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奨学金のあれこれ~3つの種類を知り進学に備える~

2019/05/17

かかる

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皆さまは、自分自身またはお子さまが進学する際にどのように資金を調達されましたか? 1990年代は奨学金を利用する大学生は2割台でしたが、学費・生活費の増加に、国内経済成長率の低下等の要因が加わり、最近では5割程度まで広がっています。今後も進学における資金調達手段として重要な役割を果たしていくと思われます。その一方で、現実的には進学がある程度視野に入ってきて奨学金の必要性を感じることが無い限り、奨学金の種類や申込・返済方法等、奨学金制度のあれこれについて知ろうとする機会は少ないのではないでしょうか?そんな奨学金制度について今般ご紹介していきたいと思います。

はじめに、奨学金制度には大きく分けて、「給付型」、「貸与型」、「免除・減免型」の3種類があります。

1.給付型

返還不要の給付奨学金ですが、経済的理由により進学が極めて難しい状況にある人を対象とした制度ですので、採用条件が厳しく、日本ではあまり普及していません。新聞配達員として働くことで奨学金(その他に給与等の支給もあり)が受けられる新聞奨学金制度等もありますが、あくまでも仕事優先の制度なので早朝・夕方などを中心に拘束時間が長く、また、途中退会すると一括返済する必要がある等、注意が必要です。

2.貸与型

返還が必要な貸与奨学金であるため、卒業して一定期間後に返済する必要があります。前述の3種類では、「貸与型」が主流となっています。奨学金制度の中で最も利用者が多い日本学生支援機構(JASSO)には、第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息付)があります。一方、民間ではあしなが育英会(一部給付を含む)等や、一部の私立学校等で貸与奨学金を実施していますが、各団体によって奨学金の採用条件がさまざまなので、事前にご自身が条件にあっているのか一度調べてみることをおすすめします。

3.免除・減免型

入試で優秀な成績を修めた利用者や、在学中に学業・研究だけではなくそれ以外の分野で特に優れた業績を残した利用者、経済的理由がある利用者などに対して、入学金や授業料の一部(全額)が免除になる制度を提供している団体もあります。

申込みについて

例えばJASSOの奨学金制度の場合、高校3年次に進学後に受けとる奨学金を予約する「予約採用」と、進学先の学校を通して申し込む「在学採用」があります。「予約採用」は、進学先が未定でも申込みができ、奨学金を入学後すぐに受け取ることができるため、経済的に安心できるのではないでしょうか。
また、採用に当たっては、各制度において独自の学力基準と家計基準が適用されます。採用基準の厳しさは一般に、給付型>貸与型(無利息)>貸与型(利息付)の順となっていますが、独自の基準を設けている奨学金制度もあるので、気になったら早めに一度情報収集してみることをおすすめします。ちなみに筆者は、在学中に海外研修費として給付型の奨学金を受け取った経験があります。

JASSOの大学区分における学力・家計の基準(2018年度在学採用)と給付金額の例

 学力基準家計基準の目安(4人世帯の場合)給付金額(月額)
給付型 一定の学力要件を満たすこと 住民税(市区町村民税所得割)非課税世帯の生徒(ただし、第一種奨学金の家計基準を満たすこと)など 最大4万円
貸与型(無利息) 申込み時までの高等学校等の成績が5段階評価で平均3.5以上 申込み時の家計収入(年額)が747万円以下 最大6.4万円
貸与型(利息付) ①~③のいずれかに該当すること
①申込時までの高等学校等の成績が学校の平均水準以上であること
②特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められること
③学修に意欲があり学業を確実に修了できる見込みがあると認められること
前年1年間の家計収入が1,100万円以下 最大12万円(一部増額可)

※詳細な基準や給付金額等は記載していません。
出所:日本学生支援機構「奨学金ガイドブック 2018」をもとにアセットマネジメントOne作成

返済について

JASSOの貸与型奨学金制度を利用した場合の返済に関しては、卒業後7か月目から始まります。また、返済方法については、返済完了まで定額で返還する「定額返還方式」と、収入・所得に応じて返還額が変動する「所得連動返還方式」があります。

どれくらいの人が奨学金を利用している?

筆者が学生だった90年代頃は、奨学金を利用している大学生の割合は4、5人に1人と一般的ではありませんでしたが、現在の利用状況について筆者が調べてみたところ、ここ数年では大学生の2人に1人が利用しているなど、奨学金無しでは進学が難しい時代になってきたのかと、この状況に驚きました。

奨学金受給率の推移
奨学金受給率

出所:日本学生支援機構「平成28年度 学生生活調査結果」をもとにアセットマネジメントOne作成

その他の進学資金の調達方法は?

前述の各種奨学金は、どちらかと言えば学生本人が主体となって資金調達する方法でした。一方、学生の保護者等が主体となって教育ローンの活用や資産運用によって進学資金を準備する方法もあります。資産運用に関しては、近年ジュニアNISAが新たにスタートする等、税制面の優遇もあり、投資信託等を活用して将来の教育資金等に備える動きもみられます。しかしながら、目標とする進学資金を準備するには長い年月を要するので、かなり早い時期から計画・準備をしていくことが大切です。

出所:各種資料をもとにアセットマネジメントOne作成

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