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モルディブの歴史と環境問題…意外な関係を持つ日本人ができることとは?

2022/02/10

知恵のハコ

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青い海、白い砂浜、水上コテージ・・・モルディブと言えば、リゾートでよく知られた魅力いっぱいの国です。しかし現在、モルディブは深刻な環境問題を抱えていることはご存じでしょうか?今回は、日本とも意外な関係を持つモルディブについて迫ります!

モルディブの基本情報と歴史

モルディブ共和国(通称モルディブ)は、アジアのインド洋にある島国で、インドとスリランカの南西に位置しています。約1,200の島々から成り(うち有人島は約200)、高温多湿の熱帯気候です。首都であるマレは人口密度が世界でもトップクラスといわれており、その密度は年々上昇しています。また一つ一つの島も小さく、ほかの都市のように一つの都市に機能を集中することが出来ません。そのため島ごとに、機能が特定されていることが多く、観光の島・空港の島・ごみの島・囚人の島など、島ごとの役割に特化している場合が多いのも特徴的です。

モルディブの歴史は、16世紀にポルトガル、17世紀にオランダの支配下となった後、1887年にイギリスの保護領となり、スリランカのコロンボにあった総督府から間接的に支配されていました。その後1965年7月26日に主権国家として独立し国連に加盟し、1968年にはスルタン(イスラム国家の君主)による世襲王制を廃止し、共和国となりました。2015年7月には、首都マレにおいて、モルディブ共和国独立50周年記念式典が行われています。

モルディブのGDPは2020年は約37億4,000万ドルで、世界の中では比較的GDPが低い国です。
主産業は観光と水産業で、特に観光はGDPの約20%を占める(2018年時点)主な外貨獲得源ともなっています。毎年、人口を上回る数の観光客が訪れており2018年の観光客は148万人、多い順に中国(28.3万人)、ドイツ(11.7万人)、英国(11.4万人)となっています(日本は4.2万人で第9位)。

面積 298平方キロメートル(全島総計。東京23区の約半分)。1192の島々より成る。
人口 53.4万人。内訳は、モルディブ人37.3万人、外国人16.1万人。(2019年時点、モルディブ政府資料より)
首都 マレ
言語 ディベヒ語
通貨 ルフィア

出所:外務省のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

日本とのつながり

モルディブは1965年に独立し、日本との国交樹立は1967年です。1985年以来、日本はモルディブにとって最大規模の二国間援助供与国となっています。

例えば、1987年から2002年までの15年間にわたってODAが行なった、マレ島の護岸工事支援による防波堤のおかげで、2004年のスマトラ島沖地震の際はマレ島を深刻な被害から守ったという出来事がありました。また、モルディブ政府やモルディブ市民からは、2011年の東日本大震災の際に救援物資として同国の特産品でもあるツナ缶が提供されました。

さらに、過去にはサッカーモルディブ女子代表の監督に、日本サッカー協会から河本菜穂子氏が派遣されるなど、スポーツ部門での日本とのつながりも見られます。河本氏が代表監督就任中には国際試合で初勝利を挙げるなど、目覚ましい躍進を遂げています。

モルディブが抱える深刻な環境問題

モルディブでは、温暖化に伴う海面上昇によって多くの島が水没するおそれがあり、気候変動の脅威にさらされています。島の8割が海抜1メートル以下で、気候変動の影響で2100年までに最大で1メートル余り海面が上昇すると予測されているため、国土の多くが水没する危機にあります。そして島の97%では、すでに海面が上昇した影響で海岸の浸食が始まっていて、砂浜が浸食されてヤシの木などの根がむき出しになり、あちこちで木が倒れるなどの被害も見られています。

これに対して同国政府は、人工の島の開発を進めています。首都マレに近いフルマーレ島は海面の上昇に対応するため海抜2メートルの高さに埋め立てられ、将来的には現在の人口の4割近くが住めるように開発が進められているようです。

また、ごみ問題も深刻です。2019年に太平洋・マリアナ海溝の水深1万メートルの深海でプラスチックごみが発見されたことで、海のプラごみ汚染の深刻さがあらためて浮き彫りになりました。このまま汚染が進むと、2050年の海は魚類よりもプラごみの方が多くなってしまうと見込まれています。

これに対してモルディブ政府は、2025年までに国内全体で使い捨てのプラスチックの使用とビニール袋の輸入を禁止する法律を可決するなどの対策をとっています。

今後の課題と私たちにできる取り組み

モルディブが抱える問題に対してなど、地球環境を守るために私たちにできる取り組みにはどういったものがあるでしょうか。

モルディブでは、プラスチックを減らす取り組みが行われています。モルディブの多くのリゾート地では、朝食で利用されていた個々のバター容器や、ヴィラで利用されていたシャンプーやコンディショナーのボトルなどを詰め替え可能なディスペンサーへ置き換えたり、プラスチック製のストローを自然に分解するものに置き換えたりと工夫されているようです。また、プラスチック製のカードキーが木製のものと取り替えられ、水用のペットボトルも詰め替え可能な金属製もしくはガラス製のものに取り替えられるなど、様々な取り組みが行われています。

モルディブに限ったことではありませんが、今後私たちが旅行先の宿泊施設を利用する際にも、清掃不要サインを出す(または簡易清掃だけにする)、部屋を長時間不在にする際はエアコンや電気を消す、バイキングなどでは食べ切れる量だけお皿に盛る、旅先でもエコバッグを活用する、といった旅行者としてできる取り組みはあります。これら、旅行者としてできることに積極的に取り組み、マナーを守りみんなで気持ちよく青い海を楽しみたいですね。

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