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フィンランド流  環境先進国のサステナブルな取り組みをご紹介

2021/03/22

知恵のハコ

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フィンランドといえば、イメージするのはサンタクロース 、ムーミン、オーロラ、洗練された北欧雑貨などなど、わくわくするものがたくさんあります。
実はフィンランドは環境先進国であり、IT先進国、教育先進国、働き方先進国、さまざまな分野で進んだ国なのです。 今回はそんなフィンランドについて覗いてみたいと思います。

基本情報

面積は日本よりやや小さく、人口は約550万人で、人口密度がとても低い国です。公用語はフィンランド語とスウェーデン語で、長くスウェーデンの支配下にあった時代もあったことから、5%ほどの人がスウェーデン語を話します。フィンランドという国名は実はスウェーデン語です。フィンランド語では「Suomi(スオミ)」といいます。一説には、Suomiには「湖の国」という意味もあると言われていて、その名が表すように、国土の10%を湖が占めています。通貨は、北欧の中で唯一ユーロを導入しています。
フィンランドはまた、2019年に34歳という世界最年少の女性首相が誕生したことでも知られています。フィンランドの教育では平等性を徹底していて、また成績の優劣を争うのではなく個々の能力を伸ばすことを重視しているので、女性や若い人がトップに立つのは珍しいことではありません。

〈フィンランドの基本情報〉

面積 33.8万平方キロメートル
人口 約551万人(2018年12月末時点)
首都 ヘルシンキ(約64万人,2018年1月時点)
公用語 フィンランド語,スウェーデン語(全人口の約5.2%,2018年統計)
宗教 キリスト教(福音ルーテル派,正教会)
通貨 ユーロ

出所:外務省のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

地図

経済・産業

フィンランドは国土の70%を森林、10%を湖が占めています。その豊富な自然資源を活かして、主要な産業は製紙・パルプ・木材といったものですが、ほかには金属・機械産業、情報通信も強みとなっています。近年ではスタートアップ集積地としても注目が集まっていて、日系企業の進出も増えています。主な貿易相手国はドイツやスウェーデンですが、近年日本への輸出量も増加傾向にあり、2017年の製材輸出量のうち日本への輸出は3番目の多さでした。フィンランドの林業は、早くから持続可能(サステナブル)な森林管理を行っており、生態系を保ちながら高品質な森林管理システムを実現しています。
世界銀行のデータによると、フィンランドの2019年のGDPは、約2,693億米ドルと日本の約5.3%程度ですが、一人当たりGDPは約48,783米ドルと日本の約40,247米ドルより高くなっています。

オーロラ(イメージ)
神秘的なオーロラは気まぐれに現れます。

環境先進国フィンランド

フィンランドは環境問題への取り組みが非常に活発です。「世界のSDGs(持続可能な開発目標)達成度ランキング*1」では北欧諸国が上位を占めていますが、2019年および2020年の調査ではフィンランドは2年連続世界3位でした。SDGs以前から持続可能性を意識した対策を行ってきましたが、国土の3分の1が北極圏に位置するフィンランドの人々の危機意識は強く、民間や自治体でもさまざまな対策をしています。たとえば、大手スーパーマーケットでは「ハッピーアワー」というサービスを行ってきました。お酒が安く飲めるのではありません。消費期限の近い生鮮食品を3割引きで販売し、夜9時以降は6割引きになる、というもので、食品ロス削減のための取り組みの一環です。ここ数年は特に、できるだけ動物性由来の食事を避け環境にやさしい自然派由来のメニューを選ぶ人が急増しているようです。廃棄食材だけを使った廃棄ゼロのベジタリアンレストランもあるといいます。

*1 Sustainable Development Report 2020:持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN:Sustainable Development Solutions Network)とベルステルマン財団(Bertelsmann Stiftung)により作成

ヘルシンキ大聖堂(イメージ)
白亜のヘルシンキ大聖堂。短い夏にはこの前で多くの人が日向ぼっこを楽しみます

モビリティ先進国

首都ヘルシンキは、2020年の「世界のスマートシティ・ランキング*2」でシンガポールに次いで2位に選ばれました。スマートシティ化に欠かせないのが、移動の問題です。MaaS(Mobility as a Service=サービスとしてのモビリティ)とは各種交通インフラとAIなどの情報技術とを組み合わせてパッケージ化し、さまざまな交通の課題を解決しようという、フィンランドで生まれた概念です。フィンランドではMaaSアプリが普及していて、欧州4か国でも導入され、日本でも実証実験が開始されています。
MaaSは効率的な移動を実現するだけでなく、交通渋滞の緩和、高齢者や障がいがある人のサポート、環境汚染の軽減などメリットは多くあります。移動手段の80%を自動車に依存していたフィンランドですが、MaaSプラットフォームの運用により、自家用車の利用は減少、公共交通機関の利用は増加したそうです。持続可能なモビリティ社会が実現しているのです。
ヘルシンキの約100km北側にあるラハティ市では、エコな移動手段を選ぶとドリンクチケットやバス乗車券などの報酬がもらえるというアプリを導入しています。特典がある、と思うと積極的に活用したくなりますね。

*2 Smart City Index 2020:IMD(国際経営開発研究所)とシンガポール技術デザイン大学(SUTD)により共同で発表

サウナ(イメージ)
サウナを出たらそのまま湖にどぼん!が定番です。(冬でも!)

最後に

フィンランドの人はシンプルなライフスタイルを好みます。フィンランドについて語られる際に”less is more”(少ない方が豊かである)という言葉が使われることがありますが、贅沢や多くの何かを求めるのではなく、人々は静かな日常の中に楽しみを見つけることに長けています。多くの人が午後4時に仕事を終え、プライベートライフを大事にしています。コロナ以前から在宅勤務3割だったのが、ヨーロッパでもいち早く在宅勤務を促進し、今では省庁を含め7割が在宅勤務といいます。
2021年3月20日には、フィンランドは4年連続で「世界幸福度ランキング*3」世界1位に選ばれたことが発表されました。幸せの尺度が人それぞれなのは言うまでもありませんが、そんなフィンランド流ライフスタイルの中に、そのヒントの一つが隠れているのかもしれませんね。

*3 World Happiness Report 2021:国連の調査機関「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」により発表

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