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バランスファンドとは?千差万別のバランスファンドを見分ける観点は?

2020/01/17

ふやす

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集中か?バランスか?

投資で成功するには、どのような方法がよいでしょうか?もしもあなたが相場の天才であるならば、今から値上がりすると信じる資産に集中投資することが一番効率的な方法です。もしも天才ではない場合は、リスクのバランスを取りながら分散投資することが投資の王道です。その中でも少額から手軽に分散投資を実現できる早道が、バランスファンド(資産複合型投資信託)の活用です。

バランスファンドとは

バランスファンドは、1つのファンドの中で様々なカテゴリーの金融資産に分散投資を行う投資信託です。一口にバランスファンドといっても、投資対象の範囲や資産毎の組入れ比率の決め方等によって、中身は大きく異なります。そのためバランスファンドは、購入する前にファンドの特徴について良く理解することが大切です。そこに気を付ければ、バランスファンドは効率的に分散投資を行うことを目的とする場合に、ぴったりのツールです。

バランスファンドの比較

ファンドの探し方については、投資信託を買う⑥に詳しくあるように、検索ツールとして投資信託協会モーニングスター社(投資信託の格付け評価等を行っている会社)のHP等があります。例えば投資信託協会のHPで「資産複合型」を検索すると1,308件存在します(2020年1月7日現在)。ここから以下のような観点で条件を絞って比較検討してみてはいかがでしょうか。

バランスファンドの選別方法

① 

投資対象の幅広さ

バランスファンドと一口にいっても、投資対象の幅広さはかなり違います。国内の株式・債券・REITに限定するものから、世界の金融資産やコモディティに広く分散するものまであり、分散効果はファンドによって大きく異なります。

② 

各資産への投資比率の決め方

各資産への投資比率は、固定型と可変型に分けられます。固定型は、市場環境がどの様に変化したとしても定められた投資比率を維持します。可変型は、環境の変化に応じて投資比率を変更していきます。資産別投資比率は、バランスファンドのパフォーマンスと直接結びつく重要な要素です。固定型であれば、その投資比率が将来の市場環境に合うか否かで、パフォーマンスが決まります。可変型であれば、ファンドの投資方針と定量モデルあるいはファンドマネジャー等の判断が問われます。投資家の皆さまにとって重要なポイントは、「なぜ、その投資比率にするのか?」に納得できることです。

③ 

先物を用いる目的

最近では国内投資信託でも、先物を活用したファンドが増えています。先物を活用するケースは、大きく分けて2つあります。1つは少ない証拠金でレバレッジをかけて先物を買建て、ハイリスク・ハイリターンを狙うケースです。もう1つは先物の買建てと売建てを使い分け、レバレッジをかけると同時にヘッジも行い、自由度が高い投資比率によってリスク制御とリターン獲得の両立を狙うケースです。先物を使うファンドならば、どちらを狙っているファンドかを見極めましょう。

シャープレシオの活用

ここでバランスファンドの実績を比較する際の指標となるシャープレシオ(Sharp Ratio)について触れておきましょう。バランスファンドは、リスクを分散して効率的にリターンを獲得することが求められます。その効率を測るための尺度がシャープレシオと呼ばれ、以下のように計算されます。(リスクはファンドのリターンのバラツキを表す標準偏差です)

シャープレシオ(イメージ)

つまりシャープレシオとは、ファンドのリターンのバラツキであるリスクに対して、どれだけのリターンを獲得したかの比率です。シャープレシオが高いほど、分散効果の実績が良かったファンドであると言えます。

進化するバランスファンド

バランスファンドにも歴史があります。ファンドの進化には、二つの流れがあります。まず投資対象の拡大が求められました。当初は素朴に3つか4つの資産に固定した投資比率で配分する、分かり易いファンドから始まりました。しかし市場のグローバル化が進展し、新しい金融商品が活性化すると、投資のフロンティアを求めて新興国を含めた地域への拡張や、REITなど幅広い投資対象に分散できるファンドが導入されました。もう1つの流れは、投資比率の決め方の進化です。当初はファンド設定時の比率を保つ固定型が主体でしたが、ITバブルやリーマンショックなどを経験する過程で、ただ単に高いリターンが獲得できるだけでは不十分とされ、リターンを獲得する過程、とりわけダウンサイドリスク(損失発生)の制御に工夫が凝らされるようになりました。具体的には可変型の資産配分の意思決定プロセスの部分です。近年では、個人向け投信にも機関投資家向けファンドに匹敵するリスク制御用の定量モデルが組み入れられることも珍しくなくなりました。代表的なのはリスクパリティ型といわれ、資産別のリスク量が等しくなるように分散投資を行うものです。さらに最新のファンドでは、資産間のリターン相関性も考慮した高度な統計手法で理想的なリスク分散の実現を目指すものもあります。その他に、予め目標リスクや下値目安の設定をして資産配分を切り替えるファンドや、危険と判断した場合には一時的に現金などに退避する仕組みを持つファンドもあります。

バランスファンド(イメージ)

理想的なバランスファンドとは?

ファンド選びは、投資家が保有する有価証券や不動産など資産全体とのバランスで決まるものです。資産トータルでバランスをとりつつ幅広く分散投資を行い、変化を続ける金融環境にタイムリーに対応していくことができれば理想です。もしバランスファンド単独の運用を考えるならば、投資家ご自身で保有するファンドの見直しを継続するか、または幅広い投資対象で金融市場の変化に対応してリスクが高い資産の比率を調整でき、先物を有効活用して的確なリスク制御を行うことが期待できるバランスファンドにお任せすることも、一つの理想形に近いと言えるでしょう。投資家の皆さまにとって、ファンドの目論見書を読み、上記の観点を確認し、バランスが取れた分散投資という投資戦略に適ったファンドを選ぶことも、投資の醍醐味といえるのではないでしょうか。

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