連動させることによって、商品の特徴を視覚的に演出していく販売促進手法。

ショッピング:イメージ

こうなると店舗での買い物もわずらわしい…。
パソコンの前に座りながら、自分のペースで買い物した方が楽かもしれない。今の時代、当日や翌日配達は当たり前、返品も一定期間なら無償である。試着用に複数点送ってくれるサービスもある。検索システムもAI化し、類似品や一緒に欲しそうなもの、価格・色など、ソート機能により、自分のニーズにすり寄ってきてくれる。プラットホームやセキュリティもネットショップ創生期より格段に向上している。街では、ネットショップのロゴの入ったダンボール満載の配達車もよく見かける。これだけ身近で便利になったのなら、さぞかしシェアも拡がっているのかと思いきや、個人の平均年間消費額に対するネットでの平均消費額は2013年15%、2017年17%(※各種資料をもとに算出)と消費の8割以上は今でも実店舗となるようだ。

ネットショッピングのハードルは意外に高い、特に60代以上にとっては…。まずスマホやPCなどのデバイスを購入しなければならず、サービスや店舗によってはアプリのダウンロードも必要。なにより筆者も入り口で感じたような躊躇感や違和感に背中を引っ張られてる方も多いのでは。

①決済手段のセキュリティに不安があるから、
②ネットショッピング事業者の信頼性が低いから、
③実店舗で実物を見たり触ったりしたいから、
④今までネットショップを利用しなくても特に困らなかったから、

上記は、ネットショップを利用しない理由のTOP4(男女40代以上)(※各種資料をもとに算出)。逆に言えば、これらのネガティブ要素が事業者により、クリアされれば、実店舗の販売額をネットショップが上回ることも近い将来におこりうるのではないだろうか。便利と引き換えに日常が無機質にならなければいいのだが…。

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