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PERの役割を考えよう

2018/12/19

知恵のハコ

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皆さまはPERという用語をご存知でしょうか。
これは、現在の株価が企業の利益水準と比べて割安かどうかを判断する指標で、株式投資を行ううえで大変重要な指標のひとつとされています。今回はそんなPERの基礎知識についてお伝えいたします。ぜひ、投資をする際の判断材料のひとつにしてみてください。

PERってなんだろう?

PERとは、「Price Earnings Ratio」の略で、日本語では株価収益率と訳されます。
一般的に企業の現在の株価が割高か割安かを判断するときに使われる指標です。

計算式は下記の通りです。
PER(倍)=株価÷EPS(1株当たり当期純利益)

つまり、PERは現在の株価が企業の1株当たりの利益の何倍かを表しています。
それでは、実際にPERを計算してみましょう。
EPSがともに100円の企業AとBがあるとします。企業Aの株価が1,000円で、企業Bの株価が2,000円だとすると、PERは以下のように計算できます。

企業AのPER=株価1,000円÷EPS100円=10倍
企業BのPER=株価2,000円÷EPS100円=20倍

企業A、Bの業界等各種諸条件はほぼ同じという前提であれば、同じEPSに対して10倍の値段がついているAと20倍の値段がついているBを比べれば、Aの方がお得(割安)です。つまり、ここからわかることとして、他の条件が同じならPERの数値が高いとその企業の株価は割高、逆に数値が低いと割安と考えられます。

PERは、投資の回収期間も示す指標

PERは株価が利益の何倍で取引されているかを表す指標ですが、PERには「投資の回収期間」という意味もあります。先ほどの企業Aの例でみてみましょう。

企業AのPER=株価1,000円÷EPS100円=10倍

企業AのPERが10倍であるということは、企業Aに投資した金額(1,000円)を10年(純利益100円×10期)で回収できるという意味になります。

PER

※上記グラフはイメージ図です。

しかし、ここから更に注意しなければいけない点があります。それは、PERはあくまで現在の利益と株価を比べているに過ぎないという点です。つまり、投資回収期間10年というのは、EPSがここから10年間ずっと横ばいだった場合の話だということです。現在のEPSが将来も続くという保証はどこにもなく、もしかしたら、3年後には200円に増えているかもしれませんし、50円に減っているかもしれないのです。

PERが低ければ株価は上昇するの?

前述の理由から、PERが低いからといって、必ずしも株価は将来上昇するとはかぎりません。
PERの水準はその企業に対する市場からの評価によって決まりますが、通常、評価の対象となる企業の業務内容や成長性、健全性などは様々であることから、単純にPERだけをみて割安か割高かを判断するのは難しいことです。特に成長性については、EPSに直接影響を与える要素であり、PERが現在市場平均より高くても、今後のEPSの上昇が期待されるなら割安だと判断できる場合もあります。逆にPERが安くても今後の成長性等から考えて割高と判断するケースもあります。

そもそも成長初期段階の企業は利益が出ていないことは普通であり、PERが100倍となっていたとしても、企業が成長し、EPSが上昇すれば、株価がさらに上昇することもある一方で、利益が堅実に出せている企業でも、今後成長が見込みにくい業種である等の理由で、PERが低水準のまま、株価が上昇しないこともあります。

重要なのはPERがなぜその水準なのかを考えること

PERをみる時に、単純に数値だけをみて割高か割安かを判断するのではなく、PERが10倍ということはどういうことだろうと、考えてみてみましょう。例えば、利益成長が加速している企業の実際の投資回収期間はPERよりも短くなり、利益成長が低下傾向にある企業は実際の投資回収期間がPERよりも長くなると予想されます。今後株式に投資をする際には、現在のPER水準に加えて将来的な業界および個別企業の成長性などを考えて投資を検討することが大事だと考えます。

■知っておきたい投資用語

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