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株式銘柄になるメジャーリーガー

2018/08/21

知恵のハコ

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皆さまはどのような金融商品を購入していますでしょうか?
株式や債券、また投資信託などを購入し投資を行っている方も多いかと思います。

今回は様々な金融商品の中でも、少し変わったものをご紹介しましょう。

メジャーリーガーが株式銘柄に

さて、皆さまはメジャーリーガーに投資できるということをご存知でしょうか。

アメリカのメジャーリーグにアンドリュー・ヒーニー(Andrew Heaney)という選手がいます。
2015年9月、ヒーニー選手は米国の投資会社「ファンテックス(Fantex)社」と契約を結び、自身の価値を株式化し、一般売買の対象とすることを発表しました。

メジャーリーグの選手として初の株式銘柄となるヒーニー選手は、今後の収入の10%を所有できる権利を売り出し、その対価としてファンテックス社から334万米ドル(約4億円)を得ました(下記イメージ図)。

グラフ

※上記はイメージ図であり、実際の商品の仕組みを正確に表すものではありません。
※為替は、2015年9月30日の値、1米ドル=119.88で計算

スポーツ選手のメリット・デメリット

この契約の選手側としてのメリットは、比較的早めに大金を手にすることができる点です。プロスポーツ選手は能力があっても、大きな怪我などで突然プレーが出来なくなるリスクが常にあります。最悪の場合そのまま引退に追い込まれることもあるため、現時点で自分の将来を対価に大きな資金を手に入れられる契約は、魅力的なものかもしれません。

しかし、同時にリスクも存在します。大きな資金を手に入れられる可能性があることは魅力的なものの、その反面成績が振るわない場合は、選手の株を購入している株主から強烈なバッシングを受ける可能性があります。

株主側のメリット・デメリット

株主側のメリットとしては、投資した選手が好成績を残した場合、それにつれて選手の価値が上昇するため、それに応じてより多くの配当が得られることが挙げられます。
またデメリットとしては、自分が投資した選手が怪我をして成績が一気に落ちたときや、復帰できないほどの怪我をしたときは、出資して得た株式がただの紙切れになる可能性があります。

これを回避するためには、選手の過去の状況や将来性、日々のトレーニング、あるいは休日の過ごし方に関しても入念に見る必要があるかもしれません。
プロスポーツ選手に投資することが浸透するためには、各協会や各団体との交渉、スポーツ選手自身の金融リテラシーの問題、そのスポーツ自体の知識等たくさんあります。
これらの課題を一つ一つクリアしていくことで、将来的には投資対象としてスポーツ選手という選択肢があたりまえになる日も近づくことでしょう。

視野を広げてみると

少し視野を広げて、個人の株式化という部分に着目すると、日本にもVALUという個人を株式会社に見立て、仮想株式を発行して売買するサービスがあります。
自身の株を売り出して、それを高く買ってくれる人がいて株価が上昇すると、自身が持っている自分の株の価値もそれに応じて増大する。これはまさに、会社を上場した起業家が保有する自社株という資産が、株価の上昇とともに増えていく仕組みと同じです。

実際にVALUを発行している著名な方には、堀江貴文氏や落合陽一氏がいます。今後は、冒頭にお話ししたプロスポーツ選手などの有名人だけでなく、面白いアイデアやするどい視点を持っている人など、より個人に焦点を当て、投資する時代がくるかもしれません。

最後に

こういった「個」の時代の到来は、埋もれた才能が評価されるという正の側面もあれば、個々の価値の差が数字ではっきり出る極めて厳しい世界という負の側面もあります。
まだまだ個の時代と呼ぶには黎明期だとは思いますが、力を持つ個は、力を持たない組織を超える可能性があります。
投資チャンスを開拓するという意味でも、このような金融商品の変化や普及の動きについて、注目してみると面白いかもしれません。

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