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信用スコアとは?日本に普及する?中国の現状から展望します!

2020/11/13

知恵のハコ

最近、耳にする機会が多くなった「信用スコア」。名前は知っているけれど、どんなものなのかイマイチよくわからない…と感じている方も多いのではないでしょうか。米国や中国ではすでに信用スコアの活用が進んでおり、これから日本でも普及していくと予想されています。

今回はそんな信用スコアについて、一から解説していきます。

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信用スコアとは?~個人の信用力を数値化~

信用スコアとは、年齢や性別、職業、購買行動など個人に紐づくさまざまなデータを分析し、個人の信用力を数値化したものです。言葉の通り、目に見えない「信用」を数値にして表し、その人の信用力を客観的に判断できるようにしています。

信用スコアは、スコアリングを希望する本人がスコアリングサービスに、自身に関する情報を登録することや、自身の購買情報、SNSの使用履歴などのデータを提供することで算出されます。信用スコア算出に用いるデータや計算過程は、サービスを提供する企業によって異なりますが、これらの情報から、AIや機械学習などの先端技術を活用してスコアの算出がされています。

信用スコアに似た言葉で「信用情報」という、その人が過去に契約したローンの内容や支払い状況などの情報が、クレジットカードやローンなどの契約審査で使われていることをご存知の方は多いのではないでしょうか。信用スコアは、この信用情報と似ているようで少し異なります。

信用情報には、その人の好きなものや、よく買うもの、といったセンシティブな個人情報は含まれませんが、信用スコアには、そういった個人の属性や趣味などの情報も評価対象に含まれます。その点でいえば、信用スコアは、より個人の信用力を精緻に表すといえるでしょう。

“中国”で進む信用スコアの活用

冒頭でも触れましたが、米国や中国ではすでに信用スコアの活用が進んでいます。 特に中国では、信用スコアを活用したサービスがかなり普及しており、特に電子決済サービスのアリペイ(支付宝)で有名なアリババグループの傘下「芝麻信用(セサミクレジット、ジーマ信用)」の信用スコアは事実上、中国の信用スコアの標準として普及しています。ここからは、芝麻信用の信用スコアを例にとって解説していきます。

  • 何が評価される?

    中国はキャッシュレス決済の普及率がかなり高く、なかでも多くの人がアリペイを使用しています。芝麻信用の信用スコアは、そのアリペイの決済記録も、信用評価のためのデータとして活用している点が特徴の一つです。
    このような決済記録も含めて、芝麻信用では以下の5分野が評価の対象とされています。

    ① 身分特質(社会的地位、年齢、学歴、職業など)
    ② 履行能力(過去の支払い状況、資産など)
    ③ 信用歴史(クレジット、取引履歴など)
    ④ 人脈関係(交友関係、相手の身分など)
    ⑤ 行為偏好(消費の特徴など)

    そして、芝麻信用ではこの5分野のデータをもとに5段階で評価されます。

    スコア区分評価
    350~550点 信用較差(やや劣る)
    550~600点 信用中等(まずまず)
    600~650点 信用良好(好ましい)
    650~700点 信用優秀(優れる)
    700~950点 信用極好(極めて良い)

    かなり明確に評価が分かれていますね…
    600点以上のスコアになると、一定の信用力があると判断されるようです。

  • 信用スコアをどう活用?

    これだけの情報を提供するなら、どんなことにスコアが使えるのか気になるところです。
    中国では、信用スコアが高得点の人に向けて、以下のような優遇措置が実施されています。

    <信用スコアの活用例>

    • 金融ローンの金利優遇、審査期限短縮

    • シェアリングサービスやホテルなどの利用時にデポジットの支払い免除

    • 賃貸契約の際に、敷金の支払い免除

    • 雨傘の無料レンタル

    など

    信用スコアが高い人は、信用スコアの活用が進むとかなり生活が便利になるかもしれないですね!

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日本でも普及する?

ここまで中国での信用スコア事情について述べてきましたが、日本でも信用スコアの普及が進んでいるのかどうか気になります。近い未来に自分にも関係してくるかもしれないことなので、今後の動向は知っておきたいところです。

日本では現在、以下のような信用スコアのスコアリングサービスが展開されています。

企業名特徴スコア名称
J.Score
(みずほ銀行・ソフトバンクの共同出資で設立)
AIスコア みずほ銀行が持つ金融取引データやソフトバンクなどが持つ支払いデータ等も分析対象。
セカンドサイド
(新生銀行グループ)
SXスコア 新生銀行グループの顧客データやWeb上のオープンデータなども活用し、個人の金融商品などの購買ニーズ・遅滞・貸倒リスクなどを予測。
LINE Credit LINE Score LINEの利用頻度なども分析対象。スコアに応じてキャンペーンやプレゼントなど。
NTTドコモ ドコモスコアリング ドコモのビッグデータ(携帯料金の支払い履歴など)も分析対象。

(2020年10月現在)

  • 日本初の信用スコアサービス「J.Score」

    日本で初めてAIスコア・レンディングを開始し、話題となったのがみずほ銀行とソフトバンクが出資した「J.Score(ジェイスコア)」です。J.Scoreは個人の属性情報や職業、ライフスタイル、性格、借り入れ状況などの情報をもとに、1000点満点でスコアを算出します。

    J.Scoreが展開するサービスとして、スコアに応じて、借り入れ条件(貸付利率、契約限度額)が決まる「AIスコア・レンディング」と、スコアに応じてランクが決まり、ランクに応じた提携企業の特典を受けることができる「AIスコア・リワード」があります。

  • 日本ではどうなる?

    J.Scoreだけでなく、複数の企業が信用スコアサービスを開始しています。SNSの使用履歴や、支払い履歴など、各社が持つデータを活用した信用スコアサービスなども登場しました。サービスによって評価対象となるデータも、受けられる特典も異なるので注意が必要です。

    中国では、裁判所と情報を共有したり、航空会社や鉄道会社なども信用スコアを活用し始めるなど、広く普及し始めているものの、日本はまだまだ駆け出し段階。個人情報保護の意識が高い日本で、これからどうサービスが広がっていくのかに注目です。

メリット・デメリットを理解した上でサービスを利用することが重要

目に見えない、自身の「信用力」をスコア化しておくことは多くのメリットを生むと考えられます。信用力が高い人は、信用スコアを持っているだけで便利なサービスを利用できたり、特典を受け取ることができたりします。お金を借りる際にも、これまでより有利に、便利に借入できる可能性があります。雇用形態や職業などが重視されてきた従来の与信では金融サービスを受けにくかった若年層やフリーランスなどの人たちも比較的、融資を受けやすくなるということも考えられます。
また、先駆けて信用スコアの活用を始めた中国では信用スコアをあげるために、「不正が減った」、「マナーが向上した」といった社会的なメリットもあったようです。

しかし、個人情報を集約することによる個人情報流出の懸念や、プライバシーの問題など気をつけるべき点もあることを頭に入れておくことが大切です。

以上、信用スコアについて解説いたしました。良い点、気をつけるべき点、どちらもきちんと理解した上で、信用スコアというサービスを上手に利用していきたいものですね。

※当記事における個別企業の記載は銘柄推奨を目的としたものではありません。

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